大人オリジナル小説
- 死んでしまったあなたに伝えたかったことですが、
- 日時: 2013/11/17 22:55
- 名前: noeru
あんなにブラックな話書いてるくせに実は社会派もシリアス・ダークも書いてなかったnoeruですー!自己紹介長いっすー!!
二次小説じゃないと長続きしないからですかね?
そのせいで二次小説がお先真っ暗な絶望集になってるのはメカクシしときましょー
何かあると書いてる小説にそれが影響して話がどんどんどん底に落ちていくのが悪い癖なので
嫌な事があったり書きたくなったり→ここに書く!とにかく小説にするのだ!!→安定したシナリオで二次創作!!→全体的にスッキリ!!
という、まあ短編や思ったことの書き溜め的役割です
どっちかって言うとエッセイに近いかな?
もちろん全部タイトルに関係することでっせ
!※※※!
・よく分かりませんが鬱症?とかパニック障害?な気もします、多分。本当にそういう方申し訳ござらん
・ガチで極限で書くときは誤字脱字酷いかも(後日暇な時直すかもです)
・似たような話ばっかだったらスマソ
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- あの子たちの話 ( No.3 )
- 日時: 2013/11/18 01:06
- 名前: noeru
あの子たちは私を分けたうちの一人だ。
あの子たちは私を欲を満たすために生まれた。
本当に申し訳ないと思っている。
私はあの子たちが羨ましい。私以上に絶望していて、同じくらい意地っ張りで天邪鬼なのに、悲観的なのに、あの子たちは希望を捨てない。
だってそうじゃないと話が進まないもの。
あの子たちは私の欠片だ。
子供ではない。だって私よりもずっと年上だ。何よりあんなにも子供を産んで、この歳で私の身体が持つわけない。
ただでさえあなたと分けた大切な身体だ。大事に扱わなければならない。
あの子たちは、SNSの「いいね!」を押すくらい気軽に生まれる。私が「いいね!」と思った世界に生きるためのアバターだ。最初は名前も姿も性別も性格も設定も何もない、最初に決まるのは愛すべき相手だ。
私の中であの子たちの価値はあくまでもアバターで、所謂人格になる。その世界に浸っている間、私はあの子たちの一人だ。あなたは私だけれど全く別の思考体だからただの一人格とは言い難い。ビリー・ミリガンの多重人格とは程遠い。私は多重人格じゃないから、そもそもあの子たちは本当に人格うんぬんの類なのかすら怪しい。
『私』の愛する相手が『あなた』ならば、『あの子たち』にとってのあなたが必要なのだ。プラトニック・ラブみたいな、形だけの潔癖症な愛を捧げる相手がいて初めてあの子たちは生きていける。あの子たちはあくまでも、私の中に生まれた、あなたの面影を感じた誰かへ惹かれる気持ちに無理やり形を与えただけのアバターなのだ。最初はその世界で生きるための仮面だったものが、いつの間にか私自身の意思を乗っ取って、あなたの存在も忘れて独り歩きして生きている。
多重人格と違うのは、あの子たちが現実に浮彫になった時の記憶も全て憶えていて、あの子たちの体験は、あの子たちの中で全く別の姿で別の自分が生きるべき世界の人物との間に起こったことだということで、あくまでもその体験は私の体験として記録されることだ。
フロイトだったか、ユングだったかの思想では、夢の中の自分は表人格ではなく裏人格で、人間誰しも二つの人格を持っているらしい。簡単に考えて、私の夢はあの子たちの劇場、かわるがわるあの子たちが好き勝手暴れまわって、私の視線で色々楽しんでると思ってくれればいい。お陰で四六時中隙があれば眠気に襲われているようになってしまったが。
あの子たちの愛は私と通じる部分がある。でも私とあなたよりもずっと綺麗で単純で、盲目で理想的だ。
私とあなたの愛ははっきり言って汚い。相手だけいれば他はどうでもいい、相手の醜い部分ももちろん分かっている、その部分は自分もそうだから気にしない、むしろ魅力的で、相手の全てが正しいと信じて疑わない。悲しい位利己的だ。想い人のことなのに、利己的なのだ。想い人が自分だなんて。綺麗なのに、きっとこの世で一番馬鹿馬鹿しくて汚いのだ。私もあなたもそれを承知で、それでもそれが幸せで。
あの子たちは相手だけではない、周りだって大切だ。家族や兄弟姉妹が大切な子もいれば、それはいらない、必要ない、もともといない子もいる。友達、親友、幼なじみが全ての子もいる。私のように架空の世界に卒倒する子もいれば、私ですら訳のわからない数字の羅列や複雑な世界論理に身を投じ、絶望の果てで朽ちる子もいる。それが各自の選択だからどうしようもない。せっかく生んでやったのに、あちらはこちらの存在を知らずに日々をエンジョイしている。
あの子たちの大半は化物だ。バケモノなのに人を愛し、愛し合って守ろうとする。私とあなたとは正反対なのだ。私が普通の人間で、きっとあなたは化物だ。他人には理解できない生き物だ。私ですらあなたがなんなのか分からない。いつから一緒だったかもあやふやだ。だから私とあの子たちは似ている。
あの子たちについて、特筆すべき点はこれくらいだ。
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