大人二次小説(BLGL・二次15禁)

カゲプロ シンタロー受けほとんど
日時: 2015/05/03 18:30
名前: 橘

初めまして、橘(たちばな)です。
他にもスレを掛け持ちしているんですが、また性懲りもなく書いています。

カゲプロ、ハイキューを中心に他の作品も書きます。
基本短いものしか書いてません。
Rは入るかもしれません。
コメント、リクエスト貰えると泣いて喜びます。

遅筆です。
よろしくお願いします。

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Re: 色々短編、カゲプロ ( No.4 )
日時: 2015/04/27 23:48
名前: 橘 ◆j8LwjqF.GU

[急性要求殺人症]アヤシン
アヤノ視点。

目の前には、赤い服を着たシンタローがたたずんでいた。
下には今日の獲物になった、憐れな男が虫の息で地面に這いつくばっている。
よく見ればシンタローの服には赤黒い血がジャージ前面にかかっていた。
ひ、とシンタローは私に気づいたのか、小さな悲鳴を漏らして震えてその場にしゃがみこむ。
ああ、綺麗なシンタローが穢い血で汚れちゃう。
私は微笑んでシンタローに近づいた。

「シンタロー。お家に帰ろっか。」
「ひ、ひ、ぁ、ぁ、ぁ、ごめんなさ、いやだ、ぁ、あ、」
「大丈夫だよ、シンタロー。」

震えてやだやだと首を左右にふるシンタローに、私はその細い身体を抱き寄せる。
大丈夫、大丈夫。
そう暗示するようにシンタローの耳元で呟けば、やがてシンタローはこくりと小さく頷いた。
かわいいなぁ、かわいいなぁ。
慈しむような目でシンタローを見つめていると、汚い死体が目にはいった。
舌打ちして、この死体をどうするか考えた。
そこらに埋めるか、山に持ってくか。
まぁ後でどうにでもなる。
とりあえずシンタローをお風呂にいれなきゃね。
さぁ帰ろう、なんて言ってシンタローの手をとる。
シンタローは手に持っていた刃物を落として、私の手を握る。
その手は真っ赤に濡れていた。

シンタローは何ヵ月かに一度は誰かを殺した姿を間近で見ないと過呼吸を起こしてしまう。
最初は怯えて人を殺したくないと泣くシンタローに、私が誰かを殺して見せて、これは正義だと思わせた。
シンタローは私のことを絶対の正義だと思っている。
そうなれば簡単だった。
シンタローは時折泣くけれど、殺すことに躊躇いはなくなった。
私はシンタローが過呼吸や涙を流さなくてよかったなぁ、と笑う。
え?ああ狂ってるって?
はは、手遅れだよ。
シンタロー、愛してるよ。

急性要求殺人症。

Re: 色々短編、カゲプロ ( No.5 )
日時: 2015/04/28 18:29
名前: 橘 ◆j8LwjqF.GU

[無意識な性]ヒヨシン、シンヒヨ
ヒヨリ視点。

汗をかいた肌を、服に密着させぬように前後に引っ張って風をいれる。
まだヒビヤにはない、男性の喉仏をごくりと鳴らしてコーラを飲み込む。
たらりと首もとに垂れる汗が強烈な色気を放っていた。
その姿だけで、私は明日から生きていけそうですお兄様。

元々シンタローさんは自分の出ている色気に気づいていない。
ただお茶を取る動作ですら美しいのに。
物を取ろうとすると、いい匂いがふわりと鼻腔をくすぐって逃げていく。
白い手がお茶に触れ、その潤った真紅の唇に運んで行った。
ちろりと唇を舐めると、赤い舌が顔を出す。
そんなシンタローさんに未だ見慣れていない私たちがアウトなのだから、常人なら一発でKOだろう。
ちなみにモモさんは僅か十歳でシンタローさんの色気を悟って、最近やっと慣れたそうだ。
うん、私が慣れるのはもう少し先かも。

本人は無自覚なのだから末恐ろしい。
いやぁ、シンタローさん。
性的すぎますって。
なんて考えながら、横でスタイリッシュな顔で鼻血を垂らしていたヒビヤにティッシュをぶつける。
さっきから隠せてないのよバカ。
シンタローさんが心配するでしょうが。
慌てて鼻血を拭ったヒビヤをまぬけね、なんて言ってまたシンタローさんの方に目をやる。

どうやら本を呼んでいるようだった。
ぱさり、とページをめくる音が心地いい。
きっとマリーさん辺りに借りたんだろう。
二人は案外、趣味が会うから。
私も負けてられない。
私はシンタローさんの膝に多少強引に座る。
少し驚いたシンタローさんがヒヨリ?と問いかけた。

「ダメ?」
「いや、ダメじゃないけど。何かあったか?」
「……んーん。別に。シンタローさん、本読んでいいよ。」
「そうか。」

勝手に座られてシンタローさんは怒ることもなく、私を心配してくれていた。
なんて優しいんだろう。
私この人のお嫁さんになりたい。
いやいっそ、夫になりたい。

髪を耳にかける動作がまたいやらしい。
ほら、もう。
堪らないじゃんか。
また今日も、無意識の性に溺れてく。

Re: 色々短編、カゲプロ ( No.6 )
日時: 2015/04/28 18:30
名前: 橘 ◆j8LwjqF.GU

[この熱を]モモシン、シンモモ

人気アイドル、という立場上、如月モモは疲れていた。
お客さんのお陰で今のモモがいる、ということは分かっている。
分かってはいるが、肩が凝るなんて常時でマイクだこは当たり前。
しかも睡眠時間が三時間を切ることだってあり、それに宿題を会わせればもうモモは手一杯だった。

ばたり、と倒れるように自宅のソファーに身体を沈める。
家族はみんな寝てしまったのか、明かりはリビングしかついてなく音も無かった。
確か、今日は課題がたくさんある。
さっさと終わらせなければ、また教師に叱られるだろう。
だけどお腹が空いて力が出ない。
しかもライトに当たっていたから目が痛い。
うー、うー、とモモが小さく唸った。
情けなくて涙が出て来そうになる。
そんなモモに、鼻腔をくすぐる美味しそうな匂いがした。
モモはソファーから飛び起き、辺りを見つめるとコトコトとシチューを煮込んでいる我が兄がそこに立っていた。

そんな兄にいよいよ涙腺崩壊したモモは抱きつく。
その前に何でまだ起きてるの、とか何でシチュー作ってくれてるの、とか聞きたいことは山ほどあったが、まず泣くのが早かった。

「おにいちゃぁぁぁ!ぅ、ぅう、ふぇぇえ、ぅ、っ、」
「おーよしよし。もう少しで出来るからなー。危ないからソファー、座っとけ。」
「ぅぅ、っ、わがっだっ、ふっ、ひっぐ、ひっく、」

泣きながらも兄、シンタローの言葉は聞くようで素直にソファーに座り直した。
シチューを煮る間、暇なシンタローは声がじゃっかん掠れていたモモにひらめく。
桃色に白の水玉のモモ専用マグカップを取り出す。
鍋に生姜をフードプロセッサーで刻んだものをいれる。
水と砂糖でシチューと同じように少し煮込み、灰汁を取る。
しばらくして火を止めて、蜂蜜に漬け込んだ柚子をいれてまた煮込みだす。
二十分もすれば、モモのもとに蜂蜜柚子と生姜のお湯割りが出てきた。

「ん、飲めるか?」
「うん。だいじょぶ。」

暖かい毛布を片手にマグカップを机に置く。
冷たくなっている肌にシンタローは眉を寄せて毛布を被せた。
温かい飲み物に感激しながらそれを少しずつ飲み込む。
いきなりだと、胃がびっくりするからな。
なんて兄の小言を聞きながら。
暖かい蜂蜜と柚子が身体に染み渡り、生姜がぽかぽかとさせてくれる。
甘くて、ほんのちょっと酸っぱいそれに、空っぽだったお腹が少し満たされたような気がしてモモは笑った。
そういえば、とシチューの仕上げにに入っているシンタローにモモは問いかけた。

「お兄ちゃん、どうして待っててくれたの?シチューだって、一から作ると大変なのに……。」
「妹は兄に頼るべきだろ。それにっ、と。」

シチューを盛り付けた皿をモモの前に置き、自分もソファーに座る。
一度くぎって、モモのおでこにでこぴんをした。

「最近、働きすぎ。少しは休め。あとで課題、教えてやるから。」
「おにいちゃ……ん、……!」
「な?覚めるぞ。早く食え。」
「うん……!うん!ありがとう!お兄ちゃん!」

モモは目の前に置かれた美味しそうなシチューにスプーンを持つ。
口にいれれば野菜と肉がほろほろと崩れ、シチューが染み込んでいる。
美味しさが口一杯に広がり、ん〜!とモモは歓喜の声をあげる。
シンタローは薄く微笑み、課題を持ってきて要点だけ書き込んでいるようだ。
モモはお湯割りとシチューを交互に飲み込んでは美味しいよ、とシンタローに笑った。
美味しくて、暖かくて、優しくて。
兄から貰ったこの熱が、収まりそうにない。

Re: 色々短編、カゲプロ ( No.7 )
日時: 2015/04/28 10:10
名前: 橘 ◆j8LwjqF.GU

[いま逝くよ]アヤシン
アヤノ視点。

シンタロー、私、シンタローのことが大好きだった。
どこをあげたら切りがないほど、シンタローが好きなんだよ。
不意に笑ったその顔が、無謀と知っていても何処までも真っ直ぐなその瞳が。
さらさらと風に揺らぐ黒い髪が。
私を撫でてくれた、その手が。

ねぇどうして。
何で、そんなに苦しんでいる顔をするの。
私が犠牲になれば、シンタローだって助かるはずなのに。
私はここにいるよ。
だから、そんな昔みたいに泣かないで。
ああ、修哉、やめて、シンタローは弱いんだ。
虐めないで。
死人に口なしなんてよく言ったものだね。
ヘドが出る。
やっと、やっと、シンタローが私たちに笑顔を見せるようになってくれたのに。
あんなに貴音さんも遥さんも喜んでたのに。
ああ、ほら、心を閉ざしちゃった。
大丈夫、シンタロー。
私は全てを捨ててでもシンタローのところに行くからね。

蛇さん、蛇さん。
よろしくね。
私はシンタローが世界で一番大切だから。

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