大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- カゲプロ シンタロー受けほとんど
- 日時: 2015/05/03 18:30
- 名前: 橘
初めまして、橘(たちばな)です。
他にもスレを掛け持ちしているんですが、また性懲りもなく書いています。
カゲプロ、ハイキューを中心に他の作品も書きます。
基本短いものしか書いてません。
Rは入るかもしれません。
コメント、リクエスト貰えると泣いて喜びます。
遅筆です。
よろしくお願いします。
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- Re: 色々短編、カゲプロ ( No.1 )
- 日時: 2015/04/28 18:28
- 名前: 橘
[数年たっても君はいる]アヤシン、シンアヤ
無愛想で笑わない。
誰かに話しかけようともしないし誰かが話しかけようともしない。
そのくせ、賢く聡明でテストはいつも百点。
そんな彼を人間は恐怖し、化け物と呼んだ。
教師が熱心に授業をしているのに、彼は空虚の瞳で窓を見ていた。
他は諦めているのか、注意すらしない。
特に何をする訳でもなく、窓を見つめる彼に、少女は話しかけた。
赤いマフラーとピン。
季節は春の今には少し場違いだろう。
首を横に少し曲げて少女の方を彼は向いた。
暑くないのか。
ちょっと暑いけど、赤色好きなんだ。
少女は無邪気に微笑む。
ふぅん、あっそ。
素っ気ない会話。
それでも少女は嬉しかった。
また窓の方を向いてしまった彼に、少女は寂しく思いながらも話し掛けることをやめた。
少女は彼のように賢くはない。
教師の方を向き、またノートをとった。
購買で買ったパンを、彼はゆっくりと咀嚼を行う。
彼の横では少女がそれで足りるのか、と心配そうに見つめながら栄養バランスの整った弁当をひろげた。
私のおかず、一緒に食べよう。
いらない。
即答で彼はそっぽを向く。
紙パックの牛乳を吸いながら、またパンを口にいれる。
少女はいつものことだ、とまた寂しそうにおかずを彼と同じように口に放った。
ねぇ、一緒に帰っていい?
もう恒例行事となったその言葉に、彼は何も言わず歩いた。
その横に少し走って追いつき、少女も同じように歩く。
彼が何も言わない時は、いいよの合図だ。
もうずっと一緒にいるから、少女は彼が考えていることを大体当ててしまう。
まるで夫婦のようだね。
何処からか、そんな微笑ましいようなものを見るような声が聞こえる。
少女は少しの優越感に笑う。
そして今日も、彼と共に炎天下の上を歩いた。
数年たっても少女は居る。
- Re: 色々短編、カゲプロ ( No.2 )
- 日時: 2015/04/27 19:11
- 名前: 橘
[永遠に愛す]遥伸
遥視点。
誰よりも好きで、君の為ならこの世界さえ捨ててしまえるような気がした。
それぐらい君を、伸太郎くんが好きだったんだ。
もちろん、今でも。
別れを切り出したのは僕から。
もう、一年前になる。
やっと文乃ちゃんや貴音と馴れてきて、そこそこ笑うようになってしばらく。
告白は僕からで、別れも僕から。
そして別れを告げた。
何て身勝手なんだろう。
でも、仕方がないじゃないか。
病気のことを考えれば、これから伸太郎くんを幸せに出来るはずがない。
しかも男同士。
伸太郎くんには、文乃ちゃんとか貴音みたいな女の子の方が似合ってる。
僕は伸太郎くんが大好きだから、このままだらだらと続けばそれこそ伸太郎くんを離せなくなってしまう。
それだけは、嫌だった。
別れよう。
僕の絵を見ていた伸太郎くんに、少し改まって。
伸太郎くんはその場でぴしりと固まって悲しそうな瞳をする。
「俺は、遥が好き。遥は、違うのか。」
不器用で愛の言葉など吐かない彼からの、率直な言葉。
嬉しくて、堪らなかった。
だけども、僕は心を鬼にしてそっぽを向く。
「嫌い。ごめん、ごめんね。伸太郎くん。」
「そっ、か。わかった。でも、せめて、元の関係に戻ろう。文乃たちが心配、するから。それも、駄目か?」
「っ、もちろん。僕と、伸太郎くんは、親友だよ。」
うつ向いてしまった伸太郎くんの声は震えていた。
きっと、その綺麗な黒目に涙を浮かべているんだろう。
それをさせたのは、僕だけども。
後悔しか頭には無かった。
やがて小さな嗚咽が聞こえて、僕は目を瞑る。
何て馬鹿なんだろう。
こんなに伸太郎くんを悲しませるなら、告白なんてしなければよかったのに。
だって口から出てしまったんだ。
君が、好きだと云うことが。
もうこの唇に触れるものはない。
僕は、きっとこれからも君しか愛せなくて、出逢った人全てに君を重ねていくんだろう。
僕は君を、伸太郎くんを、永遠に愛してる。
それが君を悲しませたとしても。
- Re: 色々短編、カゲプロ ( No.3 )
- 日時: 2015/04/27 21:06
- 名前: 橘
[君が全て]マリシン
マリー視点。
シンタロー、シンタロー。
どうして私を置いてったりしたの。
犠牲が必要なんだ、なんて笑って。
やだ、やだよ。
シンタローがいなくなったら私は誰と話せばいいの。
聡明な君が唯一私の話を聞いてくれた。
知らない花だって一生懸命調べて、私と同じ位置に立とうとしてくれたシンタロー。
少し知らない知識があったら、私に教えてくれた。
お菓子を一緒に作ってくれた。
シンタローの作ったお菓子は暖かくて優しくて、ほんのり甘い。
私の大好きな味だった。
シンタローがいなくちゃあのお菓子、作れないのに。
私一人じゃ、何も出来ないよ。
赤い血が私の頬にかかり、シンタローが安らかな顔で倒れていく。
それがスローモーションのように頭のなかで再生された。
まだ私、好きだって伝えてないのに。
君と愛の言葉を喋りたかったのに。
君と睦言を紡ぎたかったのに。
君に、愛して欲しかったのに。
私の泣き叫ぶような悲鳴が辺りに響き渡る。
セトが私の名を精一杯呼んでいるような気がしたが、私はその言葉すら悲鳴にかき消した。
もう一度。
そしたら、シンタローは私のそばにいてくれるよね。
暗転。
また、夏がはじまる。
眠っているシンタローに、私は誰にも知られずきゃらきゃらと笑いながら、口づけた。
私の心は、君が全て。
何処かで蛇が動いたような気がした。
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