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愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL
日時: 2025/10/15 23:15
名前: 極彩の魔女 (ID: s26dq553)






「 待ちくたびれたよ、お姫様 」



たくましく精悍な佇まい。

白い花の香りが漂うような甘いマスク。

獲物を狙うようなアルカイックスマイル。

庭師が鋏を手にするように、コックが刃物を手にするように、皇子たちは鎖と首枷を手に笑った。


【 皇子と姫と魔女 / 一風変わった跡目争い / 仄暗いファンタジア / 1:1 / 換骨奪胎 】


: 指名式トピ
: 提供は男性のみ
: 募集は"魔女に創られたお姫様"、男性Cも姫と呼ばれ歓迎されます
: 世界観を大切に
: マナー・良識を守れる中級者様以上優遇
: 参加者様以外の横槍禁止
: 即レス・置きレス切り替え可能
: 指名変更、指名被り、連続指名可能
: 上下の空白必須
: 短〜中ロル推奨、筆が乗れば長文も歓迎

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Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.121 )
日時: 2025/11/19 22:44
名前: ジーク/第一皇子 (ID: s/RKTKvj)


>>リンデン姫( >>115)

……これ以上私が、貴女の事だけを想い眠れない夜を越える必要がなくなるのですね。
(比喩ではなく、時が止まった気がした。同時に早鐘を打つ心臓の鼓動も一瞬停止した心地で、その後に指先からじんわり仄かに温もっていくような錯覚に襲われて。返事を貰えて、独り言のように呟いた言葉は今迄の日々を思い巡らすもので。抱き締めたこの女性を自分の腕から逃がしたくない、そんな本能が姫を抱き込める腕にもう一段階力を込めさせて。だが此の儘結ばれたとしても、その後は?貴女が傍に居てくれるなら、包み隠さずに話しておきたい。ゆくゆくは極彩の魔女の存在に触れなければならないだろう。隠しているわけではなかったけれど、姫と過ごす甘い時間があまりにも尊くて、それを壊すぐらいならと言及を避けていた紛れもない物語の真相に。躊躇うような間を置きながら小さく深呼吸をして、腕の力を緩めて姫の二の腕あたりに手を添えながら美しい顔がどんな表情を浮かべているのかを見つめて)……貴女には、きっと辛い真実ですが。けれど、知る権利がある。リンデン姫、貴女にその覚悟がおありなら……全てをお話します。あの夜の事も、そのお相手の事も、王宮の秘密も、――姫、貴女のことについても。

Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.122 )
日時: 2025/11/20 06:59
名前: ざざ (ID: 70oEIa82)



甘美で、優しくて、
でもどこか切なさを含んだその呟きに、
心臓は形を変えるほど熱く満ちていく。

抱き寄せる腕の力が少し強くなったのも、
その切なさの理由も、
なぜだかすぐにわかった気がした。

けれど。

腕の力が緩み、
ジーク様の指先がそっと私の二の腕へ添えられた瞬間。

空気が変わった。

甘く満たされた温室の香りの中、
彼だけがほんの少し別の温度を帯びたようで。



静かに告げられたその前置きが、
胸の奥を冷たく撫でていく。

辛い真実。

知る権利。




王宮の秘密。

――そして、「貴女のことについても」。

胸の奥がひゅ、と縮んだ。

怖い。

でも、逃げてはいけない。
ジーク様が迷いながら、それでも言おうとしてくれているのは、
嘘でも幻想でもない、確かな“真実”なのだから。


彼の隣に立ちたいと願ったのは、
ほかでもない、私なのだから。

しっかりと彼の瞳を見つめる。

震える指先で、彼の腕にそっと触れながら。

「……ジーク様」

名前を呼ぶ声が、少し掠れてしまっていた。
それでも、逃げずに言葉を続ける。

「わたくし……聞く覚悟はございますわ」

胸が痛むほど怖い。


「貴方が“真実を語りたい”と選んでくださったのなら……
その想いに、背を向けるわけにはまいりませんもの」

腕に添えていた両手を滑らせて愛おしい彼の両頰を包むように優しく触れる

「どれほど辛いものであっても、
わたくしは受け止めます。
ジーク様が隣にいてくださるのなら」

小さく息を吸い、震えをごまかすように微笑んだ。

「――全てを、お聞かせくださいませ。」

逃げないと決めた声は、
静かに、けれど確かに温室の中に落ちた

Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.123 )
日時: 2025/11/20 12:30
名前: ジーク/第一皇子 (ID: hZy3zJjJ)


>>リンデン姫( >>122)

貴女に余計な先ずあの夜でお気を揉ませてしまったこと、真心から謝罪します。
(この女性の笑顔を守りたい、と矢張り否を紡ぎかけた口は頬に感じた滑らかさと暖かさに噤まれて。この先も笑顔を守る為。勝利を掴んで最後に笑うのは此方側にするよう。こんな時でも自分の事より此方の選択に背を向けるわけにはまいりませんと向き合ってくれる優しいお姫様の指先に、浮かんでいた悲しみの表情は溶けるように霧散していつも通りの微笑みに戻りつつあって。それでもどこか晴れやかとは言い難い、これから共に困難に立ち向かうような覚悟めいた重さも表情には残っていて、気丈にも顔には動揺を出さないように努めているのだろうと伝わる姫の淑やかな淡い黄色の瞳を見つめ返し、一度深く頷いて「 長くなりますから、どうぞ此方へ。 」銀のティーポットや数々のお茶菓子が用意されたティーテーブルに姫を誘導し、ふかふかと沈むような柔らかさのある椅子へとエスコートしてから皇子も対面に腰掛けて。まだ十分に温かい紅茶をカップに注いで姫に差し出し、両手をテーブルの上で組んで真っすぐに視線を向けて「 ――この王宮は、いえ、この国は…今、滅亡の危機に瀕しているのです 」唐突な導入は、聡い姫なら受け入れてくれるだろうと踏んでの事。滅亡だなんて剣呑な言葉は全く似合わない美しい花園の外で、小鳥が一度だけ囀って。「 あれは何の前触れもなく突然この国に現れました。極彩の魔女、この世で最強の魔力を持つと謳われる謎の人物です。魔女は我が父君――現国王を邪な魔法の力で篭絡し、母君方を地下に幽閉。瞬く間にこの国の実権を我が物とし、実質的な支配者となりました。当然、私は…私たち兄弟はそれを受け入れない。有事の為に剣を学んできたのだと、魔女に戦いを挑みました。…けれど、人知を超えた相手に武で敵うはずもなかった。私たちも魔女に支配され、国を守れず、全てが終わってしまう――そう覚悟した時、魔女はあるゲームを提案してきました。……魔女の創り出す【姫】の心を射止め、結婚式で愛を誓うキスを交わす事。それが私たち皇子の勝利条件です。気紛れな魔女はいつまでも待ってくれるわけではなく、飽いてしまえばその圧倒的な力で瞬時に何もかも蹂躙し、私たちの尊厳を侵す。だから私は戦いの幕が上がった日から、血眼になって【姫】を探していました。姫に関する情報を聞き出すため、あわよくば魔女の思惑や弱点を僅かでも掴めればと、魔女から忌まわしい誘いがあれば受け入れていました。貴女が……あの夜聞いた声の矛先は、魔女だったのです 」眠れない夜をどれだけ過ごしてきたことか。目下に浮かぶ隈は単なる忙しさだけで出来たわけではないのだろう。魔女に創られたその【姫】という存在がつまりは彼女なのだと、明言されずとも分かってしまうか。戯れに生み出された命ならば、恐らく消す事も可能な筈。ゲームが終わってしまったら、姫は消されてしまうのだろうか。丁寧な口調を保ちながらも、極彩のマドモアゼルに対してのみ女性に払う敬意のようなものが感じられない魔女呼ばわりを、きっと当人も魔法の力で聞いているのだろう。しかし最早そんなことは微塵も気にならなかった、今皇子にとって最も大切で気掛かりなのは衝撃的な真実を打ち明けられた姫がどう感じているか。ゲームのためだけに戯れに命を生み出した魔女の冒涜的な行いに改めてはらわたが煮えくり返る思いを抱えながらも一度閉口して、じっと姫を見つめて)

Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.124 )
日時: 2025/11/20 18:38
名前: ざざ (ID: XBWZ.1Hx)


ジーク様の口から告げられた真実は、
胸の奥にそっと落ちたのではなく
まるで氷の刃のように深く突き刺さった。

「……滅亡……?」

最初に漏れた声は、
震えていたのにも気づかないほど、か細かった。

温室の柔らかな光は何ひとつ変わらないのに、
景色の色がゆっくりと褪せていく。

極彩の魔女。


魔女の創り出した【姫】を射止めよ、というゲーム。

(……わたくし、は……)

胸の奥がぎゅうっと縮んで、
呼吸の仕方さえ一瞬わからなくなる。

目の前の美しいティーテーブルも、
注がれたばかりの紅茶も、

すべてが、幻のように遠ざかっていった。

ジーク様は、その間ずっとわたくしの反応を見つめていた。
逃げもせず、隠しもせず、
たった一人の人間としてわたくしに向き合って。

それが、胸をさらに締めつけた。

けれど同時に――
もっと深く鋭い恐怖が、心臓を内側から叩いた。

(わたくしは……“創られた姫”。
魔女が思いつきで生み出した……命?)

滅ぶ国。


抗い続ける皇子たち。

その中心に、自分自身がいるという現実。

ジーク様の言葉がすべて繋がった時、
血の気が引くのが自分でも分かった。

でも。

それでも。

わたくしを見つめるジーク様の瞳が、
あまりにも痛いほど……優しくて、必死で。

その表情にようやく私はは息を吸った。

震える声で、
それでも逃げずに。

「……ジーク様」

紅茶の湯気の向こう、目の前に座る彼を、
ただまっすぐに見た。

「わたくし……魔女の“創った姫”……なのですね」

その言葉を自分の口から出してしまった瞬間、
喉の奥が、きゅっと痛んだ。

けれど目を逸らせば、
この方の真剣さを裏切ることになる。

だから、泣くのも震えるのも許されなくて。

ぎゅっとドレスを握りしめたまま、
なんとか続けた。


震えながら、それでも言う。





涙が落ちそうになり、慌てて瞬きをして耐える。

そして――
もっと怖くて、もっと言いたくない本音を、
それでも絞り出した。

「……わたくしが……“ゲームの駒”として創られたのだとしても」

「貴方が……わたくしに向けてくれた想いまで、嘘ではないと……信じたいのです」

それが、たとえ愚かであっても。

「だから……今すぐに…この場所を知る従者の方をお呼びくださいませ」


言ったあとで、胸の奥が静かに震えた。
覚悟はとっくに決まっていたはずなのに、

魔女の創り出した姫。
勝利したら消えるかもしれない存在。

けれど。

それでも、この国が救われて、
ジーク様が生きて笑ってくれるのなら。

煌びやかな服も美味しい食事も、余計な観客もいらない
愛を誓う人と、その誓いを見届ける人さえいれば良い

「結婚式をしましょう。
今、この場所で」

Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.125 )
日時: 2025/11/20 20:35
名前: ジーク/第一皇子 (ID: hZy3zJjJ)


>>リンデン姫( >>124)

(やっぱり、彼女は優しすぎる。突然趣味の悪い寓話のような実話を説かれ、その混沌の中心に据えられる駒として生み出されたなんて事実を知らされればもっと取り乱したっておかしくない、いやむしろそういう反応の方が多数派なはず。なのに彼女は本物の想いだと信じてくれる言葉だなんて。不意に息が詰まったのは、姫を憐れんだからではなく心から愛おしい、守りたいと思ったから。「 最初は…そう、国を救う鍵となる姫として接しているつもりでした。でも今は違う。貴女が【姫】でなくとも、私は貴女を想っていた 」きっぱりと断言する言葉には確かな男としての矜持を乗せて。ゲームに勝つことが目的で始まった出会いでも、今は――「 若し消させるだなんてそんな事はさせない! 」勢いよく立ち上がった拍子でテーブルが揺れ、カタカタと食器の揺れる音だけが小さく響いては消えていき。女性の前で声を荒げてしまうことなんて生まれて初めてかもしれない、咄嗟に出たとはいえ大人げない振る舞いを恥じるようにぐっと拳を握って、でも姫からは目を逸らさずに「 …私はこの花園に誓う。貴女の命をあの魔女に無為に摘ませたりはしない。 」どこか遠くで、極彩の魔女の高笑いの幻聴が聞こえた気がした。どうやってそんなことを成し遂げる?…分からない。でも、こんなにも熱く、真剣に、一人の女性を守りたいと思った事なんてなかった。テーブル一つ挟む距離がじれったい。本当はこんなもの荒々しく払いのけて今すぐ姫を強く抱き締めたい。でも今此処ではしなかった、今この場で、に今すぐには返事をしなかったも自分の胸元を握り締め)例え貴女が私を選ばなかったとしても。私は貴女に健やかに生きて、……世界で最も幸せな女性として、穏やかに暮らして欲しいのです…。でも貴女は選んでくれた!

Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.126 )
日時: 2025/11/20 21:37
名前: 極彩の魔女 (ID: hZy3zJjJ)


●午前0時の鐘が鳴っても皇子は姫を帰さない。


>痛みを媚薬に、孤独を劣情に。八人の皇子が抱える渇きを癒せるのはきっと――だけ、


>こんな姫が居たらいいな。(>>12


>>1 : 世界観

>>2 : 詳細

>>3 : 提供 / 皇子のプロフィール (使用人は>>94

>>4 : お姫さまはこっちだよ。
 ●優遇・冷遇は【>>15】参照

>>5>>6 : すこしだけ補足


●備忘用↓
www.otona-kakiko.com/bbs/bbs1/index.cgi?mode=view&no=704

●物語の栞↓

: リンデン姫 <<< 第一皇子ジーク(>>125

Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.127 )
日時: 2025/11/21 09:44
名前: ざざ (ID: QGuPLo0Y)



ジーク様の言葉は、嵐の只中で差し出された手のように
恐ろしくて、なのに触れた瞬間に泣きたくなるほど優しかった。

彼が「貴女が【姫】でなくとも」と断言した時、
胸のどこか深い場所で、ぱちん、と静かな音がした。

それは壊れる音ではなく、
ずっと閉ざしていた何かに光が差した音だった。

あんなふうに誰かが自分のために怒ってくれることが、
生まれてから一度でもあっただろうか。

(……いいえ。記憶の中にはない)

テーブル越しの距離が、もどかしそうに揺れる彼の拳が、
真っ直ぐに向けてくれる瞳が、

すべて、痛いほどに胸を満たしていく。

「わたくし……嬉しいのです」

勢いよく立ち上がったジーク様とは対照的に、
私はいつものようにゆっくりと、品よく立ち上がる。
ティーテーブルを避けながら彼の元へ歩み寄り、
胸元を強く握りしめている彼の手に、そっと上から添えた。

「こんなにもわたくしは愛されておりますのね」

宥めるように、落ち着けるように、柔らかな微笑みを向ける。

「消えるかどうか……まだ分かりませんわ。
そんな不確定な要素よりも、確定していることに目を向けてくださいませ」

ゆっくり深呼吸をして、さらに続ける。

「わたくしの愛したジーク様は、優しくて……どこか無邪気で、
それでいて聡明な判断のできる男性ですの」

“皇子”とは言わず、
ひとりの男性として見ていることを、そっと伝えるように。

「どうか……わたくしを愛してくださるのなら、
わたくしのわがままを聞き入れてくださいませ」

なんてずるい言い方なのだろう――
自分でも、胸の奥に小さな罪悪感が広がる。

愛を誓い合う口付けをしてしまえば、
本当に消えてしまうかもしれないのに。
それでも、愛してくれる人に、それを迫ってしまうなんて。

Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.128 )
日時: 2025/11/21 10:27
名前: ジーク/第一皇子 (ID: sjVsaouH)


>>リンデン姫( >>127)

(一番目の皇子として生まれ落ちたことを自覚したのはわずか四歳の時。その時から、自分には本質的な自由は何も許されないのだとどこか悟って生きて来た。好きな時に友達と遊ぶ事も、食べたい物を好きなだけ食べる事も、心から愛する人を見つけて結婚する事も。一生涯、何も許されず、国と民にすべてを捧げて命を全うしなければならないのだと。その覚悟は、大人になった今も何も変わらない。だからこそ、気が触れてしまうような情愛を向ける女性と結ばれる事が嬉しくて、思わず片方の眦から温かな雫がひとつ、頬を伝った。「 ――リンデン、 」もう目の前の女性は魔女の生み出した作品――【姫】なんかじゃない。国よりも民よりも大切なたった一人の【妻】。現実で何も変化がなくたって、第一皇子にとってはそれが真実だった。手に体温が重なってその温もりを感じた瞬間、今まで我慢していたものが溢れるように、男の力で強く強く抱き締めて「 愛してる 」歓喜の涙に震える声は皇子としてではなく一人の男として花園に落ちて。彼女の存在を腕の中で確かめるような長い抱擁をしてから今までにない柔らかな表情で見つめて、他人行儀な二人称も敬語も取っ払った等身大の言葉で綴って「 ……たくさん、話をしよう。君のこと、私のこと、二人が出会うまでの空白を埋められるように。きっと、私はもっと君を好きになる。君は…私に失望する事もあるかもしれないね 」冗談めかすように小さく笑って、「 それでも変わらず君が私を選んでくれるなら…式を挙げよう。私の妻として、純白のドレスで隣に立ってほしい。けどどうしても今すぐに?…それに魔女に愛を示さなければならないと思う 」魔女のタイムリミットが無かったとしても、きっとすぐにでも挙式を提案しただろう。早くこの素晴らしい女性を正式に娶り、そして――愛に飢えた兄弟たちにも、彼女は私の妻だと示したいから)

Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.129 )
日時: 2025/11/22 07:08
名前: ざざ (ID: eiOwwwRL)



 涙が零れたのは、彼の方だったはずなのに、
気づけば私の頬までじんわりと熱を帯び、
名前を呼ばれただけで胸がいっぱいになってしまう。

「ジーク様……」

強く、強く抱きしめられた瞬間、
世界がたったひとりの温もりだけで満たされて、
私もまた、抗いようもなく彼の腕の中に沈んでいった。

彼の胸に触れている場所から、
確かに脈が伝わる。
優しい鼓動。
生きている証を、愛してくれている証を、
こんなにも近くで感じてしまう。

やがて腕の中から離れ、ゆっくりと顔を上げれば、
彼が今まで見せたことのない柔らかな表情を
まっすぐに受け止めた。

「ふふ……失望なんて致しませんわ。
どんなことだって、この国のためにしてきたことでしょう?」

伸ばした指先で、頬に残る涙の跡をそっとなぞる。

小さく笑う彼に、
恥ずかしさを忍ばせた微笑みを返す。

「たくさんお話をいたしましょう。
わたくしも……もっとジーク…のことを知りたいのです」

もっと近くで支えたい。
沢山の愛と知識で彼を包みこみ、
隣に立つ覚悟ならもうできている。
どんな過去でも、どんな重荷でも
受け入れられる自信がある。

「そのタイムリミットが、一時間後かもしれませんし、
明日かもしれませんわね。
“きまぐれ”という、なんとも意地悪な制限があるから……
だからこそ、今すぐに、と思ったのです」

純白のドレスに憧れがないわけではない。
けれど、形式だけの、周りに知らせるための式ならば、
すべてが終わり、すべてが解決したその時に行えばよい。

愛を示すだけなら、
祝福の声も、豪奢な会場も要らない。

「愛を証明するのに……二人だけがいれば、十分でしょう?」

静かに微笑みながらそう告げた

Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.130 )
日時: 2025/11/22 20:39
名前: ジーク/第一皇子 (ID: jhXfiZTU)


>>リンデン姫( >>129)

……こんなに幸せでいいのか…、
(犠牲、だなんて被害者意識のある表現をする気はないものの、第一皇子ジーク個人としての幸せなんて一生望めないものと覚悟していたから、潤むような声でぽつりと呟いて「 たくさんの奇跡が私たちを引き合わせてくれたんだね。…ありがとう、リンデン。 」不自由な幼少期も、抑圧された少年期も、魔女の襲来も、屈辱の日々も、こうして彼女と結ばれるための試練だったのかと。自分の人生を華やかに、暖かく色付けてくれたかけがえのない存在に改めて感謝を。そっとなぞってくれる彼女の指先に、自分の手で包み込み少し擦り寄って「 …明日、はどうだろう。確かに、愛の証明には、私的に二人だけでも十分だとは思う。けど、気紛れさも含め意地の悪い魔女の事だ、この目に見せよだとか認めて貰えない可能性も無きにしも非ず。気が逸いで機嫌を損ねても拙い、一度も失敗は許されない 」王と弟たち、そして彼女の母親≠セけ招待する小さな式になるだろうけれど、会話を聞いているのだろうが、考えられ得る中で最も早い日を当て嵌め、表情を窺いながら提案して)

___
お待たせして申し訳ありません!返信には朝直ぐ気付いてたんですけど、とある言葉が思い出せず長い事試みてましたが、お待たせし過ぎるのも悪いなと思ったので、本来使いたかった言葉とはニュアンスが多少異なるかもしれないのですが、お許し下さい。
因みに、もう返信ペースは以前に戻りますので把握お願いします。

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