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- 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL
- 日時: 2025/10/15 23:15
- 名前: 極彩の魔女 (ID: s26dq553)
「 待ちくたびれたよ、お姫様 」
たくましく精悍な佇まい。
白い花の香りが漂うような甘いマスク。
獲物を狙うようなアルカイックスマイル。
庭師が鋏を手にするように、コックが刃物を手にするように、皇子たちは鎖と首枷を手に笑った。
【 皇子と姫と魔女 / 一風変わった跡目争い / 仄暗いファンタジア / 1:1 / 換骨奪胎 】
: 指名式トピ
: 提供は男性のみ
: 募集は"魔女に創られたお姫様"、男性Cも姫と呼ばれ歓迎されます
: 世界観を大切に
: マナー・良識を守れる中級者様以上優遇
: 参加者様以外の横槍禁止
: 即レス・置きレス切り替え可能
: 指名変更、指名被り、連続指名可能
: 上下の空白必須
: 短〜中ロル推奨、筆が乗れば長文も歓迎
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- Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.61 )
- 日時: 2025/11/13 10:35
- 名前: ざざ (ID: XBWZ.1Hx)
背後からふいに名を呼ぶ声がして、思わず肩が跳ねた。
声を出さなかったのは褒められるべきだろう。
静まり返った庭園の空気がわずかに震え、胸の鼓動が速まる。
振り返れば、いつの間にかそこに立っていたのは――第二皇子殿下、ロメロ殿下。
「……第二皇子殿下」
驚きと戸惑いを押し隠し、そっと裾を摘んで一歩下がる。
自然と身体が距離を取っていた。
そして礼を尽くすように、スカートの裾を摘みゆるやかに膝を曲げて頭を垂れる。
「ご機嫌麗しゅうございます。
ご心配をおかけしてしまい、申し訳ございません。
少し、空の色の移ろいを眺めておりましたの」
ゆっくりと顔を上げながら、殿下の言葉を思い返す。
「……逢魔が時、ですか」
微かに笑みを浮かべ、その言葉をそっと口の中で転がす。
ロメロ殿下の纏う気配は、冗談めいていながらも掴みどころがなく
夜気のように静かに、しかし確かに身の回りへと流れ込んでくる。
「お気遣いに感謝いたします。けれど……大丈夫ですわ。
悪魔に攫われるだなんて、殿下の冗談は少し過ぎますもの」
そう言って柔らかく微笑む。
けれど、その裏で胸の奥が静かに波立つ。
女性の背後に、音もなく立てるお方
心が小さく囁いた。警戒せよと。
ーーー
ロメロ様との出会いすごく嬉しいです!!
ちょっと警戒させてしまいましたが…
引き続きよろしくお願いします!
- Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.62 )
- 日時: 2025/11/13 11:25
- 名前: ロメロ/第二皇子 (ID: s/RKTKvj)
>>リンデン姫( >>61)
どうだろう、紳士の皮を被った悪魔かもね?僕の事はロメロ、そう呼んで。"様"も"皇子"も"殿下"も要らないから。
(第二皇子を前にしても物怖じせず、多少警戒はあれど柔らかでまったりとした雰囲気を崩さない彼女の隣はひどく心地が良い。公務に夜伽にと忙殺される兄が安らぎを求めて執着するのも解るなあ、なんて手前勝手な決め付けに過ぎない感想をぼんやり抱きつつ言葉遊びを楽しむように指先で眼前のオキナグサを撫で。こちらの要求を告げ終わる頃に少し距離はできてしまっているものの隣を一瞥すれば、淡く解ける綿菓子のような微笑みに一瞬心の奥がざわついて。「 ああ…、もしかして兄さんとデート? 」勘の良さは野生動物宜しく。けれど当て推量というわけでもなく、兄と約束をしているのであればこの時間に一人で庭園を訪れる理由にも合点がいくと推理を。ついでに医務室で盗み見た時と比べて随分おめかしをしている事にも道理が通る。ぴこん、と脳内で電球が点灯し、彼女から一歩遠ざかり引きの目で全体像を眺め、ふむむと楽しそうに唸りながら顎先に手を添え思案するポーズを。「 白も良いけれど、――僕にドレスアップさせてくれない?大丈夫、このまま君を攫ったりしないから。 」白はかの悪名高き極彩の魔女にとってとびきりお気に入りの色彩である黒と対になる色。然し内心もっと似合うものがあるだろうと。要らぬお節介でも焼こうと手を差し伸べ。ざあっと吹き抜ける夕暮れの風がオキナグサをさわさわと揺らす。柔らかな藍色の毛並みは三千世界のすべてを己へ吸い寄せんと誘惑するように靡き、風に吹かれて消えてしまいそうな口角の笑みをそのままに揺れるリンデンを見つめて)
- Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.63 )
- 日時: 2025/11/13 14:20
- 名前: ざざ (ID: UpMhl4tZ)
「……それは少し、困ってしまいますわ」
オキナグサへと目を向けながら、夕闇の匂いが近づく中、穏やかに息を整え、言葉を選ぶ。
「殿下がどのように仰ろうとも……この国において、
“ロメロ様”は紛れもなく尊きお立場の方。
わたくしのような者が名をそのまま呼ぶなど、他の方々に示しがつきませんわ」
言葉は丁寧に――けれど、一歩も引かぬ静かな意志を込めて。
そして、軽く微笑を添える。
「どうか、お許しくださいませ。
わたくしにとって、“様”を添えることは敬意の印なのです」
そっと視線を上げれば、その薄紫の瞳と目が合った。
奥に宿る光は、まるで薄闇を溶かすように柔らかく――けれど、一度惹かれたら決して離してはくれなさそうな、危うい誘惑を秘めていた。
「それに……デートともうされましても、そんな大それたものではございません。
ジーク様が、きっと気を遣ってくださっているのですわ」
あの方はきっと、ただ茶葉を渡して終わりにせず、優しさから誘ってくださった――そう信じている。
けれど、「ジーク様」と名を口にした瞬間、胸の奥からこみ上げるものがあった。
それが何の感情なのか、自分でもうまく言葉にできない。
しかし頬に浮かんだ笑みだけは、上辺ではなく、心の底から零れたものだった。
ロメロ様の提案“ドレスアップ”という言葉に、最初はやんわりと断ろうと思っていた。
けれど、その申し出を聞いた途端、胸の奥に小さな不安が再び芽生える。
「……その、やはり……見窄らしいでしょうか」
出かける前、鏡に映った自分の姿が脳裏に浮かぶ。
飾り気のない白いドレス、だだそれだけ。
もしかして、ロメロ様は遠回しに――“変えた方が良い”と仰ってくださっているのだろうか。
そんなはずはないと分かっていながらも、思わず肩を落とし、指先で布の端をぎゅっと掴む。
泳いでしまった視線をロメロ様に戻した。
その瞬間、風が柔らかく吹き抜け、ロメロ様の藍色の髪が静かに靡いた。
艶やかでありながら、どこか遊び心を含んだその揺れに――思わず、視線が奪われそうになる。
- Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.64 )
- 日時: 2025/11/13 17:41
- 名前: ロメロ/第二皇子 (ID: s/RKTKvj)
>>リンデン姫( >>63)
――三度。三度目に僕に会ったら敬称は無しだよ、だからそれまでに慣れておいてね。
(皇子の要求に譲歩を打診するとはなかなかに豪胆な女性だ――彼女が普通の淑女なら、間違いなくそんな感想を抱いただろう。だが彼女は紛れもなくこの国で唯一" 姫 "と呼ばれる特別な存在で、不意な突風に吹かれて折れてしまう可憐な花ではなく風に揺れるも折れはしない柳のような、そんな強さを感じてはますます興味をそそられる。その証拠にちゃっかりと次の約束の布石を打ち、それが妥協案だよとウインクを。第一皇子が、きっと気を遣ってくださっている。「 それはどうだろう。 」と其の言葉に、肯定も否定もしないでおいた。「 そんな気落ちしないで、とっても似合ってるんだから。それに、若しかしたらもっと素敵な洋服にこれから出会えるかもしれないよ。 」飾り気のない白、純粋さを表しているようで好ましく。哀しげな表情すらも美しい、内心はそんな本音で染まりながらも言葉を流す口は相も変わらず饒舌に。少し首を傾け、手は差し伸べたまま)
- Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.65 )
- 日時: 2025/11/13 18:11
- 名前: ざざ (ID: eiOwwwRL)
軽やかな仕草――あの一瞬の目配せや、無言の含みを持つ動きに、どれほどの女性が心を奪われてしまうのだろうか。
慣れたような振る舞いも、決して嫌な軽薄には見えないのは、彼の人柄ゆえなのだろうか。
「まぁ……本当に困ってしまいましたわ。
では、三度目のお目通りの前に――そっと雲の陰へ隠れてしまいましょうか」
微笑を添えて、穏やかに冗談を返す。
先ほどから差し出されたその手を、いつまでも取らずにいるのは、いささか失礼かもしれない。
けれど、もし取らなければ――きっと彼は、そのまま下ろすこともなさらないだろう。
逡巡ののち、指先がわずかに触れるほどに手を寄せた。
「ふふ、ありがとうございます
……では、約束の時刻までのひととき、少しだけわたくしの相手をしていただけますか」
美しいドレスを見るのは好き。
実際に身にまとうことは少ないけれど、その色合いや布の揺らぎには、目を奪われることもある。
ただロメロ様のもとへ歩み寄る足取りに、警戒がまったくないわけではなかった。
けれど「皇子なのだから大丈夫だろう」と、そう静かに自らを諭す。
- Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.66 )
- 日時: 2025/11/13 18:58
- 名前: ロメロ/第二皇子 (ID: s/RKTKvj)
>>リンデン姫( >>65)
(雲の陰へ隠れる。そんな言葉を零され、一瞬悲しげに憂いを帯びた顔付きで目を伏せ。冗談ではあろうが、自分では三度目の御目通りは叶わないらしい。繊細に重ねられた手の滑らかなこと、互いの肌が密着した瞬間に驚くほど自然な流れでするりと指同士を絡めて。強く握り込める事はせず、手と手の間にわずかな隙間を保ちながらも、指先は交互に触れ合う形をものの数秒で作り上げて躊躇いもなく止めていた足を動かして。方向は庭園、ではなくその逆方向で、すぐにゲートを抜けて王宮の廊下へと到達し。けれどその足取りは迷いなく彼女を誘い、ほどなくして金の装飾に縁どられた白い扉を開け放つ。自動で照明の灯ったその部屋は、煌びやかなドレスがいくつも整然とストックされた正真正銘のドレスルームで、正面には輝く白電球に彩られた三面鏡。頭のつむじからつま先までを映しても余りある巨大なそれに、扉の前に立つ二人の姿が映し出され「 さあどうぞ、姫。僕は魔法は使えないけど、君をもっと魅力的に出来るよ。 」レディファーストとばかりに扉を支えて彼女を室内に誘導し、自分は後から扉を閉めて。この部屋が今は表舞台から引き摺り下ろされた女王のものだった事は伏せておこう、と心に決めてからドレスの物色を始め「 これなんかどう?君だけの色彩に調和しそう。 」手に取ったのは鮮やかなネイビーカラーのイブニングドレス。光沢のあるサテン生地は上品ながらも艶めかしく、双肩が露出する代わりに足は出さないマーメイドタイプのもの。袖は七分で絶妙に肌の透けるレース素材。彼女だけの魅力である黄緑色がより映えるようにと考えた結果のチョイスだが、淑女たる彼女は肌を見せる事を必要以上に躊躇う可能性もある。けれど心配しないで、と言いたげな笑みと共に「 露出が気になるならこれを羽織るのもアリだね。 」右手にドレス、左手に選び上げたのはシースルー素材の白いショールを掲げ。そうしてふと目に付いたもう一着のドレスに、今手に持つものをすべて右手に預け「 ……僕はこういうのが好きだな 」今夜のデートの相手はジーク、第二皇子の好みに合わせた所で意味などないと承知の上で、どさくさに紛れて自分好みのドレスを手に取り彼女へお披露目。色は落ち着いたワインレッド、しかしマットな質感のシルク生地が派手さを程よく抑え、裾は床に軌跡を描くほど長い。くるりと180度回転させれば背中のざっくりと空いたデザインで「 初デートには少し大胆過ぎるかな? 」ドレスから視線を彼女へと移し、他にも気に入ったものがないかと様子を観察して)
- Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.67 )
- 日時: 2025/11/14 09:10
- 名前: ざざ (ID: 1lbPaycs)
雲へ隠れるなどと囁いただけで、あれほどまでに翳りを帯びた眼差しを見せるなんて。
その一瞬の表情に胸がちくりと痛み、思わずそっと目を細めてしまう。
そんなにも彼の心を曇らせるものだったのだろうかと、
ひそかな自責が頬の裏をかすめた。
指先が触れ合ったその刹那、
まるで迷いなど最初から存在しなかったかのように、自然と絡め取られていく指。
そのわずかな密着にさえ、息を呑むほどの温度があった。
強く握られるわけではない。けれど、それでも確かなぬくもり。
導かれるまま歩き出した足取りは、庭園ではなく、
すんなりと王宮の廊へ折れた瞬間、一瞬だけ驚きが胸に跳ねる。
しかし、横顔には迷いがなく
それだけで、ついて行っても良いという不思議な安心が生まれる。
たどり着いた白い扉が開かれた瞬間、
灯りに照らされて浮かび上がったのは、色鮮やかな布の群れ。
圧倒されるほど美しく整えられたドレスたちが、
まるで呼吸しているかのように揺らめいていた。
「……まぁ……」
自分の吐息がこんなにも甘く漏れるものだとは、今知った。
「姫」と呼ばれ、扉を支えられる仕草も、
部屋へそっと迎え入れられるのも、
どうしようもなく胸をくすぐる。
彼が最初に選んだネイビーのドレス。
指先で触れたくなるほどのサテン生地の艶やかさに、息を呑む。
露出は控えめとはいえ、双肩が現れるデザインに、自然と肩へ手を添えてしまった。
遠慮がちな視線を向けた瞬間、
安心させるような笑みと共に、薄手ながらも守られている気がする白いショールが掲げられる。
その優しさに、また胸の奥が緩んでしまう。
彼の目がふと別のドレスへ移ったのを、私は見逃さなかった。
ワインレッド。
夜会にも映える深い色ながら、控えめな光沢で妙に落ち着きがある。
けれど、くるりと翻された背中の大胆なカットが、
上品なはずの印象をどこまでも蠱惑的に変えてしまう。
「……あら」
口元へ小さく手を添えたのは、驚きか、照れか。
自分でも判断がつかない。
「初めて……いえ、あまりに大胆すぎて、
わたくしが着こなせる自信は……ありませんわ」
そう言いながらも、
そのドレスを選んだ時の彼の表情
ほんの一瞬、好みを隠しきれなかった目元
その柔らかさが記憶に残り、目を逸らさざるを得なかった。
そして、先ほど見せた悲しげな顔がふと蘇り、
胸の奥がきゅ、と締めつけられる。
「……でも。ロメロ様が“好きだ”と仰るのなら、
少しだけ……試してみたい気持ちも、なくはありませんの」
これが償いになるかはわからない。
言ってしまったあとで胸がどくりと震え、
我ながら信じられない速さで心臓が脈打つ。
けれど
きらめく布たちが整然と並ぶこの部屋を、改めてゆっくり見渡した時、
胸の奥に、ふと形を持たぬざわめきが生まれた。
どれも、確かに“誰か”を想定して揃えられた衣装たち。
- Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.68 )
- 日時: 2025/11/14 11:34
- 名前: ロメロ/第二皇子 (ID: KDFj2HVO)
>>リンデン姫( >>67)
(甘く、何処か口角の上がる笑みが多かったが、自身の好みに耳を傾け検討してくださるただ其の瞬間だけで、演技掛かったものでない純粋で自然な、喜びに満ちた口端を綻ばせる笑みを浮かべてみせ。「 さっきの断った事に君は罪悪感を感じないで。まぁ、君がコレ!と思ったものを着ればいいよ。 」選択肢は多いに越した事はないが、彼女が思うがままのドレス着用を促し。「 君が着るからこのドレスに限らず此処のドレスは輝けるんだ。 」着こなせる自信はない、と言っていた言葉にも、片方のドレスを手近な台へと預け、空いた手で女王がいっとう気に入っていたピンクゴールドのドレスを指先で撫でる。ここは着てくれる主を失ったドレスの墓場なのだと、哀しげな声色と共に目を伏せたと思えば、次には喉の奥からくつくつと楽しそうに笑いを零してゆらりと視線を上げて「 ――ねえ、姫。君と兄さんはそっくりだね 」必要以上に自分の優先順位を下げ、相手を第一に考える事が癖のような二人。姿かたち等の表層的なものではなく、心の奥に育てた人格の部分に共通する糸と糸を縒り合わせるように、いつの間にか間隔を詰めては滑らかな顎先に触れ「 過ぎた謙遜は顰蹙を買う事もある。君には特に覚えておいて欲しいな 」吐息が絡まるほどの距離で囁き、離れ際に唇へ触れ「 僕は君の奥ゆかしい部分も好きだけどね。君にはこっちの方が似合うだろうから取り敢えずこれを着てみたらどうかな 」口説き文句は忘れずに添えた直後、ウインクと共にネイビーのドレスとショールをそっと手渡し流れるように細い腰を柔らかく抱いて、カーテンで仕切られた試着室へと誘導し「 さあ、どうぞ。手助けが必要ならいつでも言って。 」ネイビーのドレスがバックファスナーである事をさりげなく確認したうえで、彼女が遠慮なく助け舟を出せるようにと穏やかに付け足し。靴を選ぶのはドレスが決まってからで良いかと思案を巡らせながら、彼女が時を気にしなくて良いように「 時間はあるから、ごゆっくり。 」多少遅れたとしても、第一皇子は欠片も気を悪くしないだろう。しかし美しい姫をエスコートする自分を見た時の顔は拝んでみたくて仕方がない、いつもお行儀よくまとまった彼の独占欲に歪む表情をこの姫にも見せてやりたい。そんな悪戯好きをする雰囲気は100%隠せるものでもないらしく、どこか含みのある笑みを残して外側からカーテンを閉めよう)
- Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.69 )
- 日時: 2025/11/14 12:19
- 名前: 極彩の魔女 (ID: KDFj2HVO)
>遅筆・速筆・即レス・置きレス問わず、王宮に産み落とされし姫君を募集中です。
>こんな姫が居たらいいな。(>>12)
>>1 : 世界観
>>2 : 詳細
>>3 : 提供 / 皇子のプロフィール
>>4 : お姫さまはこっちだよ。
>>5、>>6 : すこしだけ補足
●備忘用↓
www.otona-kakiko.com/bbs/bbs1/index.cgi?mode=view&no=704
●物語の栞↓
: リンデン姫 <<< 第二皇子ロメロ(>>68)
- Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.70 )
- 日時: 2025/11/14 18:22
- 名前: ざざ (ID: HuynY/aq)
彼が浮かべた、舞台めいた誇張のない純粋な笑み。
それが目の奥までやさしく染み込み、気づけば視線がそっと伏せられていた。
「君が着るから輝ける」
そんなふうに言われたことが、世辞でもこれまであっただろうか。
先ほどからころころと表情を変える彼に、心が追いつかない。
哀しげな声音を零していたかと思えば、次の瞬間には楽しげに笑う。
ゆらりと向けられた薄紫の瞳に、胸の鼓動が跳ね上がる。
「……ジーク様と?」
まさか、と胸中で否定が浮かんだその時にはもう、いつのまにか距離を詰められていた。
顎先へ触れる指先の感触は、あまりにも慣れないもので
人の手が肌へ触れるというだけで、息がわずかに震える。
そして、顎先から唇へ。
瞬く間に熱が耳朶へ昇り、逃げるように息を吸った。
「……気をつけますわ」
それでも、流されないようにと凛と姿勢だけは崩さぬよう努める。
手渡されたドレスを宝物のように胸へ抱き、誘われるまま試着室へ足を進めた。
「手助けが必要ならいつでも」
やわらかな声音を背に聞きながら、試着室の中央でゆっくりと振り返り、
「ありがとうございます」
と静かに頭を下げた。
顔を上げた先のロメロ様の笑みには、どこか含みがあった。
外側からカーテンが閉じられ、その意図を探ろうとするが
結局、考えるのをそっとやめる。
彼のことは、考えれば考えるほど迷子になる。
「……リンデン、とお呼びください、ロメロ様」
出会ってから心落ち着ける暇もなく、名乗りそびれていたことをいまさら思い出した。
着ていたドレスを外しながら、外にいる彼へ届くように名乗りを告げる。
「名乗りが遅くなったこと……どうぞお許しくださいませ」
完全にドレスを脱ぎ、枝にひっかけぬよう細心の注意を払いつつネイビーのドレスへ腕を通す。
価値あるものを傷つけまいと慎重に、ゆっくりと。
けれど後ろへ手を伸ばさなければ、どうしても着付けが完成しない。
(……届くには届きますけれど……引っかけてしまったら……)
迷っている間にも、刻一刻と約束の時は近づく。
先ほどのやわらかな言葉を思い出し、羞恥を喉の奥へ押し込んで
「あの……どうか、手助けいただけないでしょうか……」
カーテン越しでも聞こえるように、けれど少しだけ弱々しく。
助けを求める声が、室内へそっと滲んでいった。
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