大人オリジナル小説

境界性人格障害製造過程
日時: 2010/08/01 22:45
名前: みやび

境界性人格障害と戦う私と、その私を支えてくれる私の大切な家族のノンフィクションです。
最近やっと「死神」と遠くなったので、自叙伝を書いてみたいと思って書き始めました。
幼少期から書き始めるので、長くなると思いますが、よろしくお願いします。

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Re: 境界性人格障害製造過程 ( No.12 )
日時: 2010/08/02 15:12
名前: みやび

そこからはもう、雪崩のように速く、大人達の勝手に、物事は進んでいった。

親戚が間に入り、一度はやり直そうと思った父に対して、母は決して許さなかった。


パパとママは離婚するんだな・・・


私達には漠然としか理解できなかった。
そうハッキリ両親に言われた訳でもなく、感覚でしか理解できなかった。



ある日曜の夕方・・・

縁側で遊んでいた私に父が尋ねた。

「Yはどっちに付いていきたい?」


私は即答した。

「パパと一緒に行きたい!!!」

嬉しかった。

初めて具体的な話を聞かされ、そして自分の一番の心配だったこの先のことを父が聞いてくれた。

これで、私は安心だ!!


しかし、次の瞬間、瞬く間に喜びは崩れた。


「ほ〜らよ!俺に付いて行きたいってよ!」

父は大声で、玄関辺りにいた母に自慢げに言った。


(え・・・?)

(ママへのあてつけ?)

(それだけ?・・・それだけじゃないよね?パパ・・・)





そして、数日後の夜。

二段ベッドの下に眠る私の髪を撫でる大きな手。

泣き声が聴こえる・・・。

私はうっすらと目を開けた。


「悪い父親だったな・・・ごめんな・・・」


それは私が見た初めての、大人の男の人が泣く姿だった。


私は答えなかった。

答えられなかった・・・。



そんなことはないよ!
そんなことはないよ、パパ!
だからそんなこと言わないで!
置いてかないで!
置いてかないでよ、パパ!!


私はその男の人と一緒に、声も出さずに泣くことしか出来なかった。


そしてパパはいなくなった。






パパには新しい家庭を作る人がいたのだ。
最初から私達を連れて行く気などなかったのだ。


それなら何故あんなことを聞いたの?
何故???


私は二度、父親に捨てられたのだ。

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