大人オリジナル小説
- 境界性人格障害製造過程
- 日時: 2010/08/01 22:45
- 名前: みやび
境界性人格障害と戦う私と、その私を支えてくれる私の大切な家族のノンフィクションです。
最近やっと「死神」と遠くなったので、自叙伝を書いてみたいと思って書き始めました。
幼少期から書き始めるので、長くなると思いますが、よろしくお願いします。
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- Re: 人格性障害製造過程 ( No.2 )
- 日時: 2010/08/01 19:09
- 名前: みやび
それは突然訪れた。
私の36歳の誕生日の朝。
そう・・・私達姉妹が、両親に捨てられた・・・憎き両親の年齢に達した日の朝である。
洗顔後、鏡を見た私の顔は、憎き母の顔に見えた。
その朝から私の病は始まった・・・いや、正確には気付いたというのが正しいだろう。
両親は多少厳格であった。
父は勉強にうるさく、母も時間や教育にうるさかった。
幼少時、まだ幼稚園にもあがらない私の記憶・・・。
母は私と3つ違いの妹を連れて買い物に出かけると言った。
お昼寝途中で眠かった私は、独り留守番をすると告げた。
初めてのお留守番。
社宅だった狭い家は、やけに広く感じ、そして時が止まったかのように静かだった。
一気に眠気の覚めた私は、母達を追いかけた。
いつも行っている3階建てのスーパーに向かって、懸命に走った。
そこは幼児の足で20分はかかる小型ショッピングスーパー。
なぜか、母達はそこに居ると私は確信していた。
汗だくになりながら、息も荒くスーパーに着いた。
エスカレーターを何度も上り下りし、フロアーを探し回った。
広い。広すぎる・・・。
知らない大人ばかり・・。
母と一緒の時と同じスーパーには思えなかった。
まるで異次元にきてしまったかのような、ぼんやりとした視界・・・。
私は泣きじゃくった。
ウロウロと怯えながら、泣き続けた。
その時、一人の女の人が声を掛けてきた。
「お母さんは? 迷子?」
私は小さい時から比較的、記憶力がよかった。
私は小さいながらも、住所と電話番号を言えた。
そこからは記憶が曖昧なのだが、私は警察に保護され、ミニパトカーに乗せられて、社宅まで連れていかれた。
当然、母には警察から連絡がいっているはずであった。
ママは怒っているだろうか?
心配して泣いているだろうか?
ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・
ママ、心配かけてごめんなさい。
こんなパトカーにまで乗って・・・
大騒ぎしてごめんなさい。
やがて、見慣れた景色がパトカーの窓から見えてきた。
社宅の前に集まって、こちらを見ている主婦たち。
あ。。その輪の中にすばやく母を見つけた私。
(・・・?笑っている?ママハワラッテイル。指をさして笑っている。)
「あはは。パトカー乗ってるわよ、あの子!!」
私にはそう聞こえた。
車の中にも関わらず、私にははっきりと、そう聞こえた。
ミニパトが止まり、婦警さんに肩を抱かれながら、私は主婦集団の中に放り込まれた。
心配して、涙ぐみながら、怒りながらも抱きしめてくれる母は、そこには居なかった。
これが、幼稚園あがる以前の一番古い、両親への違和感の記憶である。
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