大人オリジナル小説

境界性人格障害製造過程
日時: 2010/08/01 22:45
名前: みやび

境界性人格障害と戦う私と、その私を支えてくれる私の大切な家族のノンフィクションです。
最近やっと「死神」と遠くなったので、自叙伝を書いてみたいと思って書き始めました。
幼少期から書き始めるので、長くなると思いますが、よろしくお願いします。

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Re: 境界性人格障害製造過程 ( No.10 )
日時: 2010/08/03 01:04
名前: みやび

仕事を始めてから母は、仕事の付き合いで、
夜、飲み会に行くことがたまにあった。

その回数が多くなるのと比例して、夫婦喧嘩が多くなっていった。



ある日、私と妹は、怖い顔の母に連れられて、朝からデパートに行った。

母はデパートの家具売り場で、次々と高額な家具を注文した。

その中には二段ベットもあり、両親と一緒に寝ていた私達は、
二人の部屋が出来る!! と、無邪気に喜んでいた。

しかし買い物している母は、とても喜んで買っているようには見えず、私は

(こんな高い物いっぱい買って、パパに怒られないかな・・?)

と、少し心配した。



その日から毎日、父と母は言い争っていた。

何が原因なのか、幼い私達にはわからず、
ただ布団にもぐって夢の世界に入ろうと過ごしていた。


それから母は、ほぼ毎晩夜出掛けるようになった。



ある夜、母はめずらしく家にいて、
私と共に二段ベッドの下で横になっていると、
隣の部屋から異様な音が聞こえてきた。


ボン、ボン、ボン・・・・・・・・・・



その音はマイクを通して聞こえてくるような音。



ボン、ボン、ボン・・・・・・・・・・


しばらくすると突然、母が叫んだ。


「わかったわよ!!出掛ければいいんでしょ!」


そう怒鳴ると、母は夜の世界へ出掛けていった。

するとその音はピタリと止んだ。


私には訳がわからなかった。
妹は気付かずに寝ていた。


あの音の正体は?

あのママの発言の意味は?



その後の出来事によって、その意味がわかった。

あの異様な音は、隣の部屋で、
ステレオのマイクを使って、父が発していた声。

母への家から出て行けの憎音。

出て行った母は、外にいるだろう男の元へ行ったのだった。



尊敬していた父の異常で幼稚な行動。

父を裏切った母への嫌悪。

壊れていく家庭。
壊した母への憎しみ。
もう戻ることのない家族。


この夜、私は

「明日がこなければいい」

と初めて思った。








・・・しかし、



最初に裏切ったのは、尊敬していた父だったのだと、
後に二十歳を迎えた私に母は語った。


「私が家族の為に自分で働いたお金で買った車で、  あの人は会社の女と出掛けていたのよ!
それがどうしてもゆるせなかったの!!」

年老いた母は、つぶやいた。


どうしてもっと早くに言わなかったのだろう。

自分が最初の離婚の原因でなかった事を。

私達のため?

・・・いや。違う。

自分も男に狂っていて、そんなことはもうどうでもよかったのだ。
始めはどうあれ、ただ、男の元へ行きたかっただけなのだ。

たとえ家庭にヒビを入れたのは父だとしても、
その家庭を粉々に壊したのは母だ。

そして、粉々にした更地に、
ヘドロの家を建てたのは母だった。



そう。

その後の母の生き方はとても許せるものではなかった。



独り便を垂れ流しながら、孤独死した母を、
私は今でも許せないくらいに・・・。


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