大人オリジナル小説
- 飛べない少女
- 日時: 2011/06/05 15:52
- 名前: 優
〜プロローグ〜
君は言ってくれたね。
―――“いじめなんてする人が悪いんだから”
―――“あんたには、仲間がいるじゃん”
でもね・・・・・・
その言葉は、あたしを苦しめるだけ・・・・・・
いじめをする人は、自分が悪いなんてこれっぽちも思ってないんだから。
そう思っても、何も変わらないんだよ・・・・・・
そう言ったって、綺麗ごとって笑われるだけなんだよ・・・・・・
仲間なんていないよ。
隣にいる君さえも、どうせ仲間じゃないんでしょう?
だったら、どうして一緒にいてくれるの?
励ましてくれるの?期待させるの?
あたしの仲間は誰なの?どこにいるの?
その人は、あたしを救ってくれるの・・・・・・?
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- Re: 飛べない少女 ( No.11 )
- 日時: 2011/06/10 22:49
- 名前: 優
〜第6話〜
心のモヤモヤは朝になっても消えることなく、麻友の中に溜まるばかりだ。
―――確かめるしか、ないよね・・・
「ねえ、菜々・・・?」
「何?どしたの、まーちゃん」
それでも、すぐにその先を続けられない。
「あの・・・さ」
そして数秒の沈黙。
・・・その沈黙を引き裂くようにチャイムが鳴った。
「あ・・・何でもないっ!ごめん」
麻友は急いで席に戻る。
――やっぱり、聞けないよ・・・
もし、本当に菜々なら味方なんていなくなってしまう・・・
もし、菜々じゃなくても心配はかけたくない・・・
どうすればいいの・・・?
「麻〜友っ!」
突然、背後から声がし、麻友は驚いて小さく飛び上がった。
そこに立っていたのは澪だった。
「もう、そんな驚くなって〜!そういえばさ、こないだ貸したペン・・・返してくれないかなぁ・・・?」
「あっ!ごめん!忘れてた・・・」
そういって、ペンポーチを漁りはじめる。
しかし、
「あれ・・・?ない・・・」
澪から借りていたピンク色のシャーペンは、そこにはなかった。
「えっ!嘘・・・どこ!?」
麻友はペンポーチをひっくり返し片っ端から探す。
・・・が、やはり。
「な・・・い」
あれは確か、澪が大切にしてたペン。
愕然とす麻友と澪に、わざとらしく大きな声でみづきが一言。
「人のものなくすとかぁ〜。マジないわ〜」
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