大人オリジナル小説
- 飛べない少女
- 日時: 2011/06/05 15:52
- 名前: 優
〜プロローグ〜
君は言ってくれたね。
―――“いじめなんてする人が悪いんだから”
―――“あんたには、仲間がいるじゃん”
でもね・・・・・・
その言葉は、あたしを苦しめるだけ・・・・・・
いじめをする人は、自分が悪いなんてこれっぽちも思ってないんだから。
そう思っても、何も変わらないんだよ・・・・・・
そう言ったって、綺麗ごとって笑われるだけなんだよ・・・・・・
仲間なんていないよ。
隣にいる君さえも、どうせ仲間じゃないんでしょう?
だったら、どうして一緒にいてくれるの?
励ましてくれるの?期待させるの?
あたしの仲間は誰なの?どこにいるの?
その人は、あたしを救ってくれるの・・・・・・?
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- Re: 飛べない少女 ( No.9 )
- 日時: 2011/06/10 19:41
- 名前: 優
〜第5話〜
携帯のメールに気付いたのは、家について少し経った頃だった。
受信時刻は[5時24分]。時計に目をやると、7時を過ぎたところ。
この時間なら確か――・・・ちょうど、菜々と教室にいた時かもしれない。
そういえば、今日の菜々の様子・・・
どうしたのだろう?
そう思いながらメールを開く。
「今日も学校来たんだねw
来なくてぃぃって言ったぢゃん!!
もしかして、日本語ゎかんなぃの?ww」
ところどころ小文字になる読みにくい日本語を解読すると、
麻友は小さくため息をついた。
―――またか・・・。
メールを削除しようとすると、メールがいつもと違うことに気付く。
・・・それは、普段ならもう気にしないものだ。
いつも大体、同じなのだから。
今日のメールは、いつもと送り主が違かった。
いつもなら、小嶋みづきや江崎唯(エサキ ユイ)など、みづきやその取り巻きからなのだが。
全く知らないメールアドレス。
それと同時に、麻友は放課後の菜々のことを思い出していた。
様子がおかしかった。このメールと同じくらいの時間に携帯をいじっていた。
それに、携帯をすぐ閉じた・・・?
「ひっ!!」
麻友は小さく悲鳴をあげた。
両手で口を覆うと同時に、携帯が手から落ちる。
「まさか・・・菜々も・・・?」
目から涙が溢れ出してくる。
まだ、決まったわけじゃない。
偶然かもしれない。
それでも、一致しすぎる―――・・・。
もう、菜々すらも味方でないのかもしれない。
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