大人オリジナル小説
- 飛べない少女
- 日時: 2011/06/05 15:52
- 名前: 優
〜プロローグ〜
君は言ってくれたね。
―――“いじめなんてする人が悪いんだから”
―――“あんたには、仲間がいるじゃん”
でもね・・・・・・
その言葉は、あたしを苦しめるだけ・・・・・・
いじめをする人は、自分が悪いなんてこれっぽちも思ってないんだから。
そう思っても、何も変わらないんだよ・・・・・・
そう言ったって、綺麗ごとって笑われるだけなんだよ・・・・・・
仲間なんていないよ。
隣にいる君さえも、どうせ仲間じゃないんでしょう?
だったら、どうして一緒にいてくれるの?
励ましてくれるの?期待させるの?
あたしの仲間は誰なの?どこにいるの?
その人は、あたしを救ってくれるの・・・・・・?
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26
- Re: 飛べない少女 ( No.18 )
- 日時: 2011/06/12 11:17
- 名前: 優
〜第8話〜
しかし、麻友は少しでも菜々を疑う自分がいることを知っていた。
その原因は一部、菜々にもあったのだ。
あれから菜々は、麻友や澪を避けている気がする・・・
なんで?
やましい事がないなら、堂々とすればいいじゃない。
そうして、だんだんと菜々を信じられなくなっていた。
あの日から何となく、菜々はクラスで浮いた存在となった。
麻友や澪は、それでもまだ仲のよいほうで・・・
みづきなんて論外、陰口どころか本人に聞こえるように悪口を言うのだった。
「あっれ〜?ウチのケータイがなぁい!」
わざと大きな声で唯が言うと、
「じゃ、また誰かサンが取ったんじゃね?」
なんて笑うのである。
勿論、みづき達が仕組んだのだろうが、それらはいつも菜々の荷物から出てくるのだった。
麻友は何故か、それにも反抗しない菜々に苛立ち始めていた。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26