大人オリジナル小説

飛べない少女
日時: 2011/06/05 15:52
名前: 優

〜プロローグ〜

君は言ってくれたね。

―――“いじめなんてする人が悪いんだから”

―――“あんたには、仲間がいるじゃん”

でもね・・・・・・

その言葉は、あたしを苦しめるだけ・・・・・・


いじめをする人は、自分が悪いなんてこれっぽちも思ってないんだから。
そう思っても、何も変わらないんだよ・・・・・・
そう言ったって、綺麗ごとって笑われるだけなんだよ・・・・・・


仲間なんていないよ。
隣にいる君さえも、どうせ仲間じゃないんでしょう?
だったら、どうして一緒にいてくれるの?
励ましてくれるの?期待させるの?
あたしの仲間は誰なの?どこにいるの?
その人は、あたしを救ってくれるの・・・・・・?

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Re: 飛べない少女 ( No.3 )
日時: 2011/06/09 20:30
名前: 優

〜第3話〜

「あれ?」
机の中に菜々の数学の教科書が入っているのに気がついたのは、まさしく数学の授業の真っ最中だった。
先生が黒板に書いている隙に振り向いて菜々を見ると、困ったように黒板を写しているところだった。
普通だったら、周りの人に菜々まで送ってもらうのだろうけど・・・何しろ麻友の見方は澪と、その菜々だけなのである。
当然、そんなことを周りに頼めるはずもなく、仕方なく前を向く。

しかし、これこそが第2の悲劇の幕開けだったのかも知れない。

「菜々!」
授業が終わると同時に菜々に駆け寄り、教科書を渡す。
「あ・・・なんでまーちゃんが?」
「なんか知らないけど、私の机の中に・・・・・・」
「そっか、ありがとう」
菜々が微笑む。辛いことも全て忘れられそうなやさしい笑顔だ。

・・・何故、この時気付いてあげられなかったのだろう。
目の前の少女も、自分と良く似た笑い方をすることに・・・

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