大人オリジナル小説
- 死んでしまったあなたに伝えたかったことですが、
- 日時: 2013/11/17 22:55
- 名前: noeru
あんなにブラックな話書いてるくせに実は社会派もシリアス・ダークも書いてなかったnoeruですー!自己紹介長いっすー!!
二次小説じゃないと長続きしないからですかね?
そのせいで二次小説がお先真っ暗な絶望集になってるのはメカクシしときましょー
何かあると書いてる小説にそれが影響して話がどんどんどん底に落ちていくのが悪い癖なので
嫌な事があったり書きたくなったり→ここに書く!とにかく小説にするのだ!!→安定したシナリオで二次創作!!→全体的にスッキリ!!
という、まあ短編や思ったことの書き溜め的役割です
どっちかって言うとエッセイに近いかな?
もちろん全部タイトルに関係することでっせ
!※※※!
・よく分かりませんが鬱症?とかパニック障害?な気もします、多分。本当にそういう方申し訳ござらん
・ガチで極限で書くときは誤字脱字酷いかも(後日暇な時直すかもです)
・似たような話ばっかだったらスマソ
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- 友達の話 ( No.23 )
- 日時: 2014/08/25 01:46
- 名前: noeru
奴はかわいいのだ。
私なんかよりもよっぽど女子力があって、顔もかわいくて肌もすべすべで、足も細くて色白で目が大きい。ぱっちりしている。どんな服でも似合うからモテる。本人はまんざらでもない。男をとっかえひっかえしてるんじゃないか。
だがしかし罠だ。
奴は女子ではない、男だ。男の娘だ。ホモだ。
前にあなたがいった「ホモ野郎」とは、まあ、こいつのことだ。
そしてお察しの通り我々ファミリーの一員であり実在する人物ではない。
最早街一つ形成された私の中、各々に動き回る私たちの「家族」の中でも手の付けようのないのが彼だ。
流石に表記がホモ(発案者、あなた)は可哀想なので、仮に名字から取ってMとしよう。
彼の役目は私の「理想の友達」なのでもちろん苗字は別である。
また、夢のなかで育まれ私とあなたの真の住処と化している街にはもちろん学校がありクラスメイトもいる。そこは現実同様興味が薄いので、全員の名前や詳細を全て憶えている訳でもない。いわば親友に位置付けられた「特別」が奴、Mなのだ。
ここで一つ誤解を解きたい。私は腐女子ではない。Mがホモと化したのは事故なのだ。私はBLは苦手だ。しかし百合は好きだ。某魔法少女が大好きだ。美味しい。公式でサイコレズごちそうさまです。
彼が生まれたとき一番大きかったのは「誰からも好かれ、褒められて、でも決して身近になりたいとは思わない。憧れにはなっても模倣はされない人」としかいいようがない。なんと言ったらいいのか、透明な人気者、Mを語るのにここまで正答に近いものは多分ない。私もよく分からない。
まるで現実世界と同じように、いつの間にかいつも喋っていて、遊んでいる友達になった気分だ。
そんな訳ないのに、ただ、現実の友達から羨ましがられたかったのだ。
身近には存在しえない、フィクションの住人のような誇らしい親友を。
兄貴もMも――次回話すとして幽霊も――あなたと違って互いの心など読めない。あなたとはお互い大体わかるのだ。そりゃあそうだろう。
でも彼らにおいてその理屈は通用しない。誰も私の中に芽生えたものであるはずなのに、話していても遊んでいても、心の内なんか分かりはしない。私の掌で躍らせているのか、私が躍らされているのか、みんなが自分の生まれを嫌い、私を嫌っているのかも……しれないし。
私は自分の気を紛らわせたくて、自分の演技の脇役者としてみんなを利用しているのかもしれないし、みんなはみんなで生きることに必死で、私に媚を売ってるだけかもしれない。これからも生まれ続けるあの子たちや家族に牽制したいだけなのかもしれない。
それでも、友達なのだ。私にとっては現実世界で席を並べて勉強する中にMがいないのは寂しい事だ。夢の街で、「遊びにいこっか」と言われれば嬉しいし、家に帰って兄貴や弟……あなたと食卓を囲む。Mは友達だけれど一緒に住んでいる。あの街に、私たちの嫌いな大人が現れたことはない。
子供だけの街だなんて、ネバーランドのようで素敵かもしれないけれど……私は本当に、都市伝説と同じように、あの街で大人を殺してしまったことがある。あの街には人の心のように、私とあなたのように深く激しい二面性がある。
それは兄貴やMも一緒で、そこだけはみんな一緒で、夢で生まれたあの街で、私もあなたも含めたみんな死ぬのだ。でもそれは日常で、犯罪や強盗をしないと生きていけない子供たちは、ねえ、一体何に支えられて生きているのだろう。
そこまで考えて、どうにもできない結論にたどり着いて、私はどうしようもなく夢で泣く。
夢の中に静かに泣いて怒る大人はもういない。
あの街で大人は生き返れない。
いるのは、温かくて優しい、私の自慢の親友。
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