大人二次小説(BLGL・二次15禁)

カゲプロ シンタロー受けほとんど
日時: 2015/05/03 18:30
名前: 橘

初めまして、橘(たちばな)です。
他にもスレを掛け持ちしているんですが、また性懲りもなく書いています。

カゲプロ、ハイキューを中心に他の作品も書きます。
基本短いものしか書いてません。
Rは入るかもしれません。
コメント、リクエスト貰えると泣いて喜びます。

遅筆です。
よろしくお願いします。

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Re: カゲプロ BLNLGL ( No.64 )
日時: 2015/05/03 12:13
名前: 橘 ◆j8LwjqF.GU

[瞼の裏の幻想譚]遥伸
遥視点。

恋って、もっと素敵なものだと思ってた。
毎日がきらきらと輝いて、毎日伸太郎くんと一緒にいられて、毎日が楽しい。
病室で見てた本には、そう書いてあったんだ。
でも、現実は違う。
少しシンタローが他の人と話すだけで、胸がちくりと痛む。
嫉妬、というものなんだろう。
伸太郎くんが浮気しているわけでもないのに、そんな風に嫉妬してしまう浅ましい自分が嫌いになってくる。
もっと伸太郎くんから愛を欲しがって、独占欲だらけになってしまう。

いつも止められなくて、シンタローに無理をさせて。
昨日だって、嫌だ、やめて、と泣いていた伸太郎くんをたくさんイかせて。
伸太郎くんが気絶するまでその行為を続けた。
遥だから大丈夫だ、なんて笑う伸太郎くんに僕はとてつもない罪悪感を募らせる。
でも、少しの優越感を感じてしまう自分がもっと腹立たしい。
馬鹿、馬鹿、馬鹿。
愛想でも尽かされたらどうするんだ。
そしたら僕は伸太郎くんを監禁して虐めて依存させ……、ダメだ、考えるのやめよ。

伸太郎くん、お願いだからもう少し危機感もってよ。
文乃ちゃんだって伸太郎くんを狙ってる一人なんだよ?
それに貴音も口では毒を吐くけど、本当は伸太郎くんが好きなんだよ。
みんな隙あれば伸太郎くんを奪おうとする。
全く、油断も隙もあったもんじゃない。

本当、伸太郎くんを好きになってから思考回路が乙女みたいだ。
こんな女々しい僕は嫌いかなぁ。
そう、だよね。
考えれば考えるほどこんがらがってくる。
瞼の裏に描いた幻想譚と現実では、話が違ってくるなぁ。
でも、それでもいい。
また今日も、伸太郎くんとデートしよっと。

Re: カゲプロ BLNLGL ( No.65 )
日時: 2015/05/03 14:15
名前: 橘 ◆j8LwjqF.GU

[誰かの目指した理想]シンシン
シンタロー視点。
雰囲気小説。

『お前は誰かの目指した理想だよ』

ぽつり。
暗い暗い、真っ暗闇のなかで、黒い誰かが呟いた。
重いまぶたを開けて、そいつの方を見る。
うっすらと、幽霊みたいに黒い誰かが見えた。
俺とそっくりの容姿。
違うところといえば、黒いパーカーを着ていることだった。
普通、瓜二つの人間がいれば驚くはずなのに、まるで最初からあったみたいにその現状を俺は受け入れた。
いや、そもそもこの黒い誰かは人間じゃないかもしれない。
生物的なナニカ?いくらこの鬱陶しいぐらいの賢い頭を動かしても、寝起きのせいかよく回らない。
黒い誰かは続けて喋り出す。

『初めまして、シンタロー。俺は伸太郎だよ。』
「はぁ?俺だってシンタローだ。」
『はは、違う違う。俺は伸太郎。シンタローはシンタロー。あんまり気にしないでよ。夢の中なんだし。』

どうやらここは夢の中のようだ。
めんどくさい、とでも言うように伸太郎は首を横に振った。
落ち着いてきたところで、先程の「誰かの目指した理想」とは何なのだろうか。
俺が理想?化け物と呼ばれるほどのこの頭脳を持った俺が?
どうせなら、普通の人間になりたかった。
夢の俺は随分と皮肉屋なんだな。
いや、もしかしたらこれが本心だったり。
あ、と伸太郎は俺の考えを読んだように手を横に振る。
そしてまるで踊るかのように話し出した。
ちょくちょくカノみたいなやつだな、コイツ。
外見が俺なだけに気持ち悪い。

『違うよ。化け物と呼ばれたいんじゃなくて、みんなそれほどの頭脳が欲しいのさ。欲しくない人だって万といるけどね。誰かに崇拝されて尊く扱われて特別というものになりたいんだ。まぁ、そのおかげでシンタローは苦労してるみたいだけどね。神をも恐れるような、そんな存在になりたいんだよ。人間、一人はナルシシズムを持ってるものさ。現実世界じゃそういうやつは嫌われるからね。ネットとかでありもしないことを虚言しては他人に凄いとか言ってもらうような人、時々いるだろう。そういうのは気づくと虚しいだろ?だから虚言しなくても特別な存在になれる、「天才」っていうものに憧れてるのさ。』

ふーん。
まるで興味がない。
そういうヤツは巨万といるだろう。
なるほど、俺がその誰かの目指した理想なのか。
馬鹿な話だな。
こんなにもいらないものなのに。
こんな頭脳が無かったら、今頃モモやアヤノと先輩たちとも仲良くやれたのに。
いや、でもメカクシ団には入れなくて、モモを異常と見なすのかもな。
変なもんだ。

また伸太郎はくるくると一回転してから、下から消えていき最後にふふふと嫌な笑いをした。

『誰かの目指した理想ちゃん。君は大変だね。』

ああ、そうだな。

『じゃ、またね。また、来るよ。』

ぱさりとまた真っ暗闇になる。
俺も眠気が襲ってきて、また眠りについた。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
うぇーい。
厨二病的な話です。
雰囲気でした。
雰囲気です。
雰囲気なんです。
よく考えてみればシンタロー視点がねぇじゃねぇかと思いまして。
ありがとうございました。

Re: カゲプロ BLNLGL ( No.66 )
日時: 2015/05/03 16:13
名前: 橘 ◆j8LwjqF.GU

[独り善がりのハッピーエンド]アヤシン
アヤノ視点。

これでよかったんだ。
いいんだ。
これで、シンタローは。

アヤノは息を乱しながら走った。
けたたましいサイレンの音が鼓膜を震わせる。
血のような赤色の液体をぱしゃぱしゃと踏みつけて、階段をかけ上がった。
屋上の立て付けの悪いドアノブを握る。
ぎぎぎ、と嫌な音がして、赤錆びた扉が開いた。

「シン、タロー、」

赤いジャージに風になびく赤いマフラー。
アヤノの大好きで、大切なシンタローが柵の上に立っていた。
シンタローはアヤノに気づくとうっすらと美しく微笑む。

「あやの。」
「いやだ、だめ、なんで、シンタロー、あんなに、みんな、どうして、わたしが、」

言葉がめちゃくちゃなアヤノにシンタローはわかってる、とでも言うように頷いた。
心なしか目は空虚。
奥底にはどろどろとした黒い塊がついていた。
アヤノはひっ、と小さく悲鳴を漏らし、崩れ落ちるように座る。
セーラー服に、血がどろりと付いた。
シンタローは空を見上げて、子どもに言い聞かすように口を開いた。

「駄目だろ?アヤノ。最善策は犠牲になる身なんだから、さ。」

いやだ、やだ、ねぇ、やだ、いや、やめ、

「ん、じゃあな。アヤノ。愛してたよ。」

シンタローの身体が宙に投げ出された。
細い身体は重力に逆らうことなく、まっ逆さまに堕ちていく。
ぐしゃりと嫌な音が下からした。
その音が合図になったかのように、アヤノの視点も暗転する。
ああ、もう一回。

『初めまして、如月くん。』

夏がはじまる。

Re: カゲプロ シンタロー受けほとんど ( No.67 )
日時: 2015/05/16 01:57
名前: 橘 ◆j8LwjqF.GU

ロックします。
何か適当に長々と小説綴るのもアレなんで。
読んでくれた方、コメントしてくれた方、こんな拙い文章を読んでいただき、本当にありがとうございました。
また早々に立てるかもしれません。
その時はよろしくお願いします。

橘、または律。

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