官能小説(オリジナル18禁小説)

ウルトラ怪獣擬人化オーブ
日時: 2017/04/30 15:04
名前: たくと七星

 皆さん、またお会いします、たくと七星です。今回もこのサイトで新しい小説を書いていきたいと思います。これから書く物語は私も大好きなウルトラシリーズ、その怪獣をメインにしたお話です。

<大まかな概要>
 舞台は現在放送されている新作のウルトラマン、「ウルトラマンオーブ」(2016年12月に放送終了)の世界観、復活した魔王獣や怪獣が倒されてから数年、数十年、数百年なのかは置いとくとして、オーブのその後のストーリーとして描きます。そこでは怪獣達が擬人化して人間社会に溶け込んでいて、または自然で暮らしていたりするものもいて、ひょんなことから主人公が魔王獣の封印を解いてしまい、その魔王獣からある物を渡されて、人と怪獣の絆の架け橋となって自分だけのハーレム・・・ではなく、怪獣軍団を作っていくと言うストーリーにしてみたいと思っています。
 ウルトラシリーズのファンも見ていただけたらなと言う淡い期待を持ちつつも書いていこうと思いますのでよろしくお願いします。

<登場人物紹介>

・王武マガタ
 本作の主人公。おとなしくて控えめな優しい少年。ある時、不思議な声に導かれてある神社に足を運び、そこで魔王獣の封印を解いてしまう。

・マガバッサー
 かつて突風を巻き起こして人々を恐怖に陥れた風ノ魔王獣。マガタが封印を解いたことで現世に蘇ってしまう。マガタが最初に手にすることになる怪獣。魔王獣だが、かつて恐れられていた恐ろしさは控えめになっており、むしろマガタに怪獣の知識を与えたり、サポートしたりと献身的で優しい性格になっている。額にはマガクリスタル、鳥の皮膚の手先足先、羽をはやしているが、胸や秘所をギリギリ隠した際どい裸に近い格好をしている。魔王獣であるがベジタリアンで野菜と果物が好物。肉や魚は生ものが血の色をしていて怖いと言うことで苦手である。そのため野菜と果物の料理しか作れない。イメージは妖鳥シレーヌとウルトラマンコスモスのリドリアス(性格面)


・江戸川アキコ
 マガタの友達の女の子。竹中淳と西条一平と常に一緒にいる明るく行動的な性格。一人ぼっちなマガタを心配したりかばってあげたりとお姉さん的な面が強い。名前は「ウルトラQ」の江戸川由利子と「ウルトラマン」のフジアキコ隊員から。


・竹中淳
 アキコ、一平と行動している、子供ながらも冷静で知識のある少年。面倒見のある性格で一平からは兄のように慕われていて、マガタのことも気にかけている。名前は「ウルトラQ」の万城目淳と「ウルトラセブン」のタケナカ参謀から。


・西条一平
 アキコ、淳と常に一緒な明るくひょうきんな少年。愛嬌があって気の優しい性格で淳のことを兄のように慕い、アキコのことも気にかけている。名前は「ウルトラQ」の戸川一平と一平を演じた役者さんの名字から。


・嵐シゲル
 マガタのクラスメートの一人。子供とは思えない力自慢で義理人情に熱い。名前は「ウルトラマン」のアラシ隊員と「ウルトラセブン」のフルハシ隊員の本名、シゲルから。


・伊達ミツヒロ
 マガタのクラスメートの一人。シゲルと常に一緒にいる明るく陽気でおっちょこちょいな少年。名前は「ウルトラマン」のイデ隊員の本名、ミツヒロと「ウルトラマンマックス」のダテ博士から。

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Re: ウルトラ怪獣擬人化オーブ ( No.79 )
日時: 2017/08/11 18:14
名前: たくと七星

「ねえ、マガタくん・・・」
「なあに?」
「今度は貴方が私を犯してみて・・・」
 少年に口付けして仰向けに倒れ胸を強調するように手を伸ばす。目は潤んだ流し目になっていて、お願いする。
「来て、この私の大きくて柔らかいおっぱい、モミモミして・・・早く・・・」
 甘い誘いに流されて少年はベムラーの突き出た膨らみのある胸を触ってみる。
「あん!」
 甲高い悲鳴が聞こえ、次に胸を生地をこねるように揉みしだく。
「あん!ああーーん!いい、可愛い男の子におっぱい触られちゃってるわ、ひあーん!いい、ねえ、今度は乳首を引っ張って?」
「うん・・・」
 体をくねらせる彼女に次は乳首を摘んで引っ張ってみる。ベムラーは甘い声を出して体を小刻みに震わせる。
「きゃああーん、ああーああーん!やあ・あああ・ああ・あ・あ・あ!あああーーーっ、私、犯されてる、可愛い男の子に犯されて、おかしくされちゃってるの、いやあああ、いやあああ、ああーーーーん!」
 すぐに絶頂を迎えて秘所から熱い潮が放たれた。それでも満足はしていないようで、右手で胸を揉み、左手で秘所をいじって自慰行為をしながら少年に哀願した。
「ああーん、マガタく〜ん、私、ここが濡れ濡れになっちゃってて切ないの、私の膣に、貴方の固い男の子の性器をびちゃびちゃのここにねじ込んで〜、ねえ〜早くう〜ん、あ・あ・あ・あ〜ん」
「べ、ベムラーさん!」
 プロポーション抜群の小麦色の肌をした宇宙怪獣の甘美な誘いは破壊力抜群だった。マガタは自分の性欲を抑えきれなくなり、ベムラーにのしかかって自分のものをベムラーの性器に当てる。
「僕、体が熱くて我慢出来ない、僕、僕・・・!」
「まあ、抑えきれないのね、そんな姿も可愛いわ、さあ、私の膣内においで・・・」
 両手を少年の腰に挟んで、自分の膣内に導くようにする。少年はそのまま自分の性器をベムラーの秘所に挿入した。
「あああああああーーーーっ!また来たあ!可愛い子供の熱い性器が入っちゃった!」
 挿入された快感にベムラーは舌を伸ばして目を虚ろにして快楽を感じていた。少年は腰を動かし、膣内のひだを擦っていく。
「うあうん、いいわ、その調子よ!もっと激しく動いて!私をおかしくして、私を一杯感じちゃってえええええ!」
 マガタに抱きつくように両足を絡めて頭を掴み、甘い口づけをする。口を放すとマガタはベムラーの乳首にかぶりついて吸い始めた。
「ああ、やだ、そんなにおっぱいを吸っちゃって、可愛い赤ちゃんみたい・・・。もう私は、貴方の虜になってしまったみたい・・・、マガタくん、こんなことをしてあげるのは私だけよ、私と、もっと愛を感じて、愛し合って・・・!」
「はあ、はあ、ベムラーさん、ベムラーさんとはもう友達だもん・・・だから僕、ベムラーさんが大好き!」
「やあああーーん、嬉しいわ、そんなこと言って、やああ、効く、効いちゃう、今の凄く効いちゃうのーーーーっ!」
「ベムラーさん、僕、もう出ちゃう!」
「来て、来て、中に出して!貴方の全てを私は受け止めるわ、そして共に未来を歩んでいくの、来てえ、マガタくーーーーーーーーん!!!」
 ベムラーの膣内に熱い精液が流れ絶頂を迎えた二人はそのまま眠りに着いた・・・。
 目を覚ますと衣服は整えられていてベムラーが少年を背中から抱きしめていた。
「マガタくん、本当に素敵だったわ・・・」
 優しい笑みをしてマガタの頬にキスをした。
「貴方と仲良くなれて良かった、そう思えるわ。安心して、人間全てを信じられなくても、貴方だけは信じているから・・・、これからも、二人の絆を深めていきましょう・・・」
「うん、ベムラーさん・・・」
「それじゃあ、皆の所に帰る?心配してるでしょうし?」
「そうだね、マガバッサーや皆のこともあるから」
「じゃあ、帰りましょっか」
 人間の姿になってバイクに乗り、マガタの家まで送ってあげるのだった。


「ただいま!」
 ドアを開けて帰りを待っている怪獣達に帰った挨拶をした。
「マガタ様!」
「マガタくん!」
 マガバッサーやアギラ、怪獣達が皆がマガタのいる玄関まで来た。
「あ〜んマガタくう〜ん、無事だったの〜ん、あたし心配で心配で落ち着かなかったの〜ん!」
 マガジャッパが飛びついてマガタに頬ずりをする。廻りの怪獣達は鼻を摘んで臭さに耐えていた。
「マガタ様、ベムラーと何をしていましたか?」
「あいつに何かされなかった?」
 マガバッサーとザンドリアスが聞くとマガタは笑顔で答えた。
「大丈夫、何もされなかったよ。山の中に綺麗な滝があってそこで水遊びをしたんだ」
「え〜、それならあたしも連れてってほしかったわ〜ん、そしたらマガタくんと水浴び出来たのに〜ん」
(そしたら滝の水が臭くなっちゃうじゃない・・・)
 マガジャッパの言葉にアギラは心の声で突っ込んだ。
「でも、何もされていないならホッとしたわ」
「そうね、ベムラーのことを信じてもいいと思うわ」
 ローランとシェパードンの言葉を聞いてマガタも彼女が少しずつ信用されてもらえていることに安心を覚えた。
「それで、ベムラーは?」
「あら、私が帰ったとでも思ったかしら?」
「わ、いつの間に!」
 アギラとミクラスが驚く。それもそのはずで少年の背後に突然ベムラーが出て来たからだ。
「少しこの子と遊ばせてもらったわ、何も変なことはしてないから安心して。(ふふ、本当はいけないことしちゃったんだけど、怒るかもしれないから内緒にしておきましょ・・・)それじゃあね、マガタくん。また来るわ」
 少年にキスをしてベムラーは空中に浮かび元ある世界へと帰っていった・・・。

続く・・・。

Re: ウルトラ怪獣擬人化オーブ ( No.80 )
日時: 2017/08/11 19:42
名前: たくと七星

その頃、ベムラーの砦では、変化が見られていた。黒く重々しい雰囲気がしていた外壁は虹色の塗り替えられていて旗の飾りが巻かれていた。中にいた怪獣達も人間界の文化に直に触れて嬉しそうだった。人間界の食事、風習などを楽しそうに話している。
「人間界に行ってみたけど、楽しかったわ!」
「うんうん、面白い可動話や機械の遊具とかたくさんあってね」
「私なんか今まで食べたことない美味しいものを食べまくったわ!」
 賑やかになる中、一人だけ禍々しい空気を漂わせている存在がいた。白の短髪に赤くボロいマントを着た、あのノーバである。自分の居場所が様変わりしてしまっていることに激しい怒りを募らせていた。怪獣達が楽しそうに話すのを聞くだけで耳を塞ぎたいほどの不快感を感じていた。
「どいつも、こいつも、変な毒に犯されて・・・!!!」
 苛立ちを覚えた矢先、シルバーブルーメ達が戻って来た。
「おっす、ノーバ。何、できものが出来たみたいに不機嫌な顔しちゃってるの〜、このこの」
 シルバーブルーメがケラケラ笑って頬をつつくがノーバは表情を崩さない。
「ま〜、これ食べて元気出してよ」
「何よ、それ・・・」
「何って、ふふん、キャラクターの形をしたカステラだよ、中に甘いクリームやシロップ、あんこが入って凄く美味なの、あとたい焼きでしょ、たこ焼きでしょ、お団子にハンバーガーにアイスにラムネにコーヒーに焼きそば、コロネ、それからそれから・・・」
「ふん、いらないわよ・・・!そんな人間が食べるようなものなんて・・・!」
 差し出されたカステラをノーバはそっぽを向いて拒絶する。
「おう、つれないね〜、同じ円盤生物じゃないか〜」
「そうですよ、私達五人衆は常に仲良くしていないと、ベムラー様も仰っていましたし・・・」
「それに人間界も中々楽しいですよ。今まで見たこともないような文化や食べ物に触れられて私達の価値観も大きく変わりましたし・・・」
 メルバとアントラーが言ってもノーバは表情を変えない。
「ブル、ブルブル」
「ほら、ブルトンも楽しいよと言っていますよ」
 ブルトンは嬉しそうに何かを見ていた。それは露天商で買った綺麗な首飾りだった。優しいお兄さんに似合ってると付けてもらったのだ。
「えへへ、こんなに嬉しい気分になれたのも、あの子、王武マガタくんのお陰だよね」
「そうですね、あの子がいたから、ベムラー様や私達も変われましたし」
「そうだ、あの子を呼んでさ、歓迎パーティなんか開かない?」
「それはいいですね、マガタくんを呼んで人間と怪獣が親睦を結ぶきっかけになった記念になりますもんね」
「ブルブル」
「ブルトンもやろうやろうと言ってますし」
 楽しそうに話している中、ノーバの表情が険しくなっていく。怒りに震えだして、
「何なのよ、あんた達!!!黙って聞いていればあの子供のことばかり!!!」
 怒号を放つノーバにびっくりして四人は硬直する。
「あたし達は人間を憎んでいたんじゃなかったの、人間を滅ぼしてあたし達だけの幸せの世界を作るためにいたのに、何を人間の世界に馴染んで染まっちゃってるのよ!」
「で、でも、そうしろって、ベムラー様が言ってたから・・・」
「それにベムラー様も、自分達を変えなきゃいけないと仰って・・・」
「変える、何を!自分勝手な人間達と仲良くしろ?そいつらのくだらない文化に染まる?異質な毒に犯される?くだらないわ!!!大体あんた達まで人間達の毒に触れて馴染んでしまって、それでも怪獣なの?恥さらしだわ、こんなもの!!!」
 ブルトンの首飾りを引きちぎってそれを踏みつける。
「ブル・・・ブル〜・・・」
 大事な宝物を壊されてブルトンは泣き出してしまう。
「ブル!ブル!」
 怒ってノーバの体をポカポカ叩くがノーバにはたかれてしまう。
「ブル、ブル!!!」
「何よ、怒り出して!こんなくだらない装飾品が何だと言うの?」
「それは宝物にしようとしていたのに、と言っています。あと・・・いえ、これだけは」
 アントラーは通訳の続きを言おうとしたがためらってしまう。ブルトンが何と言っていたか理解していたから。
「何なのよ、ハッキリ言いなさいよ!」
 だが、ノーバの凄まじい剣幕に押されて遂にアントラーはブルトンが言った言葉を口にしてしまう。
「解り、ました。ブルトンはこう言っていました。ノーバなんか嫌い!大嫌いって!」
「何よ、何よ、何よ!あたしだって、あんた達なんか嫌いよ!!!」
 涙を流して叫び、砦の外を出て行った。シルバーブルーメとメルバはやるせない気持ちになりアントラーがブルトンを慰めていた。そこへベムラーが帰ってくる。
「ただいま」
「あ、ベムラー様・・・」
「何かあったの?」
「実は、ノーバが・・・」


 ノーバは外を走っていた。廻りの景色には目もくれず、ただひたすら走っていた。割り切れない怒り、悲しみに包まれていて、疲れて歩き出し、岩場に座ってすすり泣いた。
「うう、ふぇええ、ひっく、ううあ、裏切られた、裏切られた、信じていたのに・・・・」
『何をそんなに泣いているの』
 どこからか妖しく艶めかしい声が聞こえてくる。それは人の姿をしてノーバに近付いた。
『話してご覧なさい、何かあったんでしょ・・・』
「あたし、ずっと孤独で一人だったの、そんな時にあの人に出会って、生きがいを見つけることが出来たのに、信じられる人だと思ってたのに・・・なのに裏切られて・・・」
『そうなの、解るわ。心をもっているせいね、そんなものを持っているから迷いや悩みが生じるのよ、きっとその人は心をもっていたために迷いが生まれて本来の目的を失ってしまったんだわ。でも、私は違うわよ。私は心を持ってはいない。心がなければ迷いなく思うように、自分の好きなように生きられる』
 その人物はノーバの瞳を見つめて妖しく囁いた。
『さあ、貴方に力を与えてあげる、全ての生けるものを己のものにする力を、それを持って人間界を、そしてあの子供に復讐をしなさい・・・』
 怪しい黒雲がノーバの体に入り込んだ。彼女の中で何かが蠢いていた・・・。


 暗い夜、ガールスカウトの半袖短パンに黒のニーソックスを履いた少女、人間の姿をしたノーバが暗い街中を歩いていた。既に時刻は深夜になっていて大人しか歩いていない。
「おい君、ちょっと待て」
 彼女を見た警察が追いかけて止まれといった。
「こんな夜中に深夜徘徊か、親御さんが心配するだろ、早く帰りなさい」
 少女は警察を見て薄く笑うと、口から赤いガスを吐きかけた。
「ぐああああああ!!!」
 警察は苦しみだして赤い鎖が巻き付いて、廻りにいた人達に襲いかかって来た。それを見ながら少女、ノーバはクスクスと笑いながら闇に消えていった・・・。


 翌日、
「マガタ様、お買い物、楽しかったですね」
「うん、みんなの喜ぶ顔を見られると嬉しくなるね」
 マガタとマガバッサーが買い出しを終えて家路についていた。
「今日の夕飯は何かな」
「ふふ、今日は濃い味付けをした野菜炒めにして、あら・・・?」
「うん?」
 目の前を見ると、人だかりが自分達を見ていた。それを見てマガバッサーは異変に気付いた。
「この人達・・・!」
 人々から凄まじい殺気が感じた。しかもその人達は赤い鎖を巻いていて、凶気に満ちた顔で少年を睨んでいた。
「ぐあああ、苦しい、首が締められる・・・!」
「あいつのせいだ・・・!あの子供のせいで俺達は苦しんでるんだ・・・!」
「殺してやる、殺してやるぞおおおおお・・・・・!!!」
 赤い鎖を巻かれた人達が襲いかかって来た。するとマガタが持っていたマガジャッパのカードが光りだした。
「お願い、守って!」
 カードを読み込んでマガジャッパを召喚させた。
「はあ〜い、任せて〜ん、ぷしゅ〜ん!」
 マガジャッパは周囲にマガ臭気を放って赤い鎖を巻かれた人々を気絶させた。
「うっふん、これでもう大丈夫ん」
 手でハートの輪っかを作りマガタにアピールした。
「ありがとう、助かったよ」
「うう、本当にきつい臭いですわ・・・」
 強烈な臭いにマガバッサーは涙目でマガタに抱き着いていた。
「やったわ〜ん、マガタくんに褒められちゃった〜ん、褒めて褒めて〜ん、褒め殺して〜ん」
 マガジャッパが嬉しそうにマガタに抱き着いた。
「ここは危険ですわ、ここから放れましょう。マガタ様、しっかり掴まっててください。さ、貴方も」
 マガタを抱きかかえてマガバッサーは羽ばたきだした。マガジャッパは彼女の足を掴んで放さないようにする。マガバッサーは空を飛んで安全な場所へと向かって行った・・・。 続く・・・。

Re: ウルトラ怪獣擬人化オーブ ( No.81 )
日時: 2017/08/12 20:54
名前: たくと七星

「ここまでくればもう安心ですわ」
 広場の公園で着地して三人はホッと一息する。
「マガタく〜ん、あたし役に立ったでしょ〜ん、もっと褒めて欲しいわ〜ん」
「およしなさい、マガタ様が困っていますわ」
 ベタベタ少年の体を撫で回しているマガジャッパにマガバッサーが注意する。
「でも、あの人達、何で僕を襲うんだろう・・・」
「解りません、ですが首に巻かれていたあの鎖、何者かの仕業で出来たのかもしれません」
 そう言った矢先、
「マガタく〜ん!」
「この声、アキコちゃん?」
 友達のアキコ、一平、淳の三人、そしてアギラやミクラス、ウインダム、ザンドリアスやローランとシェパードンと仲間の怪獣達が集まって来た。
「皆も、もしかして?」
「うん、街の人達が一斉に暴れだしているんだ・・・」
「ウインちゃんやアギちゃんと歩いてたら何か騒がしくてさ、そしたら・・・」
「はい、人々が何かに取り付かれていたかのように暴行に走っていたのです」
 カプセル組が街の状況を説明する。
「皆も見てたんだね・・・」
「ええ、それにマガタくん、街の人達は君のことを狙っていたわ」
「僕のことを・・・」
 マガタが聞くと、シェパードンは頷く。
「調べてみたけど、巻かれているこの鎖は人々を極度の興奮状態にして闘争本能をかき立たせているみたい。街中にそのエネルギーが広まっているわ・・・」
 バルがパソコンを見てチェックする。
「マガタくん!」
 そこへベムラーが飛んで来た。更に配下のシルバーブルーメ、メルバ、ブルトン、アントラーも光から出現する。
「ベムラーさん、ブルトンちゃん達も!」
「街にいた仲間の怪獣達が人間達の暴走に巻き込まれていると聞いてやって来たの!」
「うん、バルちゃんが言うには赤い鎖が原因みたいなんだ」
「赤い鎖・・・?!まさか・・・!」
 ベムラーは戸惑い、配下の四人ももしやと不安になる。だが、それも束の間、公園の周りに凶暴化したした人々が囲んでいた。一斉に走り出して襲いかかってくる。
「うわあああ、来た!」
「ダメだ、もう間に合わない!」
「助けてーっ、お母さーーーん!!!」
 ミクラス、アギラ、ザンドリアス達がしゃがんだその時、突然何かの衝撃音がした。それは風圧を作って街の人達を怯ませる。
「ああ・・・」
「あれは、何?」
 アギラとマガタ達が見上げると、空の上で眩い光と共に一体の小怪獣がゆっくりと地面に降り立ち、頭部の甲冑のような飾りから光を放って人々の首に巻かれている鎖を消していった。
「鎖が、解かれていってる・・・?」
「安心せい、これでこの者たちも落ち着くじゃろう」
「君は、誰?」
「わらわはデバン、ある怪獣からの頼みでこの世界へやって来たのじゃ。さて、人々に巻き付いていたこの鎖、これはある怪獣の仕業じゃ」
「それって誰なの?」
「それは、まあ、ここではあれじゃから落ち着ける場所で詳しく話をしようか」
「それならあたしが知ってるわ!」
 アキコが手を挙げてマガタ達をある場所へ案内した。

 降星山のとある高台、そこにある木の上に建てられた小さな部屋。そこにマガタと仲間の怪獣達が座ってくつろいでいた。
「どう、あたしと一平くん、淳ちゃんの秘密基地は?」
「まさか皆に秘密基地があったなんてね・・・」
「驚きでしょ、マガタくん」
「君もここに招待しようと前から思っていたんだ」
 一平と淳が言うと、マガタは嬉しそうに笑った。
「これだけの大人数だと、何か落ち着かないね」
「けど、贅沢は言えないもん。ありがたく思わなきゃ、ありがとね」
 ミクラスがアキコの頭を撫でてやった。
「さて、本題に入るぞ、今、この街を騒がしているのはこいつじゃ、イメージを送るので見ておくれ」
 不思議な光を放つと、そこから映像が浮かんで来た。その中には人々が暴走して暴れている中を歩く一人の少女の姿が映っていた。
「そんな・・・」
 それを見て、ベムラーは愕然とする・・・。

続く・・・。

Re: ウルトラ怪獣擬人化オーブ ( No.82 )
日時: 2017/08/13 09:56
名前: たくと七星

「嘘・・・、あれは・・・」
 シルバーブルーメ達も動揺を隠せなかった。映像の中に映っていた少女、それは自分達の仲間である円盤生物、ノーバだったからだ。不気味な笑みを浮かべている。
「あれは、貴方達の・・・」
 マガバッサー達がベムラーとその配下の怪獣達に目をやる。
「あんた達、やっぱり改心してなかったんでしょ!!!友好的に見せかけてこんなことするなんて!」
 ザンドリアスは怒りに震えてベムラーに問いただした。
「待って待って、あたし達は何もやってないよ、ノーバがこんなことするなんて知らなかったの!」
 シルバーブルーメが割って入り、自分達の指示ではないと訴えるがザンドリアスは尚も詰め寄った。
「知らなかった?とぼけるんじゃないわよ!じゃああの映像に映ってるのは何?!これでもまだ嘘をつくつもり!」
「本当よ、本当に知らないの!信じて、信じてお願い!」
「信じる、どうやって!この状況でどうやって信じろと!」
「ああ、私の、私のせいだわ・・・」
 ノーバの邪悪な姿にベムラーは頭を抱え自分を責めてしまう。
「待って、ザンドリアスちゃん、ベムラーさん達の話を聞いてあげよう」
「え、あんた、こいつらをまだ信じるつもり?!」
「あの子があんなふうになったのはきっと何か原因があるかもしれない・・・、ベムラーさん、何か心当たりはない?」
 少年の言葉にベムラーは口を開いて帰ってきたときのことを話した。
「シルバーブルーメ達から聞いたの、ノーバと喧嘩をしたみたいで私が帰ったときにはあの子はもういなくて、辺りを探してみたけれど、どこにもいなかった・・・。あの子、きっと傷付いているんだわ。私が変わってしまったことで・・・」
「どう言う事?」
「あの子は傷だらけの姿で私達の元に来たの。主人とはぐれ頼る人もいないあの子を私は迎え入れた。そして私の理想のために付き従ってくれて・・・、私がいけないんだわ。私があの子の心にちゃんと向き合わなかったせいで・・・」
 ノーバのことを思うと心が張り裂けそうだった。そんな心情にマガタは察する。
「でも、このままにしていいはずがないよ。ノーバを助けてあげなくちゃ」
「ふむ、その通りじゃ、じゃがのう・・・」
 デバンが続きを言おうとしたが、外で何かの異変に気付いた。
「この気配、まさか?」
 ベムラーとシルバーブルーメ達が外へ出る。
「ベムラーさん、僕達も行こう!」
「はい!」
 マガタと怪獣達が外へ出ると、空の上であの円盤生物、ノーバが浮かんでいた。
「見つけたわよ・・・」
 目からレーザーを放ってくると、マガバッサーが翼でこれを弾いた。ノーバは舌打ちをして地面に着地する。
「ベムラーの配下である貴方が、何故、主を無視してこのようなことをするのです!」
 マガバッサーが問い詰める。だがノーバは目から涙を流してきた。
「涙、何故・・・?」
 アギラが首をかしげている。ノーバはその口を開いた。
「私の希望・・・、ベムラー様は、汚された・・・。そいつに!!!その子供のせいで!!!」
 悲しく泣いていたと思えば、涙を流した状態で目を鋭くして少年に指を差してきた。
「マガタくんが?」
「やれやれ、逆恨みもいい所だね」
 マガジャッパが守るように抱きしめ、マガグランドキングはため息を吐いて呆れていた。
「ベムラー様は私達だけの世界を創るために戦ってきた。なのにその子供のせいで全てが無駄になってしまった・・・」
「だけど、ベムラーさんは人間と共存出来る世界にすることを決めたんだから受け入れてあげた方が・・・」
 バルが話すがノーバは耳を貸さない。
「消してやる・・・!その子供を、消してやる・・・!!!」
 怒りに震えて何かを唱え始めた。
「ウジュイカ・・・、レエガミヨ・・・!」
 ノーバの手から黒い黒雲が流れて形を作っていった。無数のレギオロイドとチブロイド、そして、
「く、何故私まで戦わねばならんのだ・・・」
 あのギャラクトロンが現れてマガタ達の前に現れた。
「怪獣達を召喚した?!」
「あいつ、あんな能力あったっけ?」
 ノーバに無いはずの信じられない能力にシルバーブルーメとアントラー達は騒然とする。
「ローランさん達はアキコちゃん達を守って!」
「解ったわ」
「任せて!」
 ローラン、シェパードン、バルが三人を秘密基地へと隠した。
「それじゃあ、後はこいつらをぶっ倒しちまえばいいんだろ?」
「戦いなら任せて」
「いや、ちょっと待て」
 マガグランドキングとベムスター達が戦いに出ようとすると、デバンが待ったをかけた。
「戦うだけではあの者を救うことは出来ない、ましてや、説き伏せるだけでもうまくは行くまい、奴を救うには奴の心にある優しい気持ちを呼び覚ます存在が必要じゃ」
「それって、誰なの?」
「お主ならもう解っていよう」
「え?」
「お主達、すまぬがこの少年を少し借りていくぞ」
「マガタ様を?」
「何、心配はいらぬ、そう長くはかからぬ。ノーバを助けるためにもどうしても協力を頼みたい奴がおるのでな。少年、引き受けてくれぬか?」
 デバンが言うと、少年はこれを受け入れた。
「うん、僕はあの子を助けてあげたい。デバンちゃん、一緒に行くよ」
「よし、決まりじゃな」
 少年はマガバッサー等怪獣達の方を向いた。
「皆、ごめん、戻ってくるまで何とか持ちこたえて」
「承知しています。マガタ様の思いを決して無駄にはしません」
「そうよ〜、それに魔王獣のあたし達もいるんだし〜ん、多少は頑張れるかもよ〜ん」
「まあ、時間稼ぎならアタイ達に任せておきな」
「君は君のすべきことをして」
「マガタくんならきっと上手くいくゴモ!」
「皆、ありがとう」
 デバンが光の玉を作って彼女と共にそれに入り、どこかへと消えていった。
「さあて、何としてもこいつらを止めてみせるよ」
「ノーバのことは私達にお願い、あの子を何とかして止めないと」
 マガバッサー等魔王獣はギャラクトロンに、ベムラーと配下の怪獣はノーバ、そしてアギラ達はレギオロイドとチブロイドの大群に向かって行った・・・。


続く・・・。

Re: ウルトラ怪獣擬人化オーブ ( No.83 )
日時: 2017/08/15 14:20
名前: たくと七星

「ほれ、ついたぞ」
「ここは・・・」
 デバンに連れられた先、そこは人がどこにもいない、静寂だがどこか懐かしい気持ちになるどこかの遊園地だった。
「この遊園地のどこかにその者がおる。少年、お主はその妖精を探しに行くのじゃ」
 少年は頷いて遊園地を歩いて行った。
「だけど、一体どんな子なんだろう。妖精って言うから小さい子なのかな・・・」
 そう呟きながら歩いていく、お化け屋敷、ジェットコースター、アトラクションステージと見て回るがその妖精は姿はおろか影さえも見つからなかった。
「はあ、妖精って言うからそう簡単には見つからないよね・・・」
 広場のベンチに座ってため息を吐いてしまう。しかしこうしている間にもマガバッサー達は戦ってくれているのだ。ここで休んでいるわけにはいかない。
「うわあああああん、ああああああん!」
 どこかで声が聞こえて来た。マガタが走り出してその声のする方向に来ると、メリーゴーランドの近くで少年が泣いていた。てには壊れてしまったおもちゃを持っている。
「君、大丈夫?」
 声をかけるとその子供が振り向く。
「え?!」
 マガタは言葉を失ってしまった。目の前にいた少年は自分と瓜二つ、いや、自分自身だったからだ。でも何故昔の自分がこんな所に、一体ここはどこなのか、過去の世界なのか、それとも・・・、
「泣いちゃダメよ・・・」
 すると、どこからか暖かさが溢れる優しい声が聞こえて来た。マガタが見ると、そこには耳の垂れた帽子を被った紫の髪の可愛い顔をした背の高い少女がいた。その子は手から光を作り出すと、少年の壊れたおもちゃに注いで、あっと言う間に修復させた。少年が喜んでその妖精にお礼をした。
「まさか・・・!」
 夢で見た内容を思い出した。遊園地、壊れたおもちゃを持って泣いている少年、そして現れた妖精、そうあれは夢ではなく、自分が忘れてしまっていた小さかった頃の記憶だったのだ。
「君を、ずっと探していたよ・・・」
 妖精が少年に言葉をかける。
「思い出した、君は・・・」
 廻りが光出して、暖かい空気が流れる空間になる。そこでマガタと妖精、二人きりになり顔を合わせる。
「今、やっと思い出したんだ。あの時、おもちゃを直してくれた子が君だったんだ・・・」
「そうだよ・・・、私はムゲラ・・・。夢幻妖精、探していたよ、君のこと・・・」
「僕を・・・」
「うん、君はいつも一人ぼっちで泣いてばかりだった。そんな君を見て放っておけないって思えたの。だから決めたの、もう一度出会えたら、君の力になるんだって・・・」
 愛くるしくも強い優しさに満ちていた。ムゲラは少年を優しく抱き締めた。
「ありがとう。力を貸して欲しいんだ。今、僕のいる世界で大変なことが起きてる。ノーバっていう子が人間達を凶暴化させてるんだ。あの子は心に深い傷を負っていて固く閉ざしているんだ。僕はあの子の心を救いたい、お願い、力を貸して」
「もちろんだよ」
 マガタのお願いをムゲラは受け入れた。そして自身のカードを渡した。
「本当!」
「うん」
「どうやら上手くいったようじゃな」
 デバンがやって来て仲間にしたことを確認した。
「どうやら計算通りにいったようじゃな」
「計算通りって?」
「先程のはお主の過去の世界をイメージした特殊な空間だったのじゃ。その中にきっとこやつがいると思ってな」
「そうか、それで昔の僕が・・・」
「左様、お主もそこに行けばきっとこの少年に会えると思っておったじゃろ」
 そう言ってムゲラに目をやる。
「うん、そう思ってたの、実際にこの子とまた会えて、私、嬉しい・・・」
「さて、無事にムゲラを仲間に出来た。さあ、急いで皆の元に戻るぞ」
「うん!」
 マガタとムゲラはデバンの廻りに付く。光の中に入って元ある世界へと帰っていった・・・。


 その頃、マガタの怪獣達はノーバが召喚した怪獣達と戦っていた。ベムラーと配下の怪獣達は懸命にノーバを説得していた。
「ノーバ、こんなことはもうやめて!人間と怪獣が共存出来る道はきっとあるわ!」
「あたし達が怒らせたなら謝るから、元に戻って!」
「ブルブル!」
「大嫌いって言ったこと謝るよって言ってます!だから!」
 主人と仲間達の説得に頭痛がして迷いが生じてしまう。
「ぐ、ううう・・・」
 だが脳内からあの声が聞こえて来た。
『やれ、ノーバ。奴等はもうお前の仲間ではない。構うことなく消してしまえ』
「そう、ね・・・・」
 レーザーを放ってベムラーを吹っ飛ばした。
「ノーバ!」
「ベムラー様を!」
 シルバーブルーメ、メルバ達は攻撃に出ようとしたが。ベムラーがこれを止める。
「待って、ダメよあの子を攻撃しちゃ!そうしたらあの子の心に更に傷を付けてしまうわ・・・」
「ですが・・・!」
「お願い、私にあの子を説得させて・・・、あの子だって私と一緒だった子よ。きっと、解ってくれるわ!」
 配下の怪獣達を置いてベムラーはノーバに歩み寄る。
「ノーバ・・・」
「く、来るな!私はもうお前の下僕じゃない!」
「私が変わってしまったためにこうなってしまったんでしょう。それなら私がいけなかったのよね、本当に悪いと思っているわ、それで貴方は裏切られたと思って心を閉じてしまった。そうでしょ・・・」
「何で、そんなことが・・・!」
「解るわよ、一緒に暮らしてきたんですもの。貴方の思うこと、考えていることは解るわ。私が憎いのなら、遠慮なく攻撃しなさい、でも、私は絶対に貴方に手を出したりしないわ、私は、貴方のお母さんのつもりだから!」
「お母、さん・・・?」
「そうよ、貴方は私の家族、私の子供よ・・・」
 両手を広げて目に涙を浮かべる。決して敵意を向けず手を出そうとはしなかった。その姿にノーバの心が揺れ動いた。その時、一筋の光がベムラー達の前に現れた。
「マガタ、くん?」
「皆、お待たせ・・・・」
 マガタがようやく帰ってきたのだ。
「マガタ様!」
「マガタくんが帰ってきた!」
「何だ、意外と早かったじゃないのさ!」
 マガバッサー、ミクラス、マガグランドキングがマガタを見て勝利を確信する。そしてムゲラは眩い光をノーバに流した。
「あ、ああ・・・・!」
 彼女の脳内に、懐かしい記憶が蘇ってくる・・・。

続く・・・。

Re: ウルトラ怪獣擬人化オーブ ( No.84 )
日時: 2017/08/19 20:46
名前: たくと七星

 ある若き戦士との戦いに敗れ主人ともはぐれて彷徨っていた日々、誰にも受け入れてもらえず蔑みの目で見られ人間を信じられなくなってしまった。そして精神が壊れて倒れた先、
『この子は・・・?』
 そこで生涯の主人となった怪獣と出会った。傷だらけの彼女を優しく治癒しつきっきりで看病してくれた暖かさ。全てを打ち明け、何をすればいいか悩んだ時に言われた言葉。
『行くあてがないんでしょ、ここにいてもいいわ。貴方の自由にする』
 自分の居場所を作ってくれたことにどれだけ嬉しかったか、そして気が付けばその怪獣とずっと一緒だった。そして今の仲間達と友達になれて楽しく過ごした日々、
『貴方の笑顔、素敵よ・・・』
『喧嘩をしたの?先に手を出したなら謝りなさい、それが筋よ』
『貴方はいい子よ。私が貴方を守ってあげるわ』
『貴方は我が子、私の子よ・・・』
 彼女の言葉はとても優しくて暖かなものだった。その言葉に支えられ生きがいを見つけることが出来た。毎日がベムラーのことだった・・・。
「・・・・・・・。ベムラー・・・様・・・」
 円盤生物の瞳から濁りのない綺麗な涙がこぼれ落ちた。
「ノーバ、貴方は私の子供よ、私の愛する子供よ・・・例え血の繋がりはなくても異なる存在であっても・・・貴方が私の子であることは本当よ。さあ、勇気を出して飛び込んで来なさい」
 両手を広げた状態でノーバに歩み寄る。だが、
「あ、ああああ!いやあああああ!」
 ノーバの体から黒雲が漂い、彼女を苦しみ始めた。
『何をしているのだ、早くその怪獣達を操り人形にしろ!』
「ダメ、ダメ!そんなの絶対に嫌!!!」
『お前にこの力を与えたのは何のためだ、このためであろう!さあ、やれ!やらないならお前を消すまでだ!』
「嫌、助けて、ベムラー、様・・・」
「ノーバ!」
 走り出してノーバを救おうとするが黒雲から邪気が放たれベムラーを吹っ飛ばした。
「ベムラー様!」
「ムゲラちゃん!お願い!」
「うん、任せて」
 少年の願いを受け入れ、ムゲラ、デバンが浄化の光を飛ばした。それを見ていたローランとシェパードンも出て浄化の光を苦しむ円盤生物に放った。光に包まれ、邪悪な黒雲は消え去っていく。それにより、チブロイド、レギオロイドの大群が消えていった。
「な、な、な、何だ、何だこれは!」
 ただ一体、消えなかったギャラクトロンは動揺して慌てている。浄化されたノーバは瞳を閉じてゆっくりと倒れ込んだ。ベムラー達が走って彼女を支えた。
「これであの子はもう大丈夫ねん」
「さあて、後は・・・」
 マガグランドキングは腕をコキコキと鳴らし、マガジャッパは臭気をふうっと吐いた。アギラ、ミクラス、ウインダム、ゴモラ、ザンドリアス、ケルビム、ベムスター、マガバッサー等怪獣達全員は一斉にギャラクトロンに目を向けた。
「え、え、まさか、この状況は何・・・あの、待て、待って!弱いものいじめはよくない、見逃して、お願い!」
「ポンコツがよく言うぜ、都合よく弱者ぶるなよ!」
 マガグランドキングの平たい手がギャラクトロンを吹っ飛ばした。
「くそ、あくまで敵対するのだな!くらえ!」
 アームからレーザーを放ってきた。ベムスターが前に出てこれを吸収し、跳ね返した。これに激昂するとアームをロケットパンチの如く飛ばしてレーザーを放つがマガグランドキングがマガ閃光でアームもろとも消滅させた。
「しまった、アームが!」
「マガタさん!」
「うん、パンドンさん、ブラックエンドさん!真っ赤な炎をウインダムさんに与えてください!」
『フュージョンアップ!ファイヤーウインダム!』
「ネロンガさん、エレドータスさん、電気と透明の力をミクラスさんに与えてください!」
『フュージョンアップ!エレキミクラス!』
 交互しながら地面に着地してファイヤーウインダムとエレキミクラスは走ってアッパーをギャラクトロンに見舞った。転がされて怯んだ所でケルビムとテレスドンがシャフトを掴んだ。
「行くわよ、せーの!」
「そうれ!」
 シャフトを引っ張り、もぎ取りに出る。
「痛い!痛い痛い痛い痛い痛い!」
 激痛が走り苦しんでいる所へファイヤーウインダムが炎のチョップをした。
「てやああああああ!」
「いぎゃあああああああ!ブレードが、私のブレードがーーーーーーーーっ!」
 ブレードが叩き落とされた後、シャフトがもぎ取られた。転倒した所でゴモラがキックをして蹴り飛ばし、マガグランドキングが踏みつけをした。
「ぐは、ぐあ!待て、やめろ!やめ、やめて!これ以上乱暴しないで、話をしようよ、話せば・・・!」
「そんな言葉に騙されないわよ〜ん!」
 マガ臭気を吐いてのたうちまわさせた。
「ぐばあ、ぐは、ぐあああ、臭い、何だこの臭さは、測定不可能だ!ぐばあああああ!」
「マガバッサー、任せたぜ!」
 マガ一閃をして宙に浮かせた。マガバッサーはジャンプしてかかと落としをして叩き落とした。
「ぐ、ぐあ、ま、また、ボロボロにされるなんて・・・」
 グロッキー状態で起き上がると、マガタの方に目を向けた。
「ふふふふ、こいつを殺せば・・・、くたばれえええええ!」
 目からビームを放って来た。しかしマガバッサーが前に出てそのビームを防いだ。
「そ、そんな、さ、最後の、一撃だったのに・・・」
「マガタ様、お怪我は!」
「大丈夫、ありがとう」
「ああ、貴方様を守れて嬉しいです」
 少年に母性あふれる瞳をしてその頬を撫でてあげる。黒く汚れ破損がひどい状態になっているギャラクトロンに凛とした目で睨んだ。
「マガタ様を傷つけようとしたこと決して許されません、たあっ!」
 マガ衝撃波を飛ばして、ギャラクトロンを吹っ飛ばした。これで今度こそ戦闘不能になり虫の息になって地面に倒れ込んだ。
「やったね、皆」
 少年が怪獣達に目をやる。マガバッサー達は勝利したことを見届けて安堵した。そして、ベムラー達も、
「うう、ううん・・・」
 ノーバが目を覚ましてベムラーは涙を流した。
「ああ、良かったわ、ノーバ。目を覚ましてくれたのね・・・」
「ベムラー様、私、私・・・」
 主人に言葉を伝えたくても手をかけてしまったことへの負い目から自分の気持ちを言うことが出来ないでいた。
「もう、ノーバ!」
 シルバーブルーメが大声を上げた。ノーバの目を見てハッキリと言う。
「ノーバ、ベムラー様にごめんなさいは?!」
「ご、ごめ、ごめ、んなさい、ごめんなさい・・・ベムラー様、ごめんなさい・・・」
 大粒の涙を流して主人の怪獣、ベムラーに謝る。
「いいのよ、怒っていないわ。もう心配しなくていいのよ・・・、貴方が無事で良かったわ、それ以上は何も求めない、貴方が無事でいれば・・・私の可愛い、我が子・・・」
 ノーバを精一杯抱きしめる。その光景にマガタ達ももらい泣きするのだった・・・。

続く・・・。

Re: ウルトラ怪獣擬人化オーブ ( No.85 )
日時: 2017/08/20 09:51
名前: たくと七星

『何と言う事だ・・・』
 禍々しい声が聞こえて来た。黒い邪悪なオーラが出て形作っていく。
「何者ですか?!」
 マガバッサーが言う。するとそれは人の形になって現れた青く不気味なボディに胸にある青い発光体をしていた。
「私は亡霊魔道士、レイバトス。彷徨える怪獣の魂を操る者、そしてレイブラッド星人の遺伝子を継ぐ者・・・」
「そう、私が仰っていた創造主様です」
 レイバトスと共に破滅魔人ゼブブも現れた。
「レ、レイバトス様ーーーーーっ!!!」
 ボロボロになっていたギャラクトロンは走って跪いた。
「こいつらです、こいつらが私をこんな姿に、どうか奴等にたっぷりと思い知らせ・・・」
 それも束の間、レイバトスはレイバトスシュートを放ってギャラクトロンを攻撃した。
「ぎゃあああああ、な、何故です?!レイバトス様ーーーっ?!」
 ボディが更に汚れ、動揺するギャラクトロンをレイバトスは蔑みの視線を送った。
「お前は強力な力を持っているからこそ蘇らせてやったのだ。しかしこれほどの怪獣達を倒せないばかりか二度もその醜態をさらすとはな、お前のような使えないガラクタはいらぬ、死ぬがいい」
 手に念じてとどめを刺しに来る。
「ひ、ひいい、やめて、殺さないで!レイバトス様、私は貴方様がいないと生きる意味がないのです・・・。どうか、お命だけは・・・」
 優しいメロディを流して命乞いをするが、レイバトスには通用しない。無慈悲にもレイバトスシュートが放たれた。
「マガグランドキングさん!」
「何だい?」
「あの人を助けて!」
「けどあいつは・・・!」
「お願い!」
「う・・・、ああ、解ったよ!」
 瞳を潤ませてお願いされ、マガグランドキングは両腕を盾にしてギャラクトロンを守った。そしてマガ閃光をレイバトスに向けて放ったが、レイバトスは片手でこれを払ってしまう。
「おい、こいつを早く連れて行きな!」
「え、けど・・・」
「早く!」
 ミクラス、ウインダム、アギラ達がギャラクトロンを安全な場所へと運んだ。
「ふん・・・」
 レイバトスはベムラーに抱えられているノーバに目をやる。
「折角、レイブラッドの力を与えてやったものを・・・、心などと言う死ねば無くなる物を持ち続けているからダメなのだ・・・」
「貴方、私のノーバに何を・・・!!!」
「その怪獣に私と同じレイブラッドの力を与えてやったのだ。そして尖兵としてこの世界を侵攻させようとしたが、こいつが余計な感情をこじらせたために失敗に終わってしまった・・・」
「そのためにノーバを・・・!」
 ベムラーとシルバーブルーメ達は怒りに震えた。
「どうしてこんなことをするの!」
「何故・・?それは私がこの世界を、いや、全宇宙を支配するためだ・・・」
「全宇宙?」
 驚くマガタにレイバトスは自分の目的、過去のことを話した。
「私はこの力を使って宇宙を我が物にしようとした。だが、光の戦士達戦いに敗れ、我が肉体は滅びた。だが、奴等への恨みと憎しみをたぎらせて、今ここに復活したのだ」
「宇宙を征服するのは、レイブラッドって何?」
「レイブラッド、レイブラッド星人は100体もの怪獣達を従えて全宇宙を支配しようとした。私にもそのレイブラッドの遺伝子が流れている。私もそのレイブラッド星人にならい、全宇宙を我が物にするのだ。レイブラッドの遺伝子を持つものはその宿命が課せられるのだ。だから私はそれに従い、全ての世界、宇宙を私のものにするのだ」
「そんな、そんなのよくないよ!皆の世界を自分の物にするなんて!」
「お前のことは知っているぞ、私と同じく怪獣達を従える力を持っている。だが理解出来ぬな、その力を持ちながら何故なんの野心も持たぬ、それがあれば怪獣達を、敷いては全ての世界を支配出来るのに何故・・・?」
 見下ろしてくるレイバトスにマガタは毅然として言った。
「だって僕、世界を自分の物にしようなんて思わないもん!」
「戯言をほざくな!貴様もその力を持っているなら、全てが欲しいとは思わないのか?!」
「見当違いもいい所だね」
「何?」
 マガグランドキングがマガタと言う少年のことを言った。
「こいつは本当にお人好しでね、だけど、相手に真剣に向き合う心を持っている、相手と解り合おうとする姿勢でいる。こいつが望んでいるのは支配じゃなくてね、共存する世界なんだよ」
「それに、マガタくんは僕達を物のようには扱わない、一人の怪獣として優しくしてくれるんだ。それが僕達の力になる!」
「あんたのやり方を望むわけが無いんだから!」
 アギラとミクラス、そして他の怪獣達もマガタと同じ気持ちであることを言った。
「ふん、そうか、残念だな・・・。お前達とは仲良くやれると思っていたが、あくまで私と敵対するのだな。ウジュイカ、レエガミヨ!」
 手から邪悪なオーラを飛ばして怪獣軍団を出現させた。ザバンギ、ガンダー、ニセウルトラセブン、ファイヤーゴルザ、アーストロン、ドラコ、ベロクロン、スーパーグランドキングスペクター、そして無数のレギオロイドの軍団を出現させた。
「この軍団を倒せるかな・・・」
 不敵に笑い、ゼブブと共に飛び去っていった。
「こいつら・・・」
「マガタくんはあいつを追いかけて!」
「ここは私達が食い止めます!」
 カプセル組がマガタにレイバトスを追いかけるよう言った。
「でも」
「大丈夫、こんな奴等軽くのしちゃうゴモ!」
「あたし達は心配ないから早く行って!」
「私達は必ず勝つから、さあ!」
 ゴモラ、ザンドリアス、シェパードンも促す。
「解ったよ、マガバッサー!」
「はい、マガタ様!」
 マガバッサーがマガタを抱え、羽ばたいた。
「私も行くわ、ノーバをこんな目に合わせて、許してはおけないもの」
「あ〜ん、あたしもよ〜ん」
 ベムラーも空中に浮かび、マガジャッパもマガバッサーの足に捕まってレイバトスを追い掛けていった。
「よし、皆、行くよ・・・!」
 アギラ、ミクラス、ウインダム、ゴモラ、ケルビム、テレスドン、シェパードン、マガグランドキング、そして怪獣達がレイバトスの召喚した軍団に向かって行った。
「見えましたわ、マガタ様!」
 そして山の草原でマガタ達はレイバトスに追いつき、マガバッサーがマガ嵐を飛ばしてレイバトスとゼブブを地面に叩き落とした。
「ぐぬお、貴様!」
 着地したマガバッサー、マガジャッパ、ベムラーはレイバトスを睨んで対峙する。
「逃しませんよ!」
「ノーバの仇を取らせてもらうわ!」

 続く・・・。

Re: ウルトラ怪獣擬人化オーブ ( No.86 )
日時: 2017/08/27 10:10
名前: たくと七星

 その頃、アギラ達はレイバトスの召喚した怪獣軍団と激闘を展開していた。ニセウルトラセブンの振るうアイスラッガーをアギラはかわしていき、ウインダムはザバンギが放つ光線が飛び交う中を前進して飛びかかり、これを倒してチョップをした。
 ミクラスはガンダーを掴んでチョップ、蹴りを見舞い、ガンダーが冷凍光線を飛ばすとこちらも赤色光線を飛ばして相殺、ゴモラもファイヤーゴルザを持ち上げて振り回して地面に叩き付けてタックルをし、ケルビムも尻尾を連打してアーストロンをうちのめし、テレスドンはドラコの熱戦をかわすとジャンプして尻尾を振るい、地面に落とし、シェパードンはベロクロンの放つミサイルをセイバーで叩き落とし、マガグランドキングはスーパーグランドキングスペクターの攻撃を交わしてチョップで剣を落とす。
「かつては使い物にならないと言われていた私達ですが・・・」
「どんな困難にも負けずに乗り越えてきた!」
「簡単には、勝たせてあげない・・・!」
 アギラ達カプセル組は強い意志で怪獣軍団に立ち向かっていく。キックでニセウルトラセブンを蹴り飛ばした。ニセウルトラセブンがアイスラッガーを飛ばすと、アギラはこれを弾き返した。アイスラッガーはニセウルトラセブンの胸を貫き、力尽きた。
「たあああああっ!」
 ウインダムはタックルでザバンギを倒して踏みつけをして起き上がった所をレーザーで止めをさし、ミクラスは飛ぼうとするガンダーを掴んで投げ飛ばし、ドロップキックでこれを倒した。ケルビムはつっぱりを連発してアーストロンを攻撃し、超音速クラッシャーテイルで粉砕、テレスドンもハリケーンで投げ飛ばしてからの溶岩熱線でドラコを倒した。ゴモラも超振動波を飛ばしてファイヤーゴルザを倒した。
「これで決めるわ!」
 シェパードンはセイバーをベロクロンに突き刺してエネルギーを叩き込みこれを倒し、マガグランドキングもマガ閃光を飛ばしてスーパーグランドキングスペクターを倒すのだった。

「ふふふ、少しは私を楽しませられるかな?」
「魔王獣を甘く見られては困りますよ、さあ、行きます!」 
 草原でマガバッサー達の戦いが始まっていた。マガバッサーとマガジャッパはレイバトスに、ベムラーはゼブブと戦いを始めた。マガバッサーの回し蹴りをレイバトスは素早く動いてかわし、回し蹴りをすると、マガバッサーも回し蹴りをしてぶつけ合った。後退すると、レイバトスは光弾を連射してくる。マガバッサーは翼でガードする。
「次はあたしよ〜ん」
 そこへマガジャッパが前に出てマガ水流を飛ばした。
「な、むん!」
 しかしレイバトスはバリヤーを張ってガードしてしまう。
「おやおや、私に負けてしまった貴方が相手ですか?」
 レイピアを舐めてベムラーを挑発する。ベムラーは拳を構えて走り出す。
「もうあの時のように負けないわ!今度こそ私の本気を見せてあげる!」
 ゼブブの衝撃波をジャンプしてかわし、キックをしてゼブブを転ばせる。そこへ熱戦を飛ばして吹っ飛ばし、起き上がった所を回し蹴りを二発お見舞いして、レイピアをチョップで叩き割り、触覚を蹴りで折っていく。
「ぐうう、まさかこれほど強くなっていたとは、少々見くびっていましたね・・・」
 剣を失い触覚を折られてもゼブブは余裕を崩さない。
「これをくらいなさ〜い!」
 マガジャッパがマガ臭気をレイバトスに吐いて来た。
「ぐ、何と不快な・・・」
「お姉様、今よ!」
「任せなさい、はあっ!」
 マガ嵐を飛ばしてレイバトスを吹き飛ばす。だが、
「ふふふ、これしきの風で私を止められると思ったか・・・?」
 体を回転させると、嵐から浮き上がり回転してマガジャッパを急襲した。
「きゃ〜ん!!!」
 突き飛ばされて地面に転んでしまう。更にレイバトスシュートをマガタに向けて飛ばして来た。
「マガタ様、危ない!」
 マガバッサーが少年の盾になってこれを守ったが、威力の強さの前にダメージを受けてしまう。
「どうした、魔王獣二体がかりでも私を止められないのか?もっと行くぞ、ウジュイカ、レエガミヨ」
 呪文を唱えて、ザラガス、タイラント、ガルベロスの三体を召喚して来た。
「また怪獣達を!」
 マガタが驚く時間もなくザラガス達は前進してきた。ガルベロスはゼブブに加勢してベムラーに火炎弾を連射した。
「く!」
 怯んだベムラーに背後からもう一体の怪獣が襲いかかる。
「何ですって!」
 赤ん坊のような鳴き声を上げてマザリュースが前進してくる。ベムラーは蹴りをするがマザリュースの体は実態がないのかすり抜けてしまう。
「無駄ですよ、ガルベロスは幻影を生み出す力がある。その怪獣は目には見えても形はない幻影、攻撃は一切効きませんよ」
 ゼブブが解説してふっふと笑う。そして電撃を飛ばしてベムラーを追い詰める。
「ベムラーさん!お願い、ベムラーさんを助けて!」
 マガバッサーとマガジャッパが向かおうとするが、ザラガスが高威力の閃光を飛ばして怯ませる。そこへタイラントが鉄球からウィップを飛ばしてマガバッサーの首を巻きつけた。
「きゃああ、ああ!苦しい!」
「マガバッサー!!!」
「お姉様!!」
「さて、そろそろ終わりにさせてもらおうか・・・」
 レイバトスがジワジワと歩いてきてレイバトスシュートの構えを取ってきた。
「ま、待ちなさいん!子供を手にかけるのは、わわ、私が許さないわん!!」
「何だ、震えておるのか?」
「ち、違うわん!貴方なんか怖くなんかないのん!」
 マガタを守るように両手を広げるが恐怖で怯えているのは表情で感じ取られてしまっていた。
「安心しろ、一瞬でそこの子供もろとも消し炭にしてやる・・・」
 両手を掲げてレイバトスシュートを放とうとする。
「マガタ様!マガジャッパ!く、放して!私は、あの子をマガタ様を守るの!!!」
 必死で拘束を解こうとするマガバッサー。その時、
「うおらああああああああ!!!」
 上空から何者かが流星キックをしてレイバトスを急襲した。
「ぐお?!」
 吹っ飛ばされて地面に転ぶ。そしてそのキックをした怪獣が地面にカッコ良く着地した。
「え、誰ん?」
「あの人は?」
 少年の顔が希望に満ちてくる。そう、その怪獣は・・・。
「坊主、助けに来てやったぜ!」
 マガタにはにかんでサムズアップを送るのは、どくろ怪獣のレッドキングだった。そしてジャンプして火球を飛ばし、ガルベロスを攻撃するもう一人の怪獣、ゼットンが登場した。突然の不意打ちに幻影だったマザリュースは消える。
「貴方・・・」
 無言でベムラーに手を差し伸べて、ベムラーはその手を掴んで立ち上がった。
「ほう、まさか貴方がたまで現れるとは・・・」
 想定外だったのかゼブブも眼鏡を直して冷静になる。
「貴方達は、一体・・・?」
 マガバッサーが驚いていると、電気のカッターが飛んでタイラントのウィップを切断してマガバッサーの拘束を解いた。倒れるマガバッサーの目の前に凛とした怪獣、エレキングが出る。
「魔王獣と言う名前の割には大して強くないのね・・・」
 開口一番に毒を吐くエレキングにマガバッサーは睨みながらも言い返せず、マガタの元へ駆け寄る。
「レッドキングさん、それにゼットンさんも!」
「人間界にいる仲間から大変なことになってるって聞いたから来てみたけどよ、思ったとおりだったぜ!まさかお前が暗躍してたなんてな!」
「ふふふ、またお前達か、少しは強くなったのか?まあいい、すぐに倒して私の下僕にしてやる」
 ザラガス、タイラント、ガルベロスが前進してきた。
「坊主、あいつとメガネかけた野郎は任せた。俺達があの三匹を止める!頼んだぜ!」
「うん!」
 レッドキングはザラガス、エレキングはタイラントに、そしてゼットンはガルベロスに向かって行った。マガバッサー達もレイバトスに再び戦いを挑む・・・。 続く・・・。

Re: ウルトラ怪獣擬人化オーブ ( No.87 )
日時: 2017/08/27 10:48
名前: たくと七星

「うおらあ!」
 レッドキングは回し蹴りをしてザラガスを攻撃した。回されるザラガスに岩を投げてぶつけ、飛びかかってのプレスで転ばせると、ブレーンバスターをして叩き付ける。
 タイラントがアロー光線を飛ばしてくるとエレキングはこれをかわし、カッターを連射する。タイラントがこれを吸収して跳ね返してきた。
「甘いわね」
 盾を前に出してこれを再び吸収して、威力を倍にして跳ね返す。ダメージを受けて怯んだ隙に走って尻尾型の剣でタイラントを連続攻撃する。タイラントが腕の鉄球で突きに出るとこれも盾でガードして電気をまとった拳をタイラントに叩き付ける。
 ガルベロスは火炎弾を連射してくるとゼットンはシャッターを張って防ぎ、テレポートアタックで不意打ちをする。ガルベロスが尻尾を振るうとジャンプしてキックを浴びせ、連続パンチをして攻撃する。
「しゃあああ、行くぜ!!!」
 レッドキングが連続してパンチを振るってザラガスを攻撃、アースクラッシャーをして大ダメージを与える。するとザラガスの体から無数に刺が生えて来て、レッドキング目掛けて突進してきた。
「レッドキングさん、危ない、逃げて!」
 マガタが叫ぶがレッドキングは逃げようとしない。ザラガスの刺がレッドキングの体に刺さる。鋭い刺が彼女の体に食い込んでいて、口からかすかに血が流れていた。
「やってくれるぜ・・・。けどな、俺はこれを待ってたんだぜ!!!」
 そう言うと体に刺さっている刺を引っこ抜いてしまった。その衝撃でザラガスが地面に転ぶ。
「行くぜ!」
 刺さっていた刺をザラガス投げて突き刺す。そして口からミサイルを飛ばして爆発させてザラガスを倒すのだった。
「へへ、肉を切らせて骨を断つだ!!!」
 そしてエレキングも剣をタイラントに突き刺してエネルギーを流し込む。タイラントはこれを吸収するが膨大になっていく量に遂に制限が効かなくなり爆発して消滅した。
 ガルベロスは分身を生み出してゼットンを取り囲む。しかしゼットンは落ち着いた表情を崩さず、ジャンプすると円を書くように火球を飛ばした。そして一体になった本体を見つけると、一兆度の火球を飛ばしてガルベロスを倒した。
「やるわね、彼女達に負けてられないわ!」
 三体の勇姿を見て奮い立ち、ベムラーは熱戦をゼブブの目に飛ばした。
「うぎゃあああ、目、目が、目が〜っ!!!」
 そしてマガバッサーとマガジャッパもレイバトスに本気になって戦いをする。
「たあああっ!」
 レイバトスに連続キックをして攻撃すると、マガジャッパが勢いのあるマガ水流を飛ばしてレイバトスを吹っ飛ばした。
「ぐうう、おのれ!!!」
 レイバトスシュートを飛ばしてくると、マガバッサーはジャンプしてかわし、回し蹴りをして怯ませてサマーソルトキックで牽制、レイバトスのパンチを掴んで、マガ嵐で宙に上げる。
「絶対に負けません!私を信じてくださるマガタ様のためにも!ここで、勝ちます!!!」
 かまいたちを嵐の中に飛ばしてレイバトスの体を切り刻んでいく。そして爆発が起こって嵐が止むとレイバトスの体は消えていた。
「やりましたわ!」
「やった!」
「お姉様、素敵〜ん!」
 マガタとマガジャッパはジャンプしてマガバッサーの勝利を喜んだ。
「マガタ様〜っ!」
 走ってマガタに抱きついて翼で包むとマガバッサーは少年のりんごのような赤い頬の頬ずりした。
「私、やりました。見てくれてましたでしょうか?」
「うん、凄くカッコよかったよ」
「ああ、褒めてもらえて嬉しいです。もっと褒めてください、私のマガタ様」
「ちょっと〜、お姉さまだけずるい〜ん、あたしもぎゅ〜ってする〜ん」
 マガジャッパが焼きもちを妬いてマガタを抱きしめようとする。それをレッドキング達が見ていた。
「うん、どうした、ゼットン?」
 ゼットンに視線を送ると彼女は何かを見ているようだった。
「どうしたんだよ、何かいるのか?」
「・・・・・来る!」
 マガタ達が目の前を見ると邪悪なオーラが出てレイバトスが現れた。だが先程の深いダメージで体はひどくただれていた。
「こいつ、まだ・・・!」
「ふっふっふ、あれほどの攻撃で敗れる私だと思ったか。甘い・・・。私は不滅だ。だが今の私はかなりダメージを負っている。今日の所は退いてやる。だが、忘れるな。私は必ずこの世界を、全宇宙を支配する。それを忘れぬことだな・・・」
 薄笑いをしてレイバトスは姿を消し、ゼブブも退散していった。
「行ったわね・・・」
「ああ、ひとまず切り抜けることは出来たな・・・」
「レッドキングさん、あのレイバトスは・・・」
「心配すんな坊主、あれぐらいボコボコにしたんだ。そうすぐには攻めてこないだろうさ。大丈夫だぜ」
 そう言って少年の頭を優しく撫でてやる。マガタも嬉しそうだった。
「あ、あの、貴方達はマガタ様の・・・?」
「うん、ああ、そう言えばお前等とは初対面だったんだよな・・・。悪い、話しとくよ」
 一難が去り、レッドキングはマガタに出会った経緯をマガバッサー達に説明するのだった・・・。

続く・・・。

Re: ウルトラ怪獣擬人化オーブ ( No.88 )
日時: 2017/09/03 18:00
名前: たくと七星

「手言う訳だ」
「ベムラーの時、マガタ様を助けてくださったのが貴女方なのですか?」
「いいや、別にそんなたいそれたことはしてねえよ。こいつに喝を入れてやっただけさ」
 マガタにはにかんで彼の頭を撫でて、なっと言ってあげた。
「ですが、マガタ様をお助けくださったことを感謝します」
「安い礼はいいわ。それよりも貴方達・・・」
「何でしょうか?」
 解らなそうな顔をするマガバッサーとマガジャッパ、二人を見てエレキングが言う。
「魔王獣でありながらあれしきの怪獣に苦戦するなんて、それでもその子の怪獣かしら?」
「エ、エレキングさん!」
 毒のある辛辣な台詞を聞かされて二人の魔王獣はエレキングを睨んだ。
「そんなことはありません!私達魔王獣はいつだってマガタ様のことをお守りし戦って勝利してきました!」
「そうよん!それにあのレイバトスだってあたしとお姉様が・・・」
「けれど、とどめを刺すほどでも無かった・・・。それに私達が来る前にあの三体の怪獣に押されていたじゃない。これでまだ自分は強いとでも?」
 エレキングの言葉は相手の心を棘で刺すように鋭く痛いものだった。けれども正論である。実際、レイバトスの召喚した怪獣達に自分達は苦戦を強いられていた。レッドキング達が来ていなければ負けていたのは明らかだった。何も言い返せず二人の魔王獣は口を塞いでしまう。エレキングはマガタの方を向いて切れ長の目をして言った。
「貴方、一つも変わっていないわね。強くなると言いながらも彼女達を使いこなしていないじゃない。貴方には荷が重すぎたかしら」
「やめてください、マガタ様を悪く言うのは。マガタ様だって一生懸命頑張って・・・マガタ様?」
 少年がそれ以上は言わなくていいよと目で伝えたためマガバッサーは口を塞いでしまった。
「そうだよね、僕はまだ未熟です。でも、今はまだ弱くても皆を守りたい気持ちはあるんだ。僕、もっと強くなって皆を守れるようになるから・・・」
「意気込みだけは買うわ」
「おいおい、もうピリピリするのはよせよ。と言う訳だ、坊主、後のことは俺達に任せておけよ」
「え、でも」
「心配すんなって。レイバトスのことは俺達が追いかけておく、お前は仲間の元に帰ってゆっくり休めよ」
「うん、解った。ありがとう、レッドキングさん」
「あ、そうだ。俺達と会ったことはアギラ達には内緒にしておいてくれよ?約束な」
「もちろん、秘密にするね」
「へへ、あんがとよ。じゃあ俺達は行くぜ」
 穏やかな笑みをしてレッドキングはマガタ達に手を振り、エレキング、ゼットンと共にレイバトスを追い掛けていった。
「さあ、帰ろう。皆が心配してるよ」
「はい、そうですね。ではマガタ様、マガグランドキングやアギラさん達の元へ帰りましょう」
「そうね、ノーバ達も待っているわ」
「マガタくんの前向きな姿、素敵ん!あんな電気娘の言葉なんか吹き飛んじゃったわ」
 主人の少年を抱えて羽ばたき、マガバッサー達はその場を後にするのだった。そしてアギラ達のいる山の秘密基地に帰り着いた。
「マガタくん!」
「マガタくんが帰ってきた!」
 アギラとミクラス、そして仲間の怪獣達が少年に駆け寄った。
「どうでした?」
 ウインダムが身をかがめて聞く。マガタはレイバトスとの戦いのことを話した。
「と言う訳で完全には倒せなかったけど、何とか退けることは出来たんだ」
「それは良かったね」
「奴とはいずれ決着はつけなきゃいけないだろうけどまずはあんたの無事を喜ぶべきだね」
「そうね、けど・・・」
 そう言うとシェパードンはある者に目を向けた。そこには黒く汚れシャフトとブレードはちぎれ、アームも失ったギャラクトロンがいた。一斉に視線を向けられてギャラクトロンは震えだす。
「このロボット、どうするの?」
「また暴れるかもしれないから完全にくず鉄にしちゃおっか?」
 ケルビムが言うとテレスドンは腕を振り回してギャラクトロンを攻撃しようとした。
「ひ、ひいい、やめて!やめてください!もうリセットなんてしませんし、貴女方を攻撃しようなんて思いませんから、命だけは、命だけは!」
「ざけんなよ、都合が悪くなったらアタイ等にすがろうなんざ虫がよすぎるんだよ!」
「ひいいいいいいい、いやあああああああ!」
 マガ閃光を飛ばそうとするとギャラクトロンは情けない悲鳴をあげる。
「待って!」
 その時、マガタがギャラクトロンの前に出てかばう仕草をした。
「マガタ様!」
「マガタ?!」
「もういいでしょ、許してあげよう!」
「何言ってるのよ、そいつはあたし達を消そうとしたのよ!今はそう言っててもいつかは裏切るに違いないわ!」
「すみませんが後後のためにもここは・・・」
 ザンドリアスとウインダムが言うがマガタは首を横に振り、必死で説得しようとした。
「皆の気持ち、解るよ。この人、本当にひどい人だけど、もう大丈夫だよ。皆が強いの解ったから、もう攻めて来ないよ!だから、許してあげて・・・」
 そう言う少年の瞳は潤んでいた。それを見てアギラが言う。
「皆、あの子の言う通りにしよう」
「え、正気なの!」
「あの子は異なる者でも理解し合える世界を望んでいる。そしてあのロボットを許して受け入れようとしているんだ。大丈夫、あの子のことを信じてあげよう」
「ま、まあ、あいつが言うなら仕方ないわね・・・」
「あたし達も鬼じゃないしね」
 ザンドリアスとミクラス、他の怪獣達もマガタの願いを受け入れることにした。
「取り敢えず言っとくけど、あんた、本当にこの世界をリセットなんてしないね!」
「はい!はい!」
「マガタが言うんだ。許してやるよ。けど、アタイ等は完全に信じたわけじゃないさ。信用されたいならあんたのこれからの態度を見せてご覧」
「はい、もちろんです!これからは皆さんと仲良く出来るよう励んでいきますので!」
「良かったね、ギャラクトロンさん」
「はい!ありがとう、本当にありがとう!」
 ボロボロになったギャラクトロンをシェパードン、ムゲラ、デバンが治癒して元に戻してあげるのだった・・・。

続く・・・。

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