官能小説(オリジナル18禁小説)

ウルトラ怪獣擬人化オーブ
日時: 2017/04/30 15:04
名前: たくと七星

 皆さん、またお会いします、たくと七星です。今回もこのサイトで新しい小説を書いていきたいと思います。これから書く物語は私も大好きなウルトラシリーズ、その怪獣をメインにしたお話です。

<大まかな概要>
 舞台は現在放送されている新作のウルトラマン、「ウルトラマンオーブ」(2016年12月に放送終了)の世界観、復活した魔王獣や怪獣が倒されてから数年、数十年、数百年なのかは置いとくとして、オーブのその後のストーリーとして描きます。そこでは怪獣達が擬人化して人間社会に溶け込んでいて、または自然で暮らしていたりするものもいて、ひょんなことから主人公が魔王獣の封印を解いてしまい、その魔王獣からある物を渡されて、人と怪獣の絆の架け橋となって自分だけのハーレム・・・ではなく、怪獣軍団を作っていくと言うストーリーにしてみたいと思っています。
 ウルトラシリーズのファンも見ていただけたらなと言う淡い期待を持ちつつも書いていこうと思いますのでよろしくお願いします。

<登場人物紹介>

・王武マガタ
 本作の主人公。おとなしくて控えめな優しい少年。ある時、不思議な声に導かれてある神社に足を運び、そこで魔王獣の封印を解いてしまう。

・マガバッサー
 かつて突風を巻き起こして人々を恐怖に陥れた風ノ魔王獣。マガタが封印を解いたことで現世に蘇ってしまう。マガタが最初に手にすることになる怪獣。魔王獣だが、かつて恐れられていた恐ろしさは控えめになっており、むしろマガタに怪獣の知識を与えたり、サポートしたりと献身的で優しい性格になっている。額にはマガクリスタル、鳥の皮膚の手先足先、羽をはやしているが、胸や秘所をギリギリ隠した際どい裸に近い格好をしている。魔王獣であるがベジタリアンで野菜と果物が好物。肉や魚は生ものが血の色をしていて怖いと言うことで苦手である。そのため野菜と果物の料理しか作れない。イメージは妖鳥シレーヌとウルトラマンコスモスのリドリアス(性格面)


・江戸川アキコ
 マガタの友達の女の子。竹中淳と西条一平と常に一緒にいる明るく行動的な性格。一人ぼっちなマガタを心配したりかばってあげたりとお姉さん的な面が強い。名前は「ウルトラQ」の江戸川由利子と「ウルトラマン」のフジアキコ隊員から。


・竹中淳
 アキコ、一平と行動している、子供ながらも冷静で知識のある少年。面倒見のある性格で一平からは兄のように慕われていて、マガタのことも気にかけている。名前は「ウルトラQ」の万城目淳と「ウルトラセブン」のタケナカ参謀から。


・西条一平
 アキコ、淳と常に一緒な明るくひょうきんな少年。愛嬌があって気の優しい性格で淳のことを兄のように慕い、アキコのことも気にかけている。名前は「ウルトラQ」の戸川一平と一平を演じた役者さんの名字から。


・嵐シゲル
 マガタのクラスメートの一人。子供とは思えない力自慢で義理人情に熱い。名前は「ウルトラマン」のアラシ隊員と「ウルトラセブン」のフルハシ隊員の本名、シゲルから。


・伊達ミツヒロ
 マガタのクラスメートの一人。シゲルと常に一緒にいる明るく陽気でおっちょこちょいな少年。名前は「ウルトラマン」のイデ隊員の本名、ミツヒロと「ウルトラマンマックス」のダテ博士から。

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14



Re: ウルトラ怪獣擬人化オーブ ( No.49 )
日時: 2017/04/02 17:44
名前: たくと七星

 晴れ渡る降星街をマガタはマガバッサーを連れて元気よく歩いていた。だがよく見ると、マガバッサーは少し元気がない様子だった。
少年は何があったのだろうと首をかしげるが、彼女の真意を読めずにいた。
「マガタ様・・・」
「なあに?」
 風ノ魔王獣は悲しげながらも美しく光る瞳で少年に話した。
「決して、私のお側を放れないでくださいね。そうでないと、貴方をお守りできませんから・・・どうか、私の近くにいてくださいね・・・」
「う、うん・・・」
 そう言う風ノ魔王獣は悲しく、憂えた顔で少年にお願いする。少年はマガバッサーの言葉に戸惑いながらも返事をする。
「あっ!」
 すると、足元の空き缶を踏んで転んでしまい、足を地面にぶつけてしまう。
「マガタ様!大丈夫ですか!」
 マガバッサーが少年の目線に合わせて座った。
「お怪我はありませんか、マガタ様!」
「あ、大丈夫だよ、これぐらい・・・」
「いいえ、よくありませんわ。よく見せて、ああ、こんなに腫れて・・・」
 風ノ魔王獣が見ると、少年の膝が赤くなっていた。持っていた消毒液で汚れを取り、布を巻いて怪我がひどくなるのを防ぐ。
「ごめんなさい、ごめんなさいマガタ様。私がちゃんと見ていないばかりに貴方様に怪我を・・・」
「いいんだよ、こうなるのは仕方がない、それにこれぐらいの怪我をしても僕、へっちゃらだよ」
「そうだと、いいのですが、あの、マガタ様・・・・」
「なあに?」
「私、マガタ様のお役に立っていますか?」
「そんな、ちゃんと役に立ってるよ。だって、危ない時はいつも助けてくれて、僕を可愛がってくれて、僕、凄く幸せだよ」
 少年が偽りのない正直な思いを言うと、マガバッサーは少し救われた気持ちになった。
「ありがとうございます、マガタ様。そのお言葉を頂けただけでも嬉しいです。私、マガタ様の下僕として、精一杯懸命に尽くしますね。そして、貴方様を守っていきます」
「うん、じゃあ、行こう」
 少年に手を差し出されてマガバッサーは微笑みを浮かべて手を繋いだ・・・。


「今日は絶対に言うわよ!」
 一方、別の場所ではアキコが何かを決意した顔をしていた。
「どうしたのアキちゃん?」
「そんな強い眼差しをして、あ、解った。ダイエットしていい彼氏を・・・」
「そんなんんじゃないわよ!」
 一平がどうしたのかと驚き、ミツヒロが茶化すと、アキコはムスっと怒ってこう言った。
「マガタくんのことよ!」
「マガタくん?」
 一平が言うとアキコは今まで溜め込んでいた気になることを一平と淳、ミツヒロとシゲルに話した。
「この前のマガタくんだけど、年上の女子高生さん達と一緒だったわよね、あの人達、一体何なのかしら?もしかしたらマガタくん、何か弱みを握られているんじゃないかと思うの」
「ええ、そんなまさか?」
 アキコが真剣になってマガタの変化についてを言って、一平達はそんなはずがないと否定する。一方、淳は歩道橋で何かを見つけた。そこにいたのは・・・、
「アキコちゃん、マガタくんがあそこに」
「あ、噂をすれば。ありがと淳ちゃん、早速聞いてこなくちゃ」
 彼女は歩道橋の方へと走っていく。淳や一平達もその後を追い掛けていった。そして、
「マガタくん!」
「うん、アキコちゃん?!それに、皆も・・・」
 アキコはマガタに正面から声をかけた。何をそんなに真剣になっているんだろうと不安になる。
「マガタくん、どうしても聞きたいことがあるの」
「聞きたいことって・・・?」
 マガタが言うと、アキコは単刀直入に言った。
「マガタくん、私達に何か隠していることがあるんじゃないの」
「いや、別に隠していることなんてないよ・・・」
「嘘よ、絶対に何か隠してる!」
「どうして、解るの?」
「顔や態度を見れば解るわ!」
「うう・・・」
「私見ちゃったのよ、マガタくんが女子高生の人達とイチャイチャしちゃってるのを!」
 アキコが必死な表情で見てしまったあの光景をマガタに話した。見られていたことに気付いてマガタとマガバッサーは苦笑いをする。
「あの人達は何なの、もしかしてマガタくん、何か弱みを握られて非道いことをされてるの。私達、友達でしょ、悩みがあるなら言ってみて!」
 彼女の言葉には友達の事を思う故の優しさがあった。けれどもあの人達の正体が怪獣だなんて言うことは出来ない。でも、秘密にしていたままではあらぬ疑いをかけられてしまうかもしれない。マガタはどうすればいいか解らなかった。その時、
ドカーン!!!」
 突然、空から青い火の玉が飛んでビルに当たった。砕けた破片が歩道橋に降り注ぐ。
「きゃああ!」
「皆、伏せろ!」
 淳の言葉で全員が頭を抱えて伏せる。近くにいた人々がパニックになって悲鳴を上げていた。すると、何かが歩いているのが見え、人々が怯えて逃げていく。マガタ達が起き上がると、目の前で火の玉を飛ばした正体が明らかになった。
「な、何だあの人は?!」
 一平達は動揺していた。不気味な笑みを浮かべて何かを手にして歩いているその相手は、水色の髪に褐色の肌、ピッチリとしたスーツに細く鋭い足とスリムな尻尾、
「始めまして、王武マガタくん・・・そしてさようなら・・・」
 その怪獣は手から熱戦をマガタ目掛けて飛ばして来た。
「マガタくーーーーん!」
「う、うわあああああああ!」
 すると美しい青髪のマガタの側にいた彼女が駆け出してその姿を変えた。人型から美しく心優しい風ノ魔王獣に姿を変え、翼を盾にしてその熱戦から少年を守った。
「マガバッサー!」
「大丈夫ですよ、マガタ様・・・はっ!」
 マガバッサーがあることに気付く。怪獣の姿を主である少年、その友達に自分の正体を見られてしまったことを。
「え、どうなってるの?!」
「おいおい、まさか、こんなのってありかよ!」
 一平とシゲルは戸惑い、ミツヒロは呆然としていた。しかし淳は変わらず冷静だった。アキコは驚きと戸惑いに満ちていた。
「そ、そんな、あの禍葉さんが・・・怪獣だったなんて・・・!」
「ああ、その、これは・・・」
「どうしたの、怪獣なのだから不気味がられるのは当たり前じゃない?それとも、人間に情が湧いて自分の本当の姿を見られて心に傷でも出来たのかしら?」
 動揺するマガバッサーを宇宙怪獣は嘲笑する。
「お姉さんは、誰?!」
「ふふ、私はベムラー。悪魔のような怪獣と人は呼ぶわ。貴方達は覚えているかしら。この街で怪獣達が暴れていたことを?」
「そうだけど、まさか・・・!」
 少年が察すると、ベムラーがニヤリと笑う。
「そうよ、彼女達を暴れさせたのはこの私、この人間界も私達の物にするために、でも貴方達が邪魔をしたせいで計画が狂ってしまったわ。それよりも、これを見てくれるかしら」
 ベムラーがある物を取り出した。それはシルバーブルーメから渡されたあの鉱石だった。
「どう、見て。美しく輝いているでしょう!これは身に着けるものの生体エネルギーを吸い取る鉱石、ヤセルトニウム。こんなに輝いているのは、人間達と仲良くする愚かな怪獣達をさらってはそのエネルギーをこれに吸い取らせていた分のエネルギーがここに溜まっているからよ。これを私に使えばこんなことだって・・・!!!」
 宇宙怪獣は不気味に笑いその鉱石を頭上に掲げた。ヤセルトニウムが怪しく光り、ベムラーを包んでいく。やがて激しい衝撃が響き、
「ほほほほほほっ、おーっほほほほ!!!」
 ベムラーが高笑いをして姿を見せた。だがどこか違う。頭には青く光る角を着けていてボディも青みがかっていた。
「これが、強化された私の姿、まずは計画の邪魔になる貴方達を消してあげるわ!」
 ベムラーが高速で迫ってくる。
「そうはさせません、私が貴方の野望を止めてみせます!」
「マガバッサー、僕も一緒に!」
「大丈夫、私だけでも、ベムラーを倒してみせます。たあっ!」
 美しい風ノ魔王獣が羽ばたき、強化されたベムラーに向かって行った・・・。


続く・・・。

Re: ウルトラ怪獣擬人化オーブ ( No.50 )
日時: 2017/04/09 15:52
名前: たくと七星

 地を蹴り、飛び立つ悪魔と魔王獣は互いに組合って着地しる。ベムラーのひっかきをかわし、マガバッサーは回し蹴りをしたがベムラーはこれをかわして、パンチに出ると、これを翼で防いだ。ベムラーにチョップに出たマガバッサーだが、ベムラーはその腕を掴んで振り回し、マガバッサーがバランスを崩した所で飛び蹴りをした。
「きゃあ!」
「マガバッサー!」
 転んだ魔王獣は傷つきながらも立ち上がる。マガタとアキコ達が心配していた。
「この程度?魔王獣と言う割には大したことないのね」
 指差しで薄笑いをしながらベムラーが嘲笑った。
「く、これしきのこと、何ともありません・・・!」
「あら、強がって。すぐに消してあ・げ・る・・・」
 強化ベムラーは両手に青い火花を散らして熱戦を飛ばして来た。マガバッサーは翼を盾にしてこれをガードした。続けて熱戦を飛ばしてくると翼をたなびかせてこれをかわしていく。
「マガバッサー、あれを!」
「はい!」
 竜巻を飛ばすマガバッサーだが、ベムラーは不気味に笑みを浮かべて前かがみになった。
「は・・・!」
 予想していなかったことが起きた。ベムラーは角でその竜巻を吸収したのだ。
「ふふ、エネルギーを頂いたわ、お礼よ!」
 角が光りだし、火花が禍々しくほとばしってベムラーはペイル熱戦を強化したハイパーペイル熱戦をマガバッサーに放って来た。マガバッサーは翼で防いだが、熱戦の威力は凄まじく翼が開かれて風ノ魔王獣の体に命中してしまう。
「きゃあああああああ!」
 風ノ魔王獣は吹っ飛ばされて地面に叩き付けられた。息を切らして動けない魔王獣にベムラーが迫ってくる。
「あいつ、強い!」
「どうしよう、このままじゃあ禍葉さんが・・・・」
 悪魔の怪獣の強さに一平、アキコ達が心配になる。マガタは何とかしようと仲間の怪獣を召喚させた。
「皆、マガバッサーを助けて・・・!」
『セット完了!アギラ、ウインダム、ミクラス、ゴモラ、ザンドリアス、ケルビム、召喚!』
 六体の怪獣がリングから光と共に出現し、マガタ達を守るように降り立った。
「お待たせ、マガタくん」
「アギラさん、ベムラーが・・・」
「解ってる、大丈夫だよ、僕達が何とかする」
「あたし達がくればもうこっちのものよ!」
「さあ、行きますよ!」
 アギラ、ウインダム、ミクラスと怪獣達がベムラーに向かっていく。
「あら、随分多く従えてるのね。楽しめそうだわ」
 アギラがパンチをするが、ベムラーはこれを避けて尻尾を振るってアギラを転ばせた。ミクラスが突進したがジャンプして連続キックをするベムラーの攻撃を受けて尻餅を着いた。
「うおりゃああああああ!」
 ザンドリアスが飛びかかったが、ベムラーはジャンプしてよけ、ザンドリアスは狙っていた相手を失い地面に盛大にぶつかってしまった。
「はあっ!」
 上空からベムラーは熱戦を連射してくる。
「うわあ、来たよ!」
「避けるゴモ!」
 ミクラス、ゴモラ達は爆風に巻き込まれながらもこれを避けていった。
「喰らえ、超振動波ーーーーっ!」
「レーザーっ!」
 ゴモラとウインダムが光線技を飛ばしたが、これもベムラーの角に吸収されてハイパーペイル熱戦が飛んで来た。
「きゃああああ!」
「うわああ!」
 凄まじい爆発がして、アギラ達は大ダメージを受けてしまう。ベムラーは青い球体を生み出してそこに入り、高速に動いてアギラ達に体当たり攻撃をする。素早く動いてぶつかってくる球体にアギラ達六体の怪獣は翻弄される。
「こうなったら、私が何とかしてみせるわ!」
 ケルビムが立ち上がり、体を回転させて宙に浮くとベムラーの球体に体当たり攻撃をした。空中に舞い、回転するケルビムとベムラーが激しくぶつかり合う。
「中々、芸達者じゃない、でもまだまだよ・・・」
 ベムラーが指を鳴らすと、球体が熱戦を飛ばして来た。
「きゃああ!」
 ケルビムは直撃して落ちてしまう。ベムラーはマガタとアキコ達に狙いを定めると、彼等に目掛けて熱戦を飛ばして来た。
「うわあああ、来た!」
「きゃあああああ!」
 思わず目をそらしてうつ伏せになるアキコ達。マガタは友達を守ろうと更に怪獣を召喚する。
『ローラン、シェパードン、バル、ホー、ベムスター、召喚!』
 五体の怪獣が登場して、シェパードンはバリアーを張って、マガタの友達を熱戦から守った。
「あ、あれ・・・」
 一平達は自分達が無事だったことに驚く。見上げると、五体の怪獣達がベムラーから自分達を守っているのが解った。
「この子達は私達が守るわ!」
 シェパードンとローラン、バルとホーが盾となり、ベムスターがベムラーに角からビームを連射した。しかしこれも角で吸収されてしまう。
「お、あたしの他にも吸収する奴がいるんだ」
「随分、余裕じゃない。お返しよ!」
 ベムラーが高速のハイパーペイル熱戦を飛ばして来た。ベムスターは既の所でかわしたが、バランスを崩し、そこへベムラーの尻尾攻撃が飛んでダメージを受けてしまう。しかしすぐに立ち上がってベムラーに前進、ベムラーが飛ばす熱戦を避けていき、そして腕で弾き飛ばし、また飛んでくる熱戦を腹部の吸引口に吸収して跳ね返すとベムラーもこれを吸収して返すと、ベムラーも吸収して再び飛ばした。
「ふん!」
 ベムラーは素早く動いてこれをかわした。ジャンプして切り裂きに出ると、ベムスターはその腕を掴んで背負い投げをして転ばせる。
「ベムスターさん、頑張ってる・・・」
「僕達も、いつまでも伸びてるわけにはいかないゴモ・・・!」
「早くあたし達も戦わなくちゃ・・・!」
 ベムスターの善戦ぶりを見てアギラ、ゴモラ、ミクラス達が立ち上がる。マガタもそれを見てフュージョンアップに映ろうとした。しかしベムラーはそれを見逃さなかった。舌舐りをするとマガタ目掛けてハイパーペイル熱戦を飛ばした。
「マガタくん、危ないーーーっ!」
 バルが叫んでマガタは逃げようとしたが爆発に巻き込まれてしまう。
「うわあああああああ!」
 少年は吹き飛ばされて、下のほうへと落ちていった。その光景をようやく起き上がった風ノ魔王獣は見てしまった。
「ああ、マガタくんが、いやああああマガタくーーーーーん!」
 少年の友達である少女は悲鳴を上げ、一平、ミツヒロ、シゲルが絶望の顔を浮かべ、淳は苦悶の表情をする。
「マガタくん!」
「そんなあ、ひどいゴモ!」
 アギラとゴモラ達は絶望する。
「マガタ、様・・・・・。そんな・・・・・、いや、いや、嘘よ・・・・いや、いやあああああああああああ!!!」
 マガバッサーの悲痛な涙が、悲鳴が虚しく響き渡った・・・。


続く・・・。

Re: ウルトラ怪獣擬人化オーブ ( No.51 )
日時: 2017/04/09 17:09
名前: たくと七星

 降星街は危機に陥っていた。街では怪獣達が暴れ回り、人々は恐怖に怯えて安全な場所へ避難していて、人影はなく、もはや怪獣達が傍若無人に破壊を尽くす無法地帯になっていた。しかし、それをよしとしない存在がいる勢力がいた・・・。
「ひどい有様だわ、街が滅茶苦茶よ・・・」
「ああ、奴等、好き勝手に暴れている・・・・」
 荒れた街並みをガーディーとブラックキングが見ていた。破壊された街にガーディーは心が痛む気持ちになった。
「おーい、ガーディー、ブラックキングーっ!」
 二人の仲間と思われる怪獣達、スカイドン、シーボーズ、バードン、ペギラ、ブリッツブロッツ、メトロン星人、ぺガッサ星人が駆けつけて来た。
「皆、どうだった?」
「ええ、どこもかしこも、奴等が暴れている・・・」
 バードンが静かな口調で言った。
「ああ、まさに恐怖と絶望のカウントダウンが始まったと言っていいだろう」
「どこも荒れ果ててるわ。私の好きな降星街が、こんな・・・」
 メトロン星人が降星街が危機に瀕していることを話し、シーボーズが街が荒らされたことを涙した。
「デスガ、このままにしていいはずがありまセーン!」
 ペギラが小さな体を弾ませて言う。
「そうね、だから私達が動かなくちゃ、先輩達だってきっと」
 ガーディー達が奮い立つ中、ブリッツブロッツが何かに気付いた。
「どう、した・・・?」
「あそこに、誰かが倒れています」
 ブラックキングが聞くと、ブリッツブロッツは向こうにあるがれきの中に誰かがいることを話した。
「もしかして、逃げ遅れて怪我した人かな?」
 スカイドンはあくびをこらえ、真剣な顔をして言う。
「それじゃあ、放っておくわけには行かないじゃないですか?!」
「皆、私達で行こう!」
 ぺガッサ星人が言うと、ガーディー達はその場所へ走り出した。そこでは、
「大変、子供が瓦礫の下敷きになってる!」
 瓦礫に埋もれて動けない少年、王武マガタが気を失っていた。
「ねえ、大丈夫?!君、しっかりして!ねえ!」
 ガーディーが懸命に声をかけて少年を目覚めさせる。
「う、ううん・・・」
 声が届いて少年が目を覚ました。怪獣達が良かった、と安心した。だが、少年は警戒する。
「だ、誰・・・?」
「大丈夫よ、怖がらないで。私達は味方よ」
 ガーディーは優しい笑みをして少年に敵意がないことを伝えた。
「味方?」
「はい、悪い怪獣もいますけど、私達のようないい怪獣もいるのデース!」
「今、この街を攻撃しているのはベムラーとその配下の怪獣達だ」
「私達はこの街を守るために戦っているのです」
 ペギラ、メトロン星人、ブリッツブロッツが自分達は降星街を守るために人間界に来たことを言った。
「さあ、今、助けてあげるわよ・・・」
 バードンが言うと、ガーディー達は瓦礫をどかそうとした。
「待ちな!!!」
 そうしようとしたその矢先、突然、大声が響いた。ガーディー達が振り向くとそこにいたのは、
「レッドキング先輩?皆、レッドキング先輩よ!」
「それにエレキングさん、ゼットンさんも!」
 ガーディー、ブリッツブロッツが驚く。彼女達の目の前にはあのレッドキング、エレキング、ゼットンの三人組だったからだ。彼女達にとっては雲の上のような憧れの存在。その三人がやって来たのだ。
「お前等、手え出すな、助けるなよ」
 レッドキングは厳しい口調をして仲間の怪獣達に少年に助けるようなことをするなと言った。
「え、でも先輩・・」
 ガーディーがこのままでは少年を助けられないと言おうとしたがブラックキングが止めた。止めなくても、と言うガーディーにあの三人に何か考えがあるかもしれないと、瞳で伝える。ガーディー達が頷くと、レッドキング等三人は瓦礫に埋もれて動けない少年に近寄った。
「ねえ、助けて・・・助けてよ・・・」
 少年は涙を流して哀願してきた。
「駄目よ、自分で何とかしなさい」
 エレキングは突き放すように言う。ゼットンは何も言わず少年を見据えていた。
「でも僕、体に瓦礫がたくさん乗ってて動けない・・・」
「ひとーつ、他人の力を頼りにしないこと!!!」
 少年が言おうとした矢先にレッドキングが少年に意味深な言葉を投げた。
「坊主、お前、男だろう?」
「う、うん、そうだよ・・・」
「男だったらな、人に頼ろうなんざ考えねえで自分の力で何とかしようって気概を持ちやがれ!坊主、お前は男だろう、男ってのは孤独なんだ。強くなるためにも人に甘えちゃいけねえし、弱さを見せちゃいけねんだ。そして誰かを守ってやらなきゃなんねえ。だから坊主、人に依存しないで自分の考えで自分の力で生きれる人間になれ。そうじゃなきゃ、女にモテねえぜ。さあ、自分の力で抜け出してみろ。俺達がちゃんと見てやるから」
 レッドキングは少年に自分の力で瓦礫から這い出てみろと言った。厳しいながらも相手を思う優しさがある言葉に突き動かされて少年は覚悟を決め手動き出す。
「うん、うううん・・・」
 歯を食いしばりのしかかる瓦礫の重みに耐えて、必死で抜け出そうとする。しかし、思うように抜け出せない。
「先輩、やっぱり私達が・・・」
「いいからこいつにやらせるんだ!」
 ガーディーが見ていられず助けようとするもレッドキングはそれを止めた。
(坊主、お前は男だ。男は一人で戦うんだ、自分自身と戦うんだ・・・)
 心の中で、男勝りの彼女は呟く。そうしていると、少年の体が少しだけ瓦礫の中から出てきた。マガタは必死に抜け出そうとする。
「頑張って・・・」
「もう少しよ・・・」
 ガーディー、シーボーズ等怪獣達が応援する、そして、遂に少年は抜け出すことに成功して起き上がる。
「やったーーーーっ!」
「偉いぞ君」
「よく頑張りましたネーっ!」
 怪獣達は少年に駆け寄り、見事に脱出した少年を褒めた。少年が照れ臭そうにしていると、
「よく頑張ったぜ坊主、やれば出来るじゃねえか」
 レッドキングは先ほどの厳しい顔付きから優しい微笑みで少年、マガタの頭を大きな拳で優しく撫でた。
「怪獣さんのお陰で僕、ありがとう・・・」
「いいんだよ、礼なんて、俺は何もしてねさ」
「怪獣さん達はいい人達なの?」
「ああ、もちろんさ。俺はレッドキング。でここに居るのはエレキングとゼットン。そして俺を慕う連中さ。この街がとんでもないことになってるってこいつらから聞いて駆けつけてみたが、かなりひでえことになってる見てえだな。坊主、お前は?」
「僕は、王武マガタ、あれ?」
 マガタはあることに気付く。
「ない、ない。カードホルダーがない!」
 いつも持っているはずの怪獣カードの入ったホルダーが無いことに気付いた。
「探し物は・・・、これかしら・・・」
 珍しくゼットンが口を開いた。そして手に持っている物を少年に見せる。それは紛れもなくマガタのカードホルダーだった。
「それ、僕の、見つけてくれたの?」
 マガタの言葉にゼットンは静かに頷いた。マガタが返して欲しいと頼むが、ゼットンは何故か渡そうとはしなかった。不思議がる少年にレッドキングがこう言った。
「待った坊主、そのホルダーだけれどよ、そう簡単には返してやれねえな」
「何で?」
「ちょっとお前に試験をするぜ。何、そんな難しいことじゃないさ。ちょっとお前の度胸って奴を見てえんだ。坊主、今から言う俺の言葉に素直に答えろ」
「う、うん」
 マガタが頷くと、レッドキングはこう投げかけた・・・。


続く・・・。

 

Re: ウルトラ怪獣擬人化オーブ ( No.52 )
日時: 2017/04/09 19:48
名前: たくと七星

「坊主、お前、これから先の戦いに勝ち抜いていくって覚悟はあるか?」
「覚悟?」
 覚悟を問われたことにマガタは戸惑った。これまで幾度か戦いの場面はあったが、先を見据えた先のことなど深く考えたことなどなかったからだ。
「まさか、戦う覚悟も無しで引き受けたなんて言わないでしょうね?」
 エレキングが鋭い視線で見つめてくる。
「それは・・・」
「坊主、お前の持ってるリング、それからこのカードで怪獣と人間の絆の橋渡しになるんだよな。けどな、その道は坊主が思ってるほど簡単な道じゃねえんだ。色んな問題があるんだ。それを乗り越えなくちゃなんねえ、それにこれから先、戦いはもっと激しくなると思うぜ。坊主、お前にこれからの戦いを勝ち抜いていく覚悟は、あんのか?」
「・・・・・・」
 マガタは黙り込んでしまう。事態は自分が思っていたよりも大きくなっていたとは思ってもみなかった。ベムラーが強化されたことで今までよりも厳しく苦しい戦いが待っているかもしれない。自分にそれに耐えて、勝ち抜いていく覚悟があるのだろうか。不安と重圧に押しつぶされそうになる。すると、ゼットンがマガタの肩をポンと叩いた。
「ゼットンさん?」
「難しいことじゃない・・・。自分の思いを、正直に言えばいのよ・・・」
 静かに、優しく笑みを浮かべる宇宙恐竜にマガタは何かに気付かされた気持ちになり心が和らぐ気分がした。
「さあ坊主、覚悟はあるのか、ないのか!」
 どくろ怪獣が真正面から聞くと、少年ははっきりと言った。
「あるよ、僕にも覚悟はある!」
「何〜、覚悟があるだと、チビのくせにかーーーーっ!」
 マガタの言葉にレッドキングは怒号を響かせた。怒られるのか、と少年は不安になったが、どくろ怪獣はすぐに歯を見せて笑い顔を作り、少年の頭を優しく撫でた。
「偉いぜ坊主、合格だ」
「え?」
「お前の覚悟、確かに俺達に届いたぜ。そうだよ、どんなことにもそれを乗り越える覚悟と度胸が必要なんだ。お前はそれをちゃんと持ってる。いいぜ、ほら、これ返してやるよ」
 ゼットンからホルダーを受け取ると、レッドキングはそれをポンと投げてマガタに渡した。
「ありがとう」
「いいんだよ、困った時はお互い様さ。そうそう、中のカードをちょっと見せてもらったぜ。お前、ミクラスやゴモラ、ザンドリアス達も仲間にしてるじゃねえか」
「ミクラスさん達を知ってるの?」
 少年が驚くとレッドキングは笑顔で頷いた。
「ああ、あいつらは俺ん所で修行し合ったいい後輩、そしてザンドリアスは俺の一番弟子さ」
「そうなんだ」
「さ、坊主、早く行って来いよ。仲間がお前の助けを待ってるぜ。俺達のことは心配ないさ」
「はい、本当にありがとう、レッドキングさん!」
 マガタは怪獣達に感謝して仲間達のいる場所へ行こうとした。
「あ、ちょっと待った!」
 するとレッドキングが突然待ったをかけた。
「坊主、俺達と会ったことは、あいつらには言わないでくれるかい?」
「うん、解ったよ」
 マガタはレッドキングの頼みを受け入れた。すると、ゼットンは空を見上げながら少年に言う。
「人生は・・・一期一会・・・」
「え?」
「あの子達のこと・・・大事にしてあげて・・・私にとっても大切な子達・・・」
「うん」
 少年はゼットンの言葉を受け止めて、決意を胸に仲間の元へ走っていった。
「頑張れよ、坊主・・・」
「随分、あの子供の肩を持つのね」
 エレキングが言うと、レッドキングは鼻を擦って照れ臭そうになった。
「まあ、何て言うか、あの坊主を見てるとあいつらのことを思い出しちまってさ。放っておけねえんだよな・・・」
 レッドキングの言葉にゼットンも同感だと静かに頷いた。
 マガタは走る。ホルダーを開けてマガグランドキングのカードを取り出した。彼女の声が聞こえてくる。
(マガタ、アタイを使いな。遠慮はいらないよ、さあ!)
「僕は皆を助けたい、力を貸して!」
 マガグランドキングのカードをリングに読み込んだ。光から土ノ魔王獣が出現する。


ドカーン!!!
 凄まじい爆音が響いた。マガバッサー、アギラ、ウインダム、ミクラス、ゴモラ、ザンドリアス、ケルビム、ホー、ベムスターが吹っ飛ばされた。
「ああ、皆が!」
「このままじゃ、私達やこの子達も・・・」
 バルやローランも次は自分とマガタの友達達が狙われるかもしれないと覚悟を決めた。
「もう終わりかしら?どれだけ来ても、私には勝てない。絶望しながら消えなさい!」
 ベムラーがとどめにハイパーペイル熱戦を放った。
(ああ、結局私は・・・大切な人を・・・、マガタ様を守れない・・・。マガタ様・・・、やはり私は・・・)
 絶望に沈み涙が流れる風ノ魔王獣。アギラ達も覚悟を決めたその時、
「はあっ!」
 誰かが目の前に立ち、ハイパーペイル熱戦をマガバッサー達から防いだ。
「あ、貴方は・・・」
「土ノ魔王獣さん?!」
 アギラ、ミクラス達は驚く。目の前にいたのは土ノ魔王獣、マガグランドキングだったからだ。
「貴方・・・」
「立ちな」
 土ノ魔王獣は風ノ魔王獣に手を差し伸べた。マガバッサーはその手を掴んで立ち上がる。
「何度でも言うよ。アタイ達は仲良しじゃない、けど、あの子のためなら力を合わせてもいいんじゃないかい」
「え?」
「マガバッサー、皆ーーーっ!!!」
 風ノ魔王獣に聞きなれた声が聞こえた。振り向くと、そこに手を振って走る主の少年がいたからだ。
「マガタ様・・・、マガタ様?!」
「マガタくん?!」
「無事だったんだ、良かった!本当に良かった!」
「これで勝負が見えたかもしれません!」 
「わーい、やる気出て来たゴモ!」
 アギラ、ミクラス、ウインダム、ゴモラ達、そして、
「ああ、無事だったのね、良かったわ・・・」
「マガタくん!無事だったんだ!」
「この野郎、心配かけさせやがって!」
「ああ、良かった」
 ローランや友達のアキコ、シゲル、一平も少年の無事を喜んだ。淳も笑顔で頷く。マガタが来ると、怪獣達が駆け寄る。
「生きてて良かったわ、マガタくん、もしものことがあったら、私・・・」
 ホーが泣きじゃくって少年の無事を喜んだ。
「このバカ!心配かけて、でも、無事で・・・良かったよ・・・」
 ザンドリアスは怒るもすぐにデレて喜び、アギラ達カプセル組が微笑んだ。
「マガタ様ーーーっ!」
 風ノ魔王獣が少年を抱き締めた。
「マガバッサーっ?!」
「申し訳ありません、申し訳ありません・・・・、私、貴方様を、守ってあげられなくて・・・」
「泣かないで、心配かけちゃったけど、もう大丈夫だから・・・」
「よかったね、マガタ、あんたを心配してくれてる子達がたくさんいてさ。さてと・・・」
 マガグランドキング、そして怪獣達は強化ベムラーに視線を向けた。
「ふん、やっと消せたと思ったらまだ生きていたなんて。今度こそそこにいる怪獣達もろとも始末してあげるわ!」
 強化ベムラーは角を光らせて浮遊した。怪獣達はこれに敢然と立ち向かっていく・・・。


続く・・・。

Re: ウルトラ怪獣擬人化オーブ ( No.53 )
日時: 2017/09/17 20:13
名前: たくと七星

ベムラーがハイパーペイル熱戦を飛ばしてくると、マガグランドキングが前に出て、平たい両手を盾にしてこれをガードした。
「はあっ!」
 マガバッサーが飛び立ってベムラーにパンチを放った。ベムラーが切り裂きに出るとその手を掴んで振り払い、キック攻撃をした。ベムラーは再びハイパーペイル熱戦を放つとマガバッサーは翼でこれを防ぎ、そこへマガグランドキングがジャンプして右手のアームでパンチをした。
「く、私を本気で怒らせたわね!」
 ベムラーは怒り狂い、角を光らせて、地面を叩き衝撃波を飛ばして来た。
「行くよ!」
「はい!」
 風と土ノ魔王獣は息の合ったジャンプをしてダブルパンチでベムラーを攻撃、遂にベムラーは飛び上がり青い球体に入ってペイル熱戦を連射して来た。
「させないよ!」
「今度は私達も!」
「ゴモラちゃんだって!」
 アギラ、ホー、ゴモラ、そしてウインダム、ケルビム、ベムスターが前に出て光線技を飛ばしてこれを相殺していった。
「マガタさん、私にあれを!」
「うん!」
 ウインダムの言葉に少年は力強く頷いて怪獣リングを取ってパンドンとブラックエンドのカードを取り出した。
「パンドンさん!ブラックエンドさん!」
 マガタは二体の怪獣のカードを怪獣リングに読み込んでウインダムのフュージョンアップを完了させた。
「真っ赤な炎をウインダムさんに!」
『フュージョンアップ!』
 フュージョンアップが完了すると二体の怪獣がウインダムにフュージョンした。
『フュージョン完了!ファイヤーウインダム!』
 ウインダムはフュージョンアップして地面に降り立った。
「真っ赤に情熱に燃えます!」
 ファイヤーウインダムは左腕に装着させた銃口から火炎弾を飛ばして青い球体を破壊、ベムラーを撃墜させた。
「ミクラスさん、ゴモラちゃん!」
「ええ、頼むわよマガタくん!」
「フュージョンアップゴモ!」
 マガタはリングでネロンガ、エレドータス、ファントン星人のカードを読み込んでミクラスとゴモラをフュージョンさせた。
『フュージョン完了!エレキミクラス、サイバーゴモラ!』
 エレキミクラスとサイバーゴモラにフュージョンした二体の怪獣、ファイヤーウインダム、マガバッサー、マガグランドキングと合流する。
「フュージョンの力を使われるなんて・・・、なら!」
 ベムラーは指を鳴らした。すると青い炎が出て来て五体の怪獣と少年を囲んだ。
「マガタくん!」
「ここからはあの子と五人の戦いだね・・・」
 ローラン、アギラ、そしてマガタの友達達は少年を見守った。
「ここを貴方達の墓場にしてあげる・・・!」
「あんたみたいな奴の思い通りにはさせないわよ!」
 ベムラーとエレキミクラスは突進してぶつかりあった。互の拳を掴んで競り合いになると背中を合わせての組合になりその状態で殴り合いをする。組合を解くとベムラーは熱戦を飛ばして来た。
「これぐらい、とおっ!」
 エレキミクラスは高速で動いてこれをかわした。
「何?!」
「どりゃあああ!」
 かわした所で飛び蹴りをしてベムラーを転ばせる。
「今度はゴモラちゃんが行くゴモ!」
 サイバーゴモラが尻尾で叩き付けに出た。しかしベムラーはジャンプしてこれを避けてしまう。背後に回って尻尾を振るった。
「ぐうう!」
 更にベムラーは熱戦を飛ばしてサイバーゴモラを転ばせた。攻撃しようとハイパーペイル熱戦を放って来た。
「せえええい!」
 ファイヤーウインダムが銃口でこれを払い、火炎弾を連射した。
「喰らいな!」
 ベムラーが怯んだ所でマガグランドキングがマガ一閃を飛ばして攻撃する。そしてマガバッサーが前転して、キックを放ち、上空へ飛び立った。
「行くよ!」
「はい!」
 マガタの声に合わせてマガバッサーはマガ嵐をしてベムラーを吹き飛ばし、地面に叩き付けた。
「ぐ、ぐうう、この私が・・・」
「どう、これがあたし達怪獣の底力だよ!」
「絆があれば、貴方には負けないのです!」
 エレキミクラスがふふんと鼻を擦り、ファイヤーウインダムが真っ直ぐな瞳でベムラーを見据えた・・・。

続く・・・。

Re: ウルトラ怪獣擬人化オーブ ( No.54 )
日時: 2017/04/16 19:15
名前: たくと七星

「く・・・、かくなる上は・・・」
 追い詰められたベムラーはテレパシーを飛ばして配下の怪獣を呼ぼうとした。
「何ですって・・・?!」
 だが、そこから聞こえてきたのは、
(ベムラー様〜、向かえませ〜ん、ここにも邪魔する奴等がいるんです〜!)
 シルバーブルーメの危機を知らせるメッセージだった・・・。

「いっくぜーーーーーっ!」
 その頃、別の場所ではレッドキングが率いる怪獣達が降星街を守るべく、ベムラー率いる怪獣軍団と戦っていた。レッドキングは拳を振るって突進して、ルナチクスとキングクラブに熱気のあるパンチをぶつけて二体を吹っ飛ばした。
「こいつら、喰らえ!」
 バラバが頭に差した剣をゼットンに向けて飛ばして来た。ゼットンはこれをテレポートでかわしてバラバの背後に廻り、火球を飛ばしてダメージを与えた。
「やってしまえ!」
「一斉にかかればこっちのものよ!」
 アーストロン、ゴキネズラ、ゴーストロン、バニラ、アボラスがエレキングに襲いかかった。
「無駄よ」
 エレキングは薄笑いをして下半身に差してある尻尾状の剣をムチのようにしなやかにして電磁ムチとして振り回した。
「どわあああ?!」
「痺れるーーーーっ!」
 アーストロン等五体の怪獣達は電撃の威力に吹っ飛ばされて地面にバタバタと落ちた。
「ふん、大したこともないわね」
 エレキングは桃色の髪をたなびかせて剣を下半身に戻した。
「ブル〜、ブルブルブル、ブル〜!!!」
「わああ、私達、追い詰められてます?!」
 ブルトンとアントラーは自分達が追い詰められていることに動揺していた。
「くー、憎いことしてくれるじゃない〜っ!」
「何で、人間達の味方をするのよ・・・!」
 シルバーブルーメは歯ぎしりをして悔しがった。ノーバが人間の味方をすることを非難するとレッドキングは堂々として言った。
「味方するも何も、俺と、そして俺を慕うこいつらもこの街が気に入っているんだ。お前等に滅茶苦茶にされちゃ困るんだよ。それに、怪獣と人間が仲良くなれたっていいとは思わないかい?」
「え〜、ありえないでしょ〜、人間と怪獣はず〜っと敵同士だったのよ〜、仲良くしていく方法なんてあるのかな〜?」
「そうよ・・・、不可能になるに決まってるわ・・・。恥知らずなあんた達を血祭りにしてあげる・・・」
 シルバーブルーメ、ノーバ等五人衆、そして怪獣達がレッドキング達に向かって行った。レッドキング達もこれに向かっていく。それぞれの場所でも街を守ろうと人間との共存を図る怪獣達、そしてマガグランドキングの配下の地底怪獣達がベムラーの怪獣達と戦っていた。

 そして、ベムラーはよろよろしながら起き上がり、マガバッサー達と対峙する。睨み合う宇宙怪獣と五体の少年を守る怪獣達。一触即発となるかと思われたが、
「ふ・・・」
 ベムラーは指を鳴らして囲んでいた青い炎を消した。
「これは・・・どういうことですか・・・?」
「なんのつもりだい?」
 マガバッサーとマガグランドキングが言うと、ベムラーは構えていた拳を下ろして静かに言った。
「これ以上の戦いは無意味ね。押されているのはどう見ても私達、これでは負けは見えている・・・。今日の所は退いてあげるわ。でも、私は決して諦めないわよ。この人間界も我が物にするまでは・・・。いつか、必ずね・・・ふふ・・・」
 マガタの怪獣達が睨む中、ベムラーは青い球体に入り、空の彼方へと消え去っていった。
「勝ったみたいだね」
「はあー・・・燃え尽きました・・・」
 マガグランドキングが言うと、ファイヤーウインダムは腰をペタリと地面に付けて座った。
「いやったー、見ててくれてましたか、レッドキング先輩!」
「ふっふ〜ん、大勝利〜っ!」
 エレキミクラスやサイバーゴモラも勝利を喜んでいた。
「皆、街を守ってくれてありがとう」
「えへへ、どういたしまして、でも、マガタくんも頑張ってたよ」
「君がいたお陰であいつに勝てたゴモ。マガタくんも街を守ったことになるね」
「まあ、良くやったよ、マガタ!」
 エレキミクラス、サイバーゴモラ、マガグランドキングが少年の頭を優しく撫でて小さな勇者の頑張りを褒めてあげた。
「わーい、マガタくーん!」
 バルや他の怪獣達も駆け寄って少年を撫で回した。
「うわあわあ、ちょっと、皆、あれ?」
 少年が視線を向けると友達のアキコや淳達が神妙な顔でマガタを見ていた。
「マガタくん・・・」
「アキコちゃん、皆・・・ごめんね。実は、禍葉さんや、ここにいる人達は、僕の友達になってくれた怪獣達なんだ・・・」
「マガタくん、僕は薄々感づいてはいたけどね、けれどまさか本当に怪獣を率いていたとは思わなかったよ・・・」
 淳は自分が今まで気にかかっていたことを友達の少年に言った。
「マガタくん、どうして、今まで・・・」
「アキコちゃん、ごめん、皆に心配をかけたくなかったんだ。もし本当のことがバレたら、マガバッサーや皆の居場所が無くなったりしたら、危害を加えられたらと思って、本当にごめん。でも、悪い怪獣もいるけれどここにいるいい怪獣さん達もいるんだ。それだけは信じて!」
 少年は四人の友達に自分の気持ちを伝えた。しばらくの沈黙が流れて、
「信じるわ・・・」
 アキコが口を開いた。
「アキコちゃん、この怪獣さん達を信じるの!」
 ミツヒロが驚いていると、アキコは自分の今思う気持ちを四人の友達に言った。
「うん、マガタくんの顔と態度を見たら、信じてもいいかもしれない、そう思って。それに信じあうのが友達でしょ。世界中の人達が信じなくても私はマガタくんを信じる・・・」
「アキコちゃん、ありがとう・・・」
 友達の女の子の優しい気持ちにマガタは感謝した。
「それなら僕達も信じるよ、マガタくんとは友達だし!」
「そうだ、友達を信じなくちゃあ、友達とは言えないぜ!」
「これからも友達であることには変わらないさ!」
「この人達が怪獣であることは僕達の秘密にしておくよ」
 一平、シゲル、ミツヒロ、淳も同じ気持ちだった。
「禍葉さん、ううん、マガバッサーさん、それに怪獣さん達、マガタくんを守ってくれてありがとう」
 アキコが笑顔で怪獣達に礼を言った。少女に感謝されて怪獣達は嬉しさで一杯だった。

「ふう、やっと片付いたみたいだな」
 その頃、レッドキング達は街を破壊していた怪獣達を追い払い、平和を取り戻した降星街の空を見ていた。
「あの坊主、よくやってくれたぜ。お前もそう思うだろ、ゼットン」
 レッドキングの言葉にゼットンは静かに頷いた。これから先、あの少年と出会う時が来るかもしれない。そんな展開を予想しつつ怪獣達は期待を胸に膨らませていた・・・。


続く・・・。

Re: ウルトラ怪獣擬人化オーブ ( No.55 )
日時: 2017/04/23 17:43
名前: たくと七星

「マ、マガバッサー・・・?」
 ベムラーとの激しい戦いが終わって・・・。夜、ベッドで風ノ魔王獣は少年を裸で仰向けにして押し倒していた。少年を見下ろす美しい魔王獣だが、その顔はどこか悲しげだった。
「マガタ様・・・」
「なあに?」
「申し訳ありません、私が不甲斐ないばかりに貴方を・・・、お詫びに私が貴方を気持ちよくしますね・・・」
 少年に優しくキスをして少年の首筋を舌でなぞり始める。
「きゃう!」
「あ、嫌でした?」
「あ、あの、違う。舌の感触がくすぐったくて・・・」
「ああ、すみません!首がお嫌でしたのなら・・・」
 少年の腋を掴んでふくよかな胸を彼のか細い胸板に擦りつけていく。
「ああ、や・・・」
「マガタ様、気持ちいいですか?」
「うん、いい、おっぱいが柔らかくて、凄くいいよ・・・」
 軽く優しい刺激に少年が悶えていると、風ノ魔王獣は少年の乳首を舐め始めた。
「きゃ!やうう・・・」
 可愛い悲鳴を上げる少年、マガバッサーが舐めるたびに小さな突起が固くなっていく。もう片方をいじろうとすると魔王獣の爪の先が少年の可愛い桃色の突起に食い込む。
「や!やああ!」
「え、嫌でした・・・?」
「違うの、痛いのにびっくりしただけだから、気にしないで・・・」
 少年が話を続ける矢先に、マガバッサーはすすり泣いた。
「マガバッサー?」
「マガタ様・・・、申し訳ありません・・・、こんな出来損ないの下僕で、貴方を泣かせてしまうひどい下僕で、申し訳ありません・・・!」
「どうして、そんなこと言うの?」
「私は・・・マガタ様の忠実な下僕として振舞ってきました。でも、いつも貴方を危険な目に合わせてしまって、肝心な時に早く助けに来れなくて、今日だって・・・貴方を助けてあげれなかった。こんなことでは・・・ああ!嫌!これ以上は!」
 優しい瞳を涙で濡らす魔王獣は少年の顔を見つめて問いかけた。
「マガタ様!私を罵ってください、私を素直に役たたずだと仰ってください、私を、蔑んでください・・・。こんな私・・・」
「そんなこと思わないよ!」
「え・・・?」
 少年は真っ直ぐに美しい風ノ魔王獣を見つめていた。あどけなさがありつつもしっかりとした目で言う。
「だって、マガバッサーはいつだって僕を助けてくれたじゃない。何度も危ない目にあってきたけど、それでも必ず助けてくれた。だから僕、マガバッサーのことを役たたずだなんて思ってないよ。どんなことがあっても、僕、マガバッサーを信じてるから・・・」
 マガタの言葉を聞いて、風ノ魔王獣の目から綺麗な雫がこぼれ落ちた。白く美しい手と青く艶やかな翼でマガタを抱き締めた。
「ああ、マガタ様。嬉しい・・・。あの時、私は貴方から失望されたと思っていました。でも、貴方様は私を受け止めてくれる。私を愛してくれる。そして私を優しく包んでくれる。貴方を励ましていましたが、私の方が励まされていたようです・・・。嬉しい。マガタ様、好き、好き・・・」
 優しい少年に可愛いキスをすると、仰向けに倒れて少年を自分の上にうつ伏せにさせた状態にして甘い顔をする。
「来て、マガタ様・・・。私の可愛い、愛くるしいマスター・・・。今宵だけは、貴方様と二人っきりで深い愛を感じさせてください・・・」
「うん・・・」
「うふふ、おっぱいを・・・、凄く見ちゃって・・・吸って・・・モミモミしていいですよ」
 マガバッサーにお願いされてマガタは風ノ魔王獣の柔らかくふくよかな胸の桃色の突起に口を付けて赤子のように吸って、二つのふくらみのある胸を揉んでいく。
「あん、ああん!きゃん!ああ、可愛い・・・そんなにおっぱいを吸って・・・愛くるしいの・・・愛しくって、可愛い・・・きゃあ、あ・あ・あ・あ・あん!」
 可愛く胸を吸う少年を微笑ましく見ていると、突然、電気が走った感触がした。少年が抑えきれず自分の秘所に固い性器を擦りつけていたのだ。
「ひ、ああ、あああ、あん!マガタ様、入れたい?もう我慢出来ない?」
「ああ、もう僕、我慢出来ない!入れたいよ!」
「いいですよ。私が貴方を受け止めますわ・・・。早く、私の愛するマスター・・・」
 マガバッサーに導かれて少年は自分の性器を魔王獣の膣内に入れていく。
「あああ!いい、マガタ様の性器が私の膣内に、きゃああん、気持ち・い・い・・・・」
「はあ、はあ、マガバッサー・・・!」
 少年は欲情に駆られて魔王獣の膣内をかき乱した。激しく擦れ、太ももがぶつかり合おう音が響き、風ノ魔王獣の甘い声が部屋中に響いた。
「あああああ!やああん!激しいの、いい、いい!もっとしてえ、マガタ様!」
「もうダメえ、僕、出ちゃう、白いの出ちゃう・・・!」
 二人共限界を迎えていた。マガバッサーは少年を抱きしめて爪が背中に食い込んでいた。
「マガバッサー、ああああああ!大好き!」
「愛してます、マガタ様!きゃああああああああん、暑いの来てえええええええ!」
 互の手を握り、強い口付けをして二人は絶頂を迎えた。少年の性器から勢いよく精が流れて風ノ魔王獣の体内を満たしていく。
「ああ!ああ!出てる、出てるの、愛しい人の、可愛いマスターの子種・・・・うふうん・・・ああ、嫌、ダメ!」
 少年が性器を抜こうとするとマガバッサーは両足を絡めて逃さないようにした。
「マガバッサー・・・?」
「ダメえ、ダメなのお・・・抜いちゃいやあ・・・マガタ様としばらく繋がっていたい・・・マガタ様、んちゅ、ちゅぱ、れろ、んちゅう・・・」
 可愛く甘える魔王獣は少年に濃厚なキスをする。少年もローランに教えられたようにマガバッサーの口内を味わっていく。しばらくして、汗と白い液で濡れたベッドの上で風ノ魔王獣が、主である優しく可愛い男の子を背中から抱きしめ翼で優しく包んでいた。お互いの愛を確認し合う姿を、ドアからアギラ、ミクラス、ウインダム、ゴモラ、ローラン、マガグランドキングが覗いて見守っていた。
「マガタくん、良かったね・・・」
「ああ、こんなラブも素敵ですね」
 ミクラスとウインダムは少年と魔王獣のお姉さんの愛の姿に胸がときめいている。
(良かった・・・、マガバッサーさんもこれで心が晴れたかもね・・・)
 アギラも、マガバッサーの不安が無くなった様子を見て安心するのだった。ベムラーは再戦を告げて去っていったが、彼女と解り合えることは出来ないのだろうか、マガタは心の中でそう思っていた。けれども今はマガバッサーの優しい温もりに喜び幸せを感じたいと思わずにはいられなかった・・・。

Re: ウルトラ怪獣擬人化オーブ ( No.56 )
日時: 2017/04/30 17:52
名前: たくと七星

第8話「君と生きる  タイトルネタ(ウルトラマンx第19話「共に生きる」)」


 怪獣界のどこかにあるとされる黒い砦。ベムラーは頬杖を付いて玉座に座っていた。首を傾けて口をへの字にしながらベムラーは考えていた。
「何故、何故あの子供に勝てないの。あの世界を私達の物にするために怪獣達を送り込んだ。そして己を強化させてあの子供とその手下達を倒そうとした。けれど勝てない・・・どうして・・・」
 最初の時は配下の怪獣達を送って人間とその味方をする怪獣達を消そうとしたがうまくいかなかった。次には鉱石の力を使って自信が戦いに挑んだがこれも失敗に終わった。あの少年にあって自分には何がないのか、
「う・・・!」
 突然、宇宙怪獣の脳裏に何かがよぎった。
「な、何なの、これ・・・?」
 どこか昔の面影がある懐かしい風景。人の心も街の営みも暖かく満ちている中、駄菓子屋に足を運ぶ少女達。その中で淡い青の髪の少女が、すもも漬けを嬉しそうにかじっていると言う光景。
「今のイメージは、何だったの・・・?」
 ベムラーは解らなかった。脳裏によぎったあの光景。そして駄菓子を食べる自分によく似た少女。それが意味するのは何だったのか・・・。
「ブル〜?」
「ん、ブルトン?」
 見下ろすと、配下で直近の五人衆の一人、ブルトンが自分を心配そうに見ていた。リスのような愛らしい瞳をする小柄の異次元怪獣は主人の怪獣の苦悩に満ちた顔を見て不安になる。
「何でもないのよ、ブルトン。ありがとう、心配してくれたんでしょ。貴方やシルバーブルーメ達は私のことを言わなくても理解してくれる」
 宇宙の悪魔とは思えないくらい、ベムラーは穏やかな眼差しをしてブルトンの頭を優しく撫でた。飼い主に撫でられて嬉しそうな子犬のようにブルトンは笑顔になる。
「この前の戦いの傷がまだ癒えてないでしょう。今日はゆっくり休みなさい」
「ブルブル〜」
 ブルトン走り出すと、振り向いてベムラーに手を振ってから、部屋を出て行った。ベムラーは笑みを浮かべると玉座から起き上がる。
「ノーバ、そこにいるんでしょ・・・」
「は・・・、ここに・・・」
 背後からノーバが現れ、ベムラーに跪いた。
「出かけてくるわ、留守をお願いね」
「御意・・・」
 ベムラーは青い球体に入って砦を出て行った。そして人間界へと向かって行くのだった・・・。

「あれ・・・ここは、どこ・・・?」
 気が付くと、王武マガタは霧の多い湖にいた。視界の狭い霧の中、何かが少年の前に現れた。
「あ・・・!」
 その姿を見てマガタは後退りをする。そこにいたのは先程、マガバッサー達と戦った、あのベムラーだったからだ。マガタは辺りを見渡すが仲間の怪獣達はいない。戦慄する少年だったが、ベムラーはマガタを襲う気配を見せず、穏やかで優しい眼差しをしている。少年が警戒を解くと、宇宙怪獣は歩き出して少年の背までしゃがみ、彼を優しく抱き締めた。
「ベムラー、さん・・・」
 宇宙怪獣の予想外の行動に少年は戸惑っていた。
「マガタくん、好きよ・・・」
 宇宙怪獣は少年の潤った唇に優しいキスをした・・・。

「は・・・!」
 気が付くと、少年はベッドから目を覚ました。今のは夢だったのか。少年はホッと胸を撫で下ろした。けれどもどこか胸に何かがつかえるような気がしてならなかった。何故、夢の中でベムラーが現れたのか、あの夢が意味するものは何だったのか。
「うふ、マガタ様、起きたのですか・・・」
 そう考える暇もなく、優しく美しい魔王獣が目を覚まし、眩しい笑顔で少年に声をかけた。
「あ、マガバッサー・・・」
「昨日は激しく私を求めていましたね。とても可愛かったですわ・・・。マガタ様、私におはようのお言葉をいただけませんか・・・」
「うん、おはよう、マガバッサー」
「おはようございます、マガタ様・・・」
 少年とか細く美麗な魔王獣は互の愛情を確認するように優しい口付けをする。穏やかで暖かい朝日が二人を照らしていた・・・。

 降星街は今日も人々の笑顔で満ちていた。あの戦いの後、レッドキング等、人間に友好的な怪獣達が密かに街を立て直し、元通りにしたのだ。公園では子供達のはしゃぐ声がこだましていた。
 少年はマガバッサーをお供にベンチに座っていた。のんびりしながらも少年は夢の内容を考える。初めて出会った時、ベムラーは邪悪な表情をしていた。しかし夢の中では優しい穏やかな顔をしていた。あれが意味するものは何なのだろうか。
「あ!」
 頬にひんやり冷たい感触がした。
「アギラさん・・・」
「おはよう、マガタくん・・・」
 人間の姿になっているアギラ、そしてミクラス、ウインダムが少年の近くに座った。手にはラムネを持っている。
「はい、一緒に飲もう」
「あ、ありがとう・・・」
 アギラはビー玉を飲み口から外して少年に渡した。マガタがラムネを飲んでいると、ミクラスは中々ビー玉を落とせず苦労している。ウインダムが宥めてそのラムネを手に取って何とかしようとした。
「あ、あれ、ビー玉が全然外れない、です・・・」
「ええ、もう何でこんな玉が付いてるのよ。この間なんかこれを落とすのに夕方までかかって、一日が無駄になっちゃってさあ・・・」
 それを見てアギラが受け取り、ラムネのビー玉を器用に落とした。
「わあ、ありがとう、アキちゃん器用!」
「そうでも、ないよ。マガタくん」
「なあに、アキさん」
「何か考え事でもしてた?」
「うん、夢を、見たんだ・・・」
「夢ってどんなやつを?」
 ミクラスとウインダムが興味津々に尋ねると、マガタは見た夢の内容を怪獣達に話した。
「夢の中に、ベムラーが出てきたのですか・・・」
「うん・・・」
「あの怪獣が・・・」
 アギラ達は思い出した。青く禍々しい角を生やして自分達の前に立ちはだかったあの怪獣のことを。
「しかしどうしてマガタさんの夢の中に」
「何かされなかった?」
 ウインダムは考察してミクラスが夢で起きたことを少年に尋ねた。
「特に何もされなかった。ただ、その時、ベムラーが僕を優しく抱き締めてくれたんだ・・・」
「抱き締めた?!あの怪獣が?!」
「マガタ様にあれほど敵意を抱いていたのに何故・・・?」
 ミクラスとマガバッサーが驚いていると、少年は自分の思っていることを話した。
「あの夢が現実になるとしたら、ベムラーは僕達の仲間になれるってことになるのかな?」
 少年の言葉を聞いてマガバッサー達はまさか、と思った。
「マガタ様、さすがにそのようなことが現実になるとは思えません。ベムラーは人間を嫌っています。その怪獣と解り合えるのは難しいかと」
「そうだよ、あれだけのことをしてるんだし、マガタくんの命を狙おうとしたんだから簡単に仲良くなんて・・・」
「うん、でも、あの夢がどうしても気になるんだ。それにベムラーさん達も同じ怪獣、だったら、理解し合える道だってあるんじゃないかな」
 少年の言葉にマガバッサー達は静かに考える。ベムラー達は怪獣界だけでなく人間界も我が物にしようとしている軍団である。彼女達が心を簡単に開いてくれるものなのだろうか。
「とても素晴らしい言葉よ、マガタくん」
 すると、どこからか声が聞こえて来た。上を見ると、ローランとシェパードンが噴水の象の上で座ってマガタに手を振っていた。飛び降りると、マガタの目線まで身をかがめて言う。
「偉いわよマガタくん、そうですもの。どんなに悪い怪獣でも、皆同じ生きている怪獣同士、いがみ合うのではなくて和解して仲良くしあえる道を探そうとする。とても誇らしいことよ」
 ローランは優しい笑みで少年の頭を撫でる・・・。


続く・・・。

Re: ウルトラ怪獣擬人化オーブ ( No.57 )
日時: 2017/05/03 20:34
名前: たくと七星

「でも、そんな簡単にいくのかな・・・」
「そうね、この子の言うことは簡単にはいかない、けど、マガタくんはきっとその道を作ることが出来る、そんな気がするの」
 アギラが心配すると、シェパードンがマガタは必ずベムラーと解り合える方法を見つけてくれるはずだと言った。それを聞いてカプセル組も頷く。確かに、この子のひたむきな優しさと芯の強さは自分達を助けてくれるばかりか土ノ魔王獣との和解にも繋がった。今度もうまくいくかもしれない。
「マガタくーん!」
 丁度そこへ、友達のアキコ、淳、一平の三人が走ってマガタに声をかけた。
「あ、アキコちゃん、それに一平くんに淳くん」
「おはよう」
 アキコが笑顔でマガタに手を振った。
「皆さん、おはようございます」
「禍葉さんも、おはよう。それにマガタくんの怪獣さん達も」
 アキコ達は礼儀正しくマガバッサーとカプセル組、そしてローランとシェパードンに挨拶する。
「マガタくん、君の友達、いい挨拶をするね」
「ええ、しっかりした子達ですね」
 アギラとウインダムはアキコ達の礼儀ある挨拶に感心していた。
「ふふ、マガバッサーでもいですよ?」
「ううん、私達にとっては、綺麗で優しい、素敵なお姉さんだもの。これからも禍葉さんは禍葉さんよ」
「うふふ、アキコさん、貴方が言うなら、それでもいいですよ」
 涼しい、穏やかな笑顔でマガバッサーが返事をする。アキコ達は何だか照れてしまう気持ちになった。
「あ、そうだ。淳ちゃん、マガタくんに何か言うことがあるんじゃないの?」
「ああ、そうだったね。マガタくん」
「淳くん、何?」
「昨日のニュースを見なかったかい?」
 そう言って淳は昨日の出来事を説明した。
「竜ヶ森山と言う山がここ降星街にあるよね。その竜ヶ森で青い球体が落ちたってニュースに出たんだ」
「青い球体?」
「マガタ様、もしや・・・!」
 マガバッサーがビックリして言うと、マガタは強く頷いた。青い球体、ベムラーが高速移動する際に入り込む球体である。そのベムラーが竜ヶ森にいるというのか・・・。
「でも、何でベムラーがその森に?」
「解りません、宇宙の悪魔と言われるあのベムラーが何故・・・?」
 ミクラスがベムラーと竜ヶ森に何の接点があるのかと聞くがマガバッサーや他の怪獣達は解らなかった。
「マガタくん、竜ヶ森に行くの?」
 アキコが聞くと、マガタは首を縦に動かして頷いた。
「うん、ベムラーがその森にいるってことは何か理由があるんじゃないかと思うんだ。それに、ベムラーさんだって皆と同じ怪獣なんだ。きっと皆と仲良くし合える方法だってあるはずだよ。今がその機会だと思う・・・」
「マガタ様、そこまでお考えでしたか・・・」
「大丈夫よ、自分の思いを正直に言えば、ベムラーもきっと解ってくれると思うわ」
 小さな少年に少しずつ変化が見えていたことをマガバッサーは感じ始めていた。ローランもその少年をフォローする。
「マガタくん、君に言っておきたいことがある」
「何?」
 淳はあることをマガタに話した。
「竜ヶ森って言う森だけど、太平風土記って言う本を図書館で見てね。その森に関する記述を見つけたんだ。何でも、竜ヶ森は人が滅多に入らない、神聖な場所だったみたいでね」
「うん・・・」
「そこには古来から森の民と呼ばれる存在がいてね。それらに関する民間伝承も散見されてるんだよ。それらが言うには・・・「森の民には親切にすべし。常に慈愛と純真な心で接するよう、さすればその者に幸運が舞い降りん、民の願いを断り、粗略に扱ったもの、○流王仁恵の裁きを受けん・・・」そう書いてあったよ」
「流王仁恵、それって・・・」
「恐らく、森の民を束ねている竜ヶ森の神様だと思うんだ。ただ、最初の名前の部分がかすれて見えなくなっててね。まあ、本当にいるかは解らないけど、君のために伝えておこうと思ってね」
「ありがとう、淳くん。行こう、マガバッサー」
「はい、マガタ様。私、常に貴方のお側にいますね」
「私達もお手伝いするわ」
「ええ、私も同行させて」
 少年が出発の決意を固める。マガバッサーとローラン、シェパードンも竜ヶ森へ同行することにした。
「頑張れよ、マガタくん」
「気を付けてね、くれぐれも無茶はしないでね」
「ありがとう。一平くん、アキコちゃん。アキさん、レイカさん、ミクさん、行ってくるね」
 一平とアキコに礼を言うと、少年はカプセル組の三人に出かけてくることを伝えた。
「うん、行ってらっしゃい・・・、何かあったら、僕達のカードがあるから」
「それがあればいつでも駆け付けますね」
「頑張ってね、ファイト!」
 ミクラスがガッツポーズをする。少年もカプセル組の三人にガッツポーズをした。早速人気のない所へ向かい、マガバッサーは魔王獣の姿に戻って主人の少年を抱きかかえて空を飛び立った。ローランもシェパードンの手を繋いで大空を飛んでいく。その姿を見て少年の友達とカプセル怪獣達が見送るように手を振った・・・。


続く・・・。

Re: ウルトラ怪獣擬人化オーブ ( No.58 )
日時: 2017/05/06 17:34
名前: たくと七星

しばらく空を飛んで、マガタ達は竜ヶ森に到着した。マガバッサーが翼をゆっくりと羽ばたかせて着地して、マガタを地面に下ろした。ローランとシェパードンも地面に足を着く。
「付きましたよ、マガタ様」
「うん、ここが竜ヶ森なんだ」
 森の入口を見て少年は息を呑む。森ははるかに大きな巨木が並んでいて、陽の光が差さないため中は暗く、先の道は見えなかった。
「あれ・・・?」
 するとカードホルダーの中が光りだした。取り出してみるとゴモラのカードが光っていた。
「ゴモラさんのカードですね」
「もしかしたら君のことを呼んでるんじゃないかしら?」
 マガバッサーとローランの言葉にマガタはカードをリングに読み込んだ。
『セット完了!ゴモラ!』
 リングから光と共にゴモラが出て来た。
「マガタくーん、ビシ!」
 登場早々、ゴモラは太陽の塔のような独特のポーズをする。
「ゴモラちゃん、それ、何・・・?」
「え?!」
 想定外の言葉にゴモラは目を潤ませて少年の体をポカポカ叩いた。マガタは少し心が痛い気持ちになったが、マガバッサーとローラン、シェパードンはクスクスと笑っていた。
「それで僕を呼んだのは?」
「うん、公園で子供達と遊んでた時にアギちゃん達から竜ヶ森に行ったって聞いてね、いてもたってもいられないからここへ来たゴモ」
「そうなんだ、ありがとう」
「うんうん、じゃあ早く行こうゴモ!」
 ゴモラが足早に森の中に入っていった。
「わあ、ゴモラちゃん、待ってよ!」
 マガタも急いで竜ヶ森に入っていく。マガバッサー達もその後を追い掛けていった。竜ヶ森の内部に入っていったマガタ達、森の中は薄暗く道は木の根っこが無数に這っていて、足場が悪かった。
「わあ、注意して歩かないと転んじゃうな」
 マガタはゆっくりと足場に気をつけて慎重に進んでいく。マガバッサーやローラン、シェパードンも同じだった。一方、ゴモラは悪路を気にすることなく進んでいく。
「皆ーっ、早く来るゴモーっ!」
「お待ちになって下さい、そんなに急いでは困りますわ」
 マガバッサーが辛そうに言った。固い足先になっているため、うまく地面に密着することが出来ないのだ。
「ゴモラちゃん、なんで平気なの?」
「ふっふ〜ん、ゴモラちゃんは尻尾でバランスを取ってるから、こんな道のりは朝飯前ゴモ!」
 鼻を擦って古代怪獣が得意げに言った。
「きゃ!」
 歩いていくと、ローランが転びそうになった。
「大丈夫?」
「あ、大丈夫よマガタくん。でも私、ヒールだから尚更歩きにくいのかもしれないわね・・・」
 ローランが足先を見た。鳥の足のブーツで先はヒールになっていたのだ。
「歩きにくくない、やっぱり他のを履いたほうが・・・」
「ああ、いいのよ、その優しい言葉だけでも嬉しいわ。さあ、行きましょ、きゃああん!」
 歩きだそうとした直後、宇宙鶴は足を滑らせて転んでしまった。
「ローランさん!」
「あれあれ、怪我しちゃった?!」
 マガタやゴモラ達が駆け寄る。よく見ると宇宙鶴の太ももに擦り傷が付いていた。
「ああ、情けないわ、皆の足を引っ張ってしまうなんて・・・」
 擦り傷を見て少年は何か持っていないかポケットをまさぐった。中にハサミがあることに気付くと取り出して、自分の長袖の布を切り始めた。
「マガタくん、何をしてるの?!」
「お待ちください、お洋服が・・・」
 シェパードンとマガバッサーが止めようとするも、マガタはそれを切り、ある程度の長い大きさにしてローランの太ももに巻いていく。
「これで出血は抑えられるかな」
 ホッとする少年にローランは目を釘付けにして頬を赤くしていた。
「ローランさん?」
「あ、マガタくん、ありがとうね。一度だけじゃなくて二度も私に親切にしてくれるなんて、こんなにも素敵で優しい男の子、今まで会ったことがなかったわ、ありがとう、ちゅ」
 美しい宇宙鶴は少年を抱き寄せると、唇に軽く触れる優しいキスをして、ニコッと微笑んだ。そんな光景を覗いている気配がいたが、マガタ達はまだ気付かずにいた。
「あら、何かしら?」
 シェパードンが見上げると、空から雨が降ってきた。すぐに激しい雨量になって森を濡らしていく。
「やだ、ずぶ濡れになっちゃうわ!」
「どこか雨宿りできる場所を・・・!」
 マガバッサー達が雨をしのげる場所を探していると、ゴモラとマガタは何かを話していた。マガタが拳を上げて賛成すると、二人は雨が降る森の中を走り回った。
「わーい、マガタくーん、こっちこっち!」
「わー、ゴモラちゃん、待ってーっ!」
「マガタ様、こちらへ、風邪をひいてしまいますわ!」
 マガバッサーは心配して、こちらへ来るよう行った。
「あらあら、あんなにはしゃいじゃって」
「ふふ、子供は風の子、雨に濡れてもきっと元気よ。そっと見守ってあげましょう」
 心配する魔王獣にローラントシェパードンが優しく見守ってやるのも愛情だと行った。
「あら?」
 シェパードンが何かに気付いた。走り回っているマガタとゴモラだが、よく見ると、
「わーい、わーい!」
 もう一体、空を飛んで走り回っている鳥のような無邪気な怪獣がいた。
「あれ、君は誰?」
「ゴモ、誰ゴモ?」
 マガタとゴモラがやっとその存在に気付いた。
「えへへ、雨を気にしないではしゃぐ子なんて初めて見ちゃったよ!」
 その怪獣は翼を羽ばたかせて濡れても気にせず笑顔でいた。
「君は、誰?」
「この怪獣は原始怪鳥のリトラ。友好的な怪獣です」
「ぶー、それあたしが言おうとしてたのに、ま、いっか」
 名前を言われてリトラは拗ねてしまうがすぐに機嫌を直した。
「でも、この森に人間さんがやってくるなんて凄く珍しいかも」
「僕はマガタ、ねえリトラちゃん、一緒に遊ぼうよ」
「ゴモラちゃんも!」
「あたしと、わーい、じゃあ鬼ごっこして遊ぼう!」
 リトラはクルンと回って喜んだ。マガタとゴモラも遊ぶ気満々だった。マガバッサーは心配になったがローラントシェパードンは微笑ましい気持ちで見ていた。
「じゃあ、行くよ!」
 リトラが逃げる役になりマガタとゴモラが鬼役になった。リトラは翼を羽ばたかせて飛び回る。その後を少年とゴモラが追いかけた。しばらく追いかけ合って、
「マガタくん!」
「それ!」
 ゴモラがマガタを肩車して少年がリトラにタッチした。
「あーあ、あたし、捕まっちゃった」
 リトラは負けてしまったが、まだまだ元気で遊び足りなかった。
「ねえねえ、今度はかくれんぼして遊ぼ!」
「うん、いいよ。じゃあ僕が数えるね」
「あ、ちょっと待って、友達も呼んでくるから」
 そう言うとリトラは口笛を森一面に吹いた。すると、森からジヒビキラン、イダテンラン、かわのじ、ヤマワラワ、ファルマガンがやって来た。
「リトラちゃんの口笛が聞こえたからやってきました」
 かわのじが濡れた体に喜んで言う。
「おう、人間が来るなんて久しぶりでごわす」
「へーい少年、歓迎するよ。おいかけっこでもするかーい。まあ、あたしが勝っちゃうけど!」
 小柄な体ながら筋骨のあるジヒビキランがマガタの顔をまじまじと見た。イダテンランは何ともテンションの高い口調でマガタに挨拶をする。
「人間さん、こんにちは、うちらと一緒に遊びませんか?」
「ひいい、なんじゃ、遊びか、遊びか?!」
 ヤマワラワは屈託のない愛くるしい笑顔をしていた。一方のファルマガンはビクビクと体を震わせている。
「この怪獣さん達は?」
「皆、あたしの友達なの、あたし達とかくれんぼして遊ぼ!」
「それはいいね!」
「ゴモラちゃんもやるゴモ!」
 今度はかくれんぼが始まった。リトラ達が隠れている間にマガタが10まで数えもういいかいと声をかけると、
「いいよ!」
 とリトラの声が聞こえた。マガタとゴモラは早速探しに向かった・・・。

続く・・・。

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大4000文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。