大人オリジナル小説
- 僕の物語
- 日時: 2013/01/30 20:32
- 名前: Q ◆eN9KdBg3KY
初めまして。
ここで小説を書かせていただくのは初めてです。
至らない点もあると思いますがよろしくお願いします。
感想をもらったら滅茶苦茶嬉しいのでできれば感想をよろしくお願いします・・・。
批評でもいいです。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
- Re: 僕の物語 ( No.10 )
- 日時: 2013/02/05 19:24
- 名前: Q ◆eN9KdBg3KY
「ここか…」
それから僕は、学校から約15分かけて、桜井の家に到着した。
(本当に僕の家の近くだ)
ここからあと5分ほど歩いたら、僕の家である。
なぜ、今まで気づかなかったのだろうか?と来る途中考えてみたら、そういえば僕はいつも寄り道をしているのだった。と思い出した。
その所為で帰宅時間に差が出たのだ。
(よし…)
意を決して、インターホンを押した。
ピーンポーン、と音がしてから10秒ぐらい経つと、
『はい、どなたでしょうか?』
と女性の声が聞こえてきた。桜井健太の母であろうか。
「あ、あの、僕桜井君と同じクラスで、プリントを…」
『あ、あらー!ありがとう!今出るから、ちょっと待っててね?』
すると桜井の家のドアがガチャッ、と音を立てて開いた。
「ありがとう、どうぞ中へ入って?」
いいえ、結構です。と言えたらよかったのだが。今日は、とてつもなく暑かった。何もしなくても汗が出るくらい暑かった。
なので、少し甘えさせてもらった。
「あらあら、汗びっしょり。このタオルで拭いて?」
「あ、どうも…」
「暑かったでしょう?このオレンジジュース飲んでくださいな」
「はぁ、ありがとうございます」
桜井健太の母は、僕を丁寧にもてなしてくれた。
(…普通の人だな…)
なら、どういう人を考えていたのか?と問われたら、何も答えられないが。なんとなく、これが桜井健太の母か。と感心するような感じであった。
考えてみれば、僕の母親だって、普通の人である。
障がい者の親が変わっているなんていう事はないのだ。
家だって、しっかりしている。花壇もついていて、かわいらしい花がいくつも咲いていたし、庭の芝もまるで刈りたてのように綺麗であった。
「本当に、ありがとうね。ところで、名前は?」
「あ、高橋です。高橋孝太」
「孝太君か。また、健太からお礼言わせとくわね」
「いえ、そんな…」
ではそろそろ僕は…。と言い出そうとしたその時、なんと、桜井健太が僕の目の前に現れた。
「お母さん…水ちょうだい」
そう桜井健太が言うと桜井の母は「あらあら…」と言い台所へ向かっていった。向かう途中に、
「健太、クラスメイトの孝太君がプリントを届けてくれたから、お礼を言っときなさい」
と桜井の母は言った。
「あ…」
桜井は、今僕がいることのに気が付いたようだ。
「……」
「……」
僕たちの間に、少しだけ気まずい空気が流れた。
「ありがとぉー高橋君」
先に桜井が話しかけてきた。
「え、あ、うん。いいよ。このくらい」
少し反応が遅れてしまったが、何とか噛まずに言えた。
するとそこに水の入ったコップを持った桜井の母が戻ってきた。
「はい、健太。お水」
「あ、うん。ありがとぉー」
僕はどうしていいのか全く分からず、ただただ桜井が水を飲むのを見ていた。ようやく桜井が水を飲み終わった後、
「じゃあ、そろそろ僕は…」
と言った。
「あ、ごめんなさいね。長居させちゃって」
「いえ、オレンジジュースとタオル。ありがとうございました」
そう言い、僕は玄関まで向かった。
「それでは、さようなら」
と僕が桜井母子に言うと、
「高橋君…また2学期にねぇー」
と桜井が言ってきた。
僕は咄嗟に反応できなかったが、すぐに
「うん。また2学期にね」
と言い、桜井の家から出て行った。
それから僕はすぐに家へ戻り、昼ご飯を食べて、お気に入りのスニーカーを履いて自転車で甲陽公園に向かった。自転車を漕いでる途中、「桜井も、そんなに僕らと違いはないんだ」と考えた。そして「だったら何故障がい者というだけで嫌われる?」とも考えたが、公園に着き、サッカーをしていると、そんな考えも吹っ飛んでしまった
その後、家に戻ってから、サッカーをしたことによりお気に入りのスニーカーが汚れて半泣きになったのは、また別の話である。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24