大人オリジナル小説
- 僕の物語
- 日時: 2013/01/30 20:32
- 名前: Q ◆eN9KdBg3KY
初めまして。
ここで小説を書かせていただくのは初めてです。
至らない点もあると思いますがよろしくお願いします。
感想をもらったら滅茶苦茶嬉しいのでできれば感想をよろしくお願いします・・・。
批評でもいいです。
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- Re: 僕の物語―第1章― ( No.3 )
- 日時: 2013/02/02 17:33
- 名前: Q ◆eN9KdBg3KY
だが結局、6年生に進級して1週間経っても僕と桜井健太が関わることはなかった。考えてみれば当然だった。
クラスメイトは障がい者という偏見により、誰も桜井健太に近づこうとしなかった。それが故、彼には友達がいない。だからいつも一人で本を読んでいる。
そのような人間と何かの拍子に繋がりができるなど、あるはずがなかった。『同じクラスになっても、こちらから近づかなければいい』これを守れば、卒業まで彼と関わることはないだろう。
「孝太、ドッヂボールしようぜ」
給食を食べ終わり食器を片づけていた僕に、クラスメイトであり友達の片瀬がこう行ってきた。
僕の名前、高橋 孝太。誰にでも優しく孝行してくれるように、と両親が付けてくれた名前だ。
「わかった。行こう」
昼休み終了のチャイムが鳴る。
しかしドッヂボール終了の合図とはならなかった。
皆、まだまだドッヂボールをしたいのだ。僕を含めて。
「おらーお前ら、早くボール片付けろ!」
チャイムから5分ほど経過し、学校で一番厳しいと噂される教師の怒声により、僕らの熱きドッヂボールが終わった。皆、蜘蛛の子を散らすように校庭から去って行った。
上履きに履き替えると、全身からドッと汗が噴き出す。僕らはいつも昼休みが終わると汗まみれで気持ち悪くなる、だけどタオルなどを持ってこようとはしない。いつも「タオル持ってくれば良かったー」などをぼやくだけなのだ。
階段を上りながら、僕らは昨日見たテレビの話をする。これも、いつもの事だ。考えてみたら、僕は毎日を同じように過ごしているのかもしれない。
僕が片瀬との会話に夢中になっていると、人にぶつかってしまった。
汗まみれの体で申し訳ないな、と思いながら「ごめん」と謝罪しながら振り返ると、そこには桜井健太がいた。
咄嗟に僕は、大きく体を仰け反らせてしまった。
だがすぐにこれは失礼だ。と思い、体制を元に戻した。
「いいよぉー」
桜井健太の話し方は独特だ。
ノロノロと喋り、必ずと言ってもいいほど語尾を伸ばす。これも、クラスの皆から気味悪がられている理由の一つなのかもしれない。
「じゃ、じゃあね」
僕はそういうと、また階段を上りだした。
心臓がドキドキする。ただ、桜井健太とぶつかっただけなのに。
冷や汗がいっぱい出る。さっきから汗まみれだったが、違うのだ。体が、震える。
――恐怖なのか?
よくわからなかったが、これにより一層彼とは関わりたくないと感じた。
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