大人オリジナル小説

僕の物語
日時: 2013/01/30 20:32
名前: Q ◆eN9KdBg3KY

初めまして。
ここで小説を書かせていただくのは初めてです。
至らない点もあると思いますがよろしくお願いします。


感想をもらったら滅茶苦茶嬉しいのでできれば感想をよろしくお願いします・・・。
批評でもいいです。

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Re: 僕の物語―プロローグ― ( No.1 )
日時: 2013/01/31 20:05
名前: Q ◆eN9KdBg3KY

 僕には姉がいる。
姉は僕と7歳も離れていて、名前は「香織」という。
僕は姉の事を「香織ちゃん」と呼んでいた。
姉とは、人形遊び、おままごと、ヒーローごっこなどたくさん遊んでもらった。
幼稚園であまり友達が作れず、いつも一人で絵本を読んでいた僕にとって姉は世界のすべてでもあった。姉はいつも笑っていた。僕は姉のことが大好きだった。

小学校に入学し友達も結構できたが、姉とはずっと遊んでいた。
学校のどの友達と遊ぶよりも、姉と遊ぶ方が楽しかった。

小学校3年生までは。

小学校3年生になり、僕は常識というものが大体わかってきた。
そして知ってしまった。姉は俗にいう『障がい者』だということを。

姉の障害は『ダウン症』というものであった。
ダウン症というのは、症状に知的障害、先天性心疾患、低身長、肥満、筋力の弱さ、頸椎の不安定性、眼科的問題(先天性白内障、眼振、斜視、屈折異常)、難聴などがある。
ダウン症になった人間がこれらすべてを発症するわけではないが、姉の場合、ここに挙げられた6割は発症していた。
しかし、姉とは普通に会話もできたし一緒に遊べることもできた。
何にしろダウン症の治療方法は未だ見つかっていない。

そしてダウン症最大の特徴は、顔である。
ダウン症になった人間は顔の中心部があまり成長しないのに対して顔の外側は成長するため、吊り上った小さい目を特徴とする顔である。

要約すると、障がい者によくある顔、ということである。

今まで何も違和感を感じたことはなかった。
姉は僕のすべてであった。だから顔が変だとは感じたことはなかった。むしろ姉と同じ顔でない人間の方が変だと思った。
「大きくなったら姉と同じような顔になるのだろうな」と思っていた。
そしてさらに成長したら、「両親のような顔になるのだろう」などと考えていた。それが自然の摂理だと思っていたのだ。

姉が障がい者と知ってから、僕の姉に対する態度は次第に変わってきた。
世間の障がい者に対する評価を知ってしまったからだ。
いや、差別を知ってしまったのだ。
姉と遊ぶことは少なくなっていき、小学校4年生になるとまったく遊ばなくなった。
そして、
「障がい者なんて、気持ち悪い」
友達のそんな一言で、僕は絶対に誰にも姉が障がい者とは言わないと心に決めた。

小学校5年生になり、姉の呼び方が変わった。
いや、変わったというよりも、名前を呼ばなくなった、と言う方が正しいだろう。
それまでは「香織ちゃん」と呼んでいたが、小学校5年生になると姉を呼ぶときは「ねぇ」とか「おい」とか、呼びかける言葉になってしまった。
両親は若干戸惑っていたが「一過性のものだろう」ということで納得していた。姉はと言えば、いつもと変わらず笑っていた。

そして僕は小学6年生になった。
姉との関係は良好とはいえず、最低限の会話しかしないようにした。

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