大人オリジナル小説
- 僕の物語
- 日時: 2013/01/30 20:32
- 名前: Q ◆eN9KdBg3KY
初めまして。
ここで小説を書かせていただくのは初めてです。
至らない点もあると思いますがよろしくお願いします。
感想をもらったら滅茶苦茶嬉しいのでできれば感想をよろしくお願いします・・・。
批評でもいいです。
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- Re: 僕の物語―第3章― ( No.19 )
- 日時: 2013/02/09 20:37
- 名前: Q ◆eN9KdBg3KY
「どうしてくれるんだよ!俺の読書感想文、書き直さなくちゃいけなくなったじゃないか!」
片瀬が、喚く。
もうすぐ、掃除時間だ。早く終わってほしいものだ。と僕は呑気に考えていた。
「ごめんよぉ……片瀬君」
桜井が本当に申し訳なさそうに、あの独特な話し方で謝る。
「ごめんで済む問題じゃないだろうが!俺がどれだけこれに苦労をしたと思ってるんだ!」
「う、うぅん……」
片瀬の一方的な不満に、桜井はうめき声のような言葉を吐きながら、頭を掻き毟る。これも、桜井の癖の一つだ。
いつも彼は不安になると、頭を抱え込むような体制を取った後、頭を掻き毟る。
その光景に片瀬は
「あー!うざいうざいうざいうざい!」
と、大声を出して机を叩いた。
机を叩いた音は意外と大きく、クラス中に響いた。
その音により、先ほどまでざわざわしていたクラスメイトが静かになり、頭を掻き毟っている桜井もその動きを止め、片瀬の方へと目を向ける。
クラスが、しん、となる。
「気持ち悪いんだよ、お前!」
片瀬はまず、そう言った。
「その、頭掻き毟る癖も、変な喋り方も、何考えてるのか分かんない所も、気持ち悪いんだよ!」
「お前が、頭を掻き毟るたびに、フケがぱらぱら落ちてるんだ!」
これは、事実ではない。と僕は思った。
僕もなんだか桜井が頭を掻き毟る所を見てきたが、そのようなものは見えなかった。
では、なぜ嘘を言ったのか?
それは……、
「え……、桜井君って、そんなだったの?」
「うわー、汚い……」
こうするためである。
女子が一緒に桜井を軽蔑視することで、片瀬は女子と言う後ろ盾を得たと思いこめる。
これにより、彼の口撃は益々ひどくなっていく。
「お前、いつも何考えてんの?俺、お前が何考えてるか全然わかんねぇ!クラスの女子でエロい妄想とかしてんの?」
この発言で、一部の女子が小さく悲鳴を上げる。
「だいたい、その気持ち悪い喋り方なんなんだよ!いっつも語尾伸ばしやがって、お前、ホントはオカマなんじゃねぇの!?」
「障がい者なうえオカマだなんて、ホント、お前は人間のクズだ!」
言ってしまった。
こいつ、いや片瀬はこのクラスの暗黙のルールを破ってしまった。
誰も、桜井に、そう、『障がい者』と言うのは、いけない、と、皆が感じていた。
それは、差別になってしまうから。
僕らは道徳の授業で、『差別はいけないとこ』、と教えられた。
だから、桜井を、桜井の目の前で『障がい者』と言ってしまうことは、桜井を差別してしまうことだと皆思っていた。
本当は、それは正しいのかどうかしらないが、皆そうして今まで過ごしてきた。
しかし、片瀬が『それ』を言ってしまうことで。
僕らの、何かが、崩れ始める。
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