大人オリジナル小説

僕の物語
日時: 2013/01/30 20:32
名前: Q ◆eN9KdBg3KY

初めまして。
ここで小説を書かせていただくのは初めてです。
至らない点もあると思いますがよろしくお願いします。


感想をもらったら滅茶苦茶嬉しいのでできれば感想をよろしくお願いします・・・。
批評でもいいです。

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24



Re: 僕の物語―第1章― ( No.4 )
日時: 2013/02/02 17:35
名前: Q ◆eN9KdBg3KY

「おい孝太。顔青いぜ?どうしたんだよ?」

いつの間にか僕は教室にいた。隣には片瀬がいる。さっき桜井健太とぶつかり、足が浮ついていたのかもしれない。

「ああ、うん。大丈夫」

「そうか?ならいいんだけどさ…」

なんとか取り繕うことができた、とホッとしたのもつかの間、

「さっき、桜井とぶつかったよな。たぶんそれ、気持ち悪かったんだろ?」

彼は、核心をついてくる。

「え、いや……」

「いいよ。本当のことを言えって。まぁお前、全然他人の悪口とか言わないから、言いづらいのかもしれないけど。俺もアイツ、ちょっと苦手なんだ」

片瀬はすべてを分かったように、うなずいている。

「…なんで、苦手なんだい?」

僕は、わからなかった。障害を持っているというだけで、人からさけられてしまう理由が、わからなかった。理由は知っている。だが、理解はしていないのだ。だからつい、聞いてしまった。

「…そりゃあ、なんか桜木って何考えてるかわかんなくて気持ち悪いじゃん?それに障がい者だしよ…」

えっ、とつい口から声が漏れてしまった。

「え?お前は、違うのかよ?」

片瀬は近寄りながら、責めるような口調で言ってくる。

「あ、いや、僕も片瀬と大体同じなんだ…。僕だけかと思ってさ。こんなこと考えてるの」

どうにか取り繕う言葉を言えた。また、ホッと息をつく。
片瀬も、さっきの責める口調とは変わり、同志を迎えるかのように

「なーに、心配すんなよ。そんなこと、このクラス全員が考えているさ」

と言った。

このクラス全員が?
それは本当なのだろうか?
もしも、それが本当なのだとしたら。
もし、桜木健太がただ、『何を考えているか分からないし、障がい者だから』という理由だけで皆から遠巻きに見られてるとしたら。

それは恐ろしい事だと僕は思った。

『何を考えているか分からない』?

それは、このクラス、いや世界中の全員に言えることではないのだろうか?
誰も、誰かの考えてることなど、完璧にわかるはずがない。
たぶん、片瀬もクラスの皆も『それっぽい理由』をつけているだけなのだ。
皆、桜井健太を気味悪がっている理由は『障がい者だから』。これだけなのである。
しかし、皆怖いのだ。差別をしてしまっている自分が。差別などと言う醜い行為をしてしまっている自分が、本当の自分であるわけがないと思っている。
だから、それっぽい理由をつけて、『自分はちゃんとした理由があるから、桜井健太を気味悪がる権利がある』という大義名分が欲しいだけなのである。

また、冷や汗が出る。
心臓がドキドキする。
今度はハッキリとわかった。

――これは恐怖だ。

と。

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大7000文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。