大人オリジナル小説
- 僕の物語
- 日時: 2013/01/30 20:32
- 名前: Q ◆eN9KdBg3KY
初めまして。
ここで小説を書かせていただくのは初めてです。
至らない点もあると思いますがよろしくお願いします。
感想をもらったら滅茶苦茶嬉しいのでできれば感想をよろしくお願いします・・・。
批評でもいいです。
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- Re: 僕の物語―第3章― ( No.17 )
- 日時: 2013/02/07 17:56
- 名前: Q ◆eN9KdBg3KY
9月8日、昼。そろそろ夏休みボケも治ってきたころ。
2学期が始まって、もう一週間以上が経過したが、未だにこの暑さが衰えることはなかった。蝉の鳴き声は少なくなってきたものの、この日も、皆眉を寄せていた。
しかし、昼休みが始まりドッヂボールをするとなると、皆暑さなど忘れたかのように激しく動く。
そしてまた昼休みが終わると、体中汗まみれになりながら階段を駆け上がっていく。いつもの僕らの行動だ。
しかしこの日、僕らの『いつも』が変わっていた
最初に聞こえてきたのは片瀬の声だった。
「おい桜井、お前何やってんだよ!」
今日片瀬は、昼休みのドッヂボールに参加していなかった。
彼は夏休みの宿題をすることを怠けてしまい、2学期が始まって1週間経っても、まだ宿題を終わらせていなかった。なので彼は、昼休み返上で黙々と宿題をしていた。
しかし今日、片瀬は読書感想文を最後に、夏休みの宿題を終わろうとしていた。給食時間、片瀬は嬉しそうに
「もうすぐ読書感想文書き上げるんだ!」
と喜んでいた。
だったのだが、今の片瀬は非常に怒っている。その怒りの矛先は彼――桜井健太であった。
僕の友達の一人が「おい、一体どうしたんだ?」と小声で片瀬と一緒に宿題をしていた人に聞いていた。
僕も耳を傾けてみると、どうやら桜井は、牛乳を片瀬の読書感想文の上にこぼしてしまったらしい。
何故、給食時間が終わった今そんなことに?と考えたら、僕の友達の一人もそう思ったらしく、どうしてそのようなことが起こったのか尋ねていた。
どうやら桜井は、給食で飲まなかった牛乳を鞄に入れようとしたところを、上野先生に目撃されてしまい、今すぐ飲むように言われたらしい。
そういえば、桜井はいつも牛乳を残しては鞄に入れていたのを何度か見たことを思い出した。たぶん、桜井は牛乳が嫌いで、いつも家に持って帰ってこっそり捨てているのだろうな、と推測もしていた。
牛乳を鞄に入れようとした桜井を見たとき、たぶん上野先生も同じことを思ったのだろう。だから、サディストな上野先生は、桜井に牛乳を飲むように強要したのだ。
上野先生はその後、やらなければいけないことがあったらしく、教室にいた片瀬たちに、
「桜井がちゃんと飲むか見ておいてくれ」
と頼んだと言う。
すると片瀬は面白がりながら、彼を貶すように、牛乳を飲まない人間は最低な人間だ。という内容を彼の持つ様々な語彙で言ったらしい。
ちなみに彼は、口喧嘩だけでなら、このクラスで一ん番強いと言われていた。
その時の桜井は、泣き目になりながら、ただただ俯いていたらしい。
片瀬はその姿を見て、
「顔をあげろよ!そんなに牛乳飲みたくなきゃ、俺が飲ませてやる!」
と言い放ち、彼の顔に牛乳を押し付けようとしたらしい。
それを桜井が手で薙ぎ払い、偶然片瀬の読書感想文にかかってしまったらしい。
(……どっちもどっち、というか、片瀬が悪いのではないか)
僕としての感想はそれだけだった。
牛乳を残した桜井も悪いが片瀬も余計なことをしなければいものを。とりあえず、理由を話せば上野先生もわかってくれるし、桜井もすぐに謝ればいいだろう。
ただ、それだけの話だと僕は思った。
結果、それは僕の大きな勘違いだった。
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