大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- 沖土I 始まり
- 日時: 2013/09/07 06:14
- 名前: 羅紗
5月4日 午前6時
沖田はいつものように土方の部屋を目指していた
「今日はどんな事をしてやりましょうかねぇ・・・」
隊士達は黒い笑みを浮かべている沖田におびえながら、横を通り過ぎていく
土方の部屋まで来ると中で近藤と土方が話といるのに気づき
沖田は耳をすまして壁にもたれて話を聞く事にした
「トシ、少し休んだらどうだ?最近働きすぎた。」
近藤は土方の体を心配して部屋まで来ていた
「大丈夫だ、働いていた方が落ち着くー・・・ゴホッ!」
土方は口に手を当て苦しそうに咳をしすぐにその手を後ろに隠した
「大丈夫じゃないだろ!トシ!」
「近藤さん・・・」
「何だ?!」
苦しそうな顔をしている土方に近藤は歩みよる
「・・・いや・・・何か体に良さそうな物食いてぇと・・・」
「分かった!栄養たっぷりの飯を持ってきてやるからそこで寝てろよ!」
近藤は急いで土方の部屋から出ていく
沖田には気づかず走って行く近藤を見て沖田は少し笑った。
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- Re: 沖土I 始まり ( No.123 )
- 日時: 2013/11/17 10:25
- 名前: 羅紗
二人がつき合いだしたのは、沖田の姉ミツバが死んだ頃ぐらいからだった
毎日元気がなかった土方に、出会った頃から、密かに恋いしていた沖田は告白した
今は姉の代わりでもいいんでさぁ、でもいつか!俺を好きにしてみせますぜ!
土方は沖田に救われた
生きていくのさえ辛くなっていた土方にとって、ずっと側で、自分を必要としてくれている人がいるという現実に、土方は本当に救われた。
あまり感情を表にださない土方はその時、沖田の前で初めて泣いた
その日から、沖田に少しずつひかれていく自分がいたことに気づいた
今では体を重ねるほどになっている
やっと掴み取った幸せだった
二人で今までがんばってきた証だった
これからだった
毎日が楽しかった
それが・・・
音をたてて崩れていった気がした
つづく
- Re: 沖土I 始まり ( No.124 )
- 日時: 2013/11/17 22:00
- 名前: 羅紗
その箱が送られてきた次の日から、毎日のように同じ時間に、同じ箱が届くようになっていた
その日から、見回りにしても屯所に居るときでさえ、誰かの視線を感じるようになっていた
「土方さん・・・元気をだしてくだせぇ」
「あぁ・・・悪い・・・」
土方の体が震えているのを沖田は見逃すはずがなかった
土方が怖がるのも無理はなかった。毎日毎日、こんなものが送られてきては、さすがの土方も恐怖するに決まっていた
最近では手紙なども届くようになっていた。
手紙の内容など最初から見ていない。気味が悪すぎてすぐに捨てていた
「土方さん!」
沖田は震える土方を優しく包み込んだ
「土方さん!何があっても俺が守りまさぁ!だから安心してくだせぇ!」
今の沖田はこんなことぐらいしか出来なかった。それでも土方は少し安心したのか、体の震えが止まった気がした
何があってもアンタは俺が守るんでさぁ・・・たとえこの身がどうなろうと・・・
その日二人は久しぶりに体を重ねた
そうしないと壊れてしまいそうで・・・
二人の体温が互いを安心させた
二人は朝まで互いの体温を感じながら眠っていた
そして今日も箱が届いた
つづく
- Re: 沖土I 始まり ( No.125 )
- 日時: 2013/11/20 00:00
- 名前: 羅紗
「トシ!スマンが今日は一人で見回りに行ってくれ。総悟は別件で、今は手が離せないんだ」
近藤の話によると、沖田は、最近この町でよく起こるようになった強盗事件を追っているらしい
しかたなく、土方は一人で屯所をでることにした
毎日届く箱が止まることはなかった。指紋を調べても、ご丁寧に消してあり、誰か特定することすら出来ない。あらゆる手を使っても、箱は毎日届く
(今も・・・見られてるのか・・・)
人波の中、微かに感じる背後からの違和感に、土方は嫌な汗が垂れる
早く歩くと、相手も早く歩いてくる
(ッチ!誰なんだよ?!!)
土方はすぐ横にあった路地に入り、物陰に隠れた
「・・・」
気配は確かに土方の方に近づいていた
そして、路地に誰かが入って来た瞬間
「俺に何のようだ?!!!」
土方はその気配のする方に向かって叫んだ
「えっ?いや、用っつーか・・・」
「あ?その声は・・・万事屋?!!」
突然の坂田の登場に土方は驚きを隠せなかった
物陰から出ると、確かに坂田が黒いものを持って立っていた
「これ落としたから渡そうと、お前を追っていたんだが・・・何か俺、まずいことした?」
坂田が持っていたのは、土方の財布だった
つづく
- Re: 沖土I 始まり ( No.126 )
- 日時: 2013/11/23 01:02
- 名前: 羅紗
土方は財布を無くしたことにさえ気づかないほど、周りが見えていなかった事に、改めて自分が焦っていた事に気づかされた
土方は、坂田に珍しく礼を言うと、路地を出ようとした
もちろん、坂田は少し驚いていたが、声に出すことはなかった
(・・・怪しい気配は・・・無いな・・・だが、万事屋はどこで財布を・・・見回りに財布は持っていかねぇし・・・)
土方は、坂田に対して不思議に思う事がいくつかあったが、今は何となく、早めに屯所に帰ろうと思った
ガシッ!・・・
坂田に肩をいきなり掴まれて、口から心臓が飛び出しそうになった
「どうしたんだよ?土方・・・」
「えっ?いや・・・ハハッ」
坂田は目の前で立ち止まったまま動かない土方に心配そうな顔でのぞき込んでいた
そして、懐から紙切れを取り出し土方に渡した
「土方!なんかあったらこの万事屋までくるといいよ、いつでも相談にのるからぁ」
「あっああ・・・」
名刺を渡した坂田は、小走りで路地をでて、どこかへ行ってしまった
(そんなに顔にだしていただろうか?)
土方は坂田の名刺を懐に入れた
沖田は仕事で、最近は一緒に見回りをしなくなった。それでも箱は毎日届いた
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