大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- 沖土I 始まり
- 日時: 2013/09/07 06:14
- 名前: 羅紗
5月4日 午前6時
沖田はいつものように土方の部屋を目指していた
「今日はどんな事をしてやりましょうかねぇ・・・」
隊士達は黒い笑みを浮かべている沖田におびえながら、横を通り過ぎていく
土方の部屋まで来ると中で近藤と土方が話といるのに気づき
沖田は耳をすまして壁にもたれて話を聞く事にした
「トシ、少し休んだらどうだ?最近働きすぎた。」
近藤は土方の体を心配して部屋まで来ていた
「大丈夫だ、働いていた方が落ち着くー・・・ゴホッ!」
土方は口に手を当て苦しそうに咳をしすぐにその手を後ろに隠した
「大丈夫じゃないだろ!トシ!」
「近藤さん・・・」
「何だ?!」
苦しそうな顔をしている土方に近藤は歩みよる
「・・・いや・・・何か体に良さそうな物食いてぇと・・・」
「分かった!栄養たっぷりの飯を持ってきてやるからそこで寝てろよ!」
近藤は急いで土方の部屋から出ていく
沖田には気づかず走って行く近藤を見て沖田は少し笑った。
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- 一輪の花 二十三 ( No.235 )
- 日時: 2014/09/11 00:13
- 名前: 羅紗
気付いてたんだな…銀時…もう戦う事を止めて欲しいって思ってた事を
「この刀…本当に俺が持ってていいのか?」
俺は、その刀を強く握り締めた
「あぁ、その刀は、先生から貰った俺の命みたいに大切なものだ…十四郎に持ってて欲しいんだ」
先生……?
「分かった、大切にするよ俺!!!」
「あぁ…」
銀時は、ニッコリ微笑むと、ポンッと俺の頭に手を置いた
「これからは、どんな事が起ころうと、いつでも俺は、お前のそばにいる事を忘れるな」
「うん」
「もし、これから先お前が危ない目に合っても、必ず俺が助けて見せる…この命尽きたとしても…必ず」
そう言って、ギュッと俺を温かく包み込んだんだ
「約束だ……十四郎…」
そう言ってアンタは小指を出してきた
「嘘付いたら、針千本飲ーますー……」
俺達は、笑いながら指切りを交わした。俺は、嬉しくて泣いたのを覚えている
「約束だぞ?銀時…」
「あぁ、約束だ」
そう言って、俺達は少しの間、抱き合ったままでいた。
ずっと、楽しい日々が続くと信じていたー…
「起きろー!十四郎!」
「うぇ?!」
次の日、銀時の呼ぶ声で、俺は目を覚ました。外はまだ暗くて、朝日がまだ登っていない時間帯だという事に気付いた
「どうしたんだ?こんな時間に…」
目を擦りながら、喋る俺にアンタは笑いながらこう言った
「散歩しないか?」
急な話の流れに、目を丸くしたが、こうして二人で何かをする、というのは出会ってから、あまりなかったから、嬉しくて俺は一瞬で目を輝かせたと思う
「行く!!」
俺は急いで服を着替えて、銀時から貰った大切な刀を腰に付けて玄関へと走った。少しワクワクしてたんだ
「何処に行くんだ?」
「内緒だよ」
「ふーん…」
俺はそう言うと、スッと白い物が空から降って来た事に気付いた
「わぁ!銀時!!何だこれ!」
「十四郎…お前雪を知らないのか?」
アンタは少し驚いた顔をしたんだ。そして、はしゃぎ回る俺を見てアンタは笑った
この白い雪ってやつは、何だか銀時みたいだな…
ふとそう思った。すると銀時は、俺の冷たくなった手をギュッと握って、勢い良く走り出したんだ
「うわぁぁ!」
情けない声を上げながら、俺は手を引っ張るアンタの後ろをついて行ったんだ。
少し走って行くと、近くで水の流れる音が聴こえてきたんだ。そして、進むに連れて大きくなる虫達の声を聞きながら、俺達は笑っていたんだ
- 一輪の花 二十四 ( No.236 )
- 日時: 2014/09/11 00:28
- 名前: 羅紗
「着いたぞ!!十四郎…」
「すっげぇー!!!」
何分走っただろうか、着いた場所は小さな滝がある池だった。その池の周りに、いくつもの光る生き物が飛んでいたんだ。俺は、初めて見る美しさに、とても驚いた。その光が水に反射して、その池の周りだけが明るいんだ
「何コレ?」
俺は、目の前を飛んだ光る物を指さした
「これは、ホタルって言うんだよ」
「ホタル?…へぇー、綺麗だな!」
「こんなにいるのは初めて見たな…ここは、俺が大好きな場所なんだ。十四郎に、一回来て欲しかった所なんだよ。空気は綺麗し、静かだし…」
「落ち着く場所だな…こんな所、初めて来たよ」
「気に入ってくれたか?」
「あぁ!!」
俺達は、互いの顔を見合わせて笑い合ったんだ
こんな世界にも…こんなに美しい場所があったんだな…
俺はふとそう思った
「十四郎…俺はなぁ、お前に出会うまで、この世界が大嫌いだったんだよ」
銀時が、俺にポツリ、ポツリと話し始めたんだ
- 一輪の花 二十五 ( No.237 )
- 日時: 2014/09/14 09:45
- 名前: 羅紗
「俺には昔、吉田松陽先生っていう、大切な人がいたんだ。俺に生きる希望をくれた人だった。でも、先生は殺されちまったんだ...」
吉田松陽...アンタが言ってた先生って、この人のことだったんだな...
「俺は先生を殺したこの国が許せなかった...だから、この国を潰してやろうって、何度も何度も考えたんだ...でもあの人は、そんな事望んじゃいねぇって...そんな事してほしくて俺達を育ててくれたんじゃねぇってことは、痛いほど俺達が分かってたんだ.....こんな欲や血や金や権力にまみれた汚い国でも、先生は、この国を愛していた...純粋で失敗を恐れない、真の心を持っている、子供達がいるから...そう先生は、俺達に話してくれたんだ。なら俺達は、先生の愛した国を守ろうって、先生が信じたものを信じよう...そう決めたんだ。でも、やっぱり復習したいって気持ちは、消えなかった.....俺達は今、この国を乗っ取ろうとしている、天人と戦ってる...国を守るために
あの日十四郎と出会って、生活していくうちに、俺の中で、復習したいって気持ちが、少しずつお前を守りたいって気持ちに変わっていったんだ。先生が愛したものが分かった気がしたよ」
- 一輪の花 二十六 ( No.238 )
- 日時: 2014/09/15 15:29
- 名前: 羅紗
アンタは光ホタルを眺めながら、そう話したんだ
「銀時、話してくれてありがとう...
俺もアンタと出会って、俺の中で考えが色々変わったんだ...学ぶことも沢山あった。俺も銀時を守りたい。俺はアンタに出会って良かったと、心からそう思ってるんだ」
俺たちは、朝日が上るその瞬間まで、この美しい景色を目に焼き付けたんだ
「帰るか、十四郎...」
「あぁ!また、二人で此処にこような!」
「...そうだな」
そんなやり取りをしながら俺達は、この場所をあとにした
「十四郎、稽古はしてるのか?」
「刀のか?もちろん!もう、銀時より強いかもな!」
小屋への帰り道、アンタの問いに俺は、胸を張って答えたんだ。もちろん、最後の言葉は冗談だけど...
「そうか...それなら、安心だな......」
「何が?」
アンタが一瞬、寂しそうな顔をしたことに、俺は気づけなかったんだ
「何でもない、聞いてみただけだ」
「ふーん...変なの」
俺はこの時、何だか少し嫌な予感がしたんだ。
小屋に帰ってきた俺達は早速、朝ご飯の準備に取りかかった。帰り際にキノコを沢山取った為、今日一日キノコづくしになるなと、俺は一人で笑ったんだ
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