大人オリジナル小説
- 白楼雪短編集(R18BL)
- 日時: 2022/03/23 02:43
- 名前: 白楼雪
私の気紛れゆっくり更新短編集です。
最近長編が多かったので、短編を書こうかなと思いました。
遅筆ながら徒然なるままに書いていきます。
色の濃い短編となると思います。
上手く書いていければ、いずれ官能の短編集も書き始めるかもしれません。
それでは始めます。
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- Re: 白楼雪短編集(R18BL) ( No.9 )
- 日時: 2022/06/16 05:44
- 名前: 白楼雪
淡く触れ合う唇に、温かな熱と矢崎の僅かに跳ねるよな震えを一つ感じた。
「こういう時って、目を閉じたりするものじゃないですか?」
淡い口づけは数秒の温もりを味わうと、甘い吐息を溢して離れる。
先輩である彼が珍しく動揺した様子を感じて俺がつい軽口を叩くと、矢崎に両肩を掴まれたと気づいた瞬間、藤途の背後はベッドに沈み視線は天井を見上げていた。
「良いのか。俺は、お前の恋人でもないんだぞ」
藤途の華奢な身体を覆い囲むように見下ろす矢崎の瞳は欲に駆られ、声音には淫靡な熱が僅かに感じられた。
これが見ず知らずの男性相手ならば、嫌悪感を感じていたかもしれない。
だが、矢崎という少なからず縁があり、彼に惹かれていた気持ちからか、初めて同性に抱かれるなら彼が良いといつの間にか思っていたのだ。
「先輩がどう思ってても、初めてするなら貴方が良い。今そう思っただけです」
ここで嘘や誤魔化す意味はない。
そう思い藤途が静かに微笑み彼の頬を撫でると、頬に触れる手に矢崎の手が柔らかに重なる。
「煽ったからには、途中で止めたりはしないからな」
頬に触れていた手を掴むと、矢崎は藤途を組敷くような体勢で覆い抱き、藤途の首筋に淡く口づけを重ねた。
首筋に触れる甘い温もりは、首筋から喉元、鎖骨へと幾つも散っていく。
「あっ…先輩。シャツくらい自分で、脱げますから」
藤途の身に付けているネクタイを緩め、シャツの釦を指先で外していく矢崎の手に触れ、俺は甘い吐息を溢しながら制止しようとする。
だが、彼は弱々しく触れる手を気にも止めず、シャツの釦を一つずつ外して藤途の鎖骨から胸の中央へと手を這わせた。
「これから抱く相手の衣服を脱がすのも、俺の楽しみ方の一つなんだ。好きにさせろ」
そう告げ藤途の胸の桜色の尖りに、矢崎の唇が触れ甘く噛まれる。
「ん…っ、先輩…そんなふうにされるのは…」
昨日までは、男同士での情事など本当に出来るのか半信半疑だった。
だが、今の俺は矢崎の繊細に触れる愛撫に欲を駆られ、確かに感じていた。
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