大人オリジナル小説
- 白楼雪短編集(R18BL)
- 日時: 2022/03/23 02:43
- 名前: 白楼雪
私の気紛れゆっくり更新短編集です。
最近長編が多かったので、短編を書こうかなと思いました。
遅筆ながら徒然なるままに書いていきます。
色の濃い短編となると思います。
上手く書いていければ、いずれ官能の短編集も書き始めるかもしれません。
それでは始めます。
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- Re: 白楼雪短編集(R18BL) ( No.10 )
- 日時: 2022/06/27 07:31
- 名前: 白楼雪
「なんだ、胸だけでも感じてるのか」
矢崎の白い歯が、藤途の硬くなった胸の尖りを掠れる。
熱を帯びた囁きが、淡く開いた矢崎の口から胸を撫でるように吐息と共に溢る。
それを感じ意識するだけで、俺の思考は蕩けそうになった。
甘ったるい欲に瞳を潤ませる藤途の表情を、先輩である彼が悪戯心を滲ませた上目遣いで見上げてくる。
「は…ぁ、ん…うるさいですよ。先輩」
上半身だけとはいえ、両胸の硬くなった二つの尖りを見られた今、否定の言葉など浮かばなかった。
せめてもの抵抗として藤途は視線を逸らして軽口を叩く。
だが、そんな藤途の仕草に矢崎の欲は更に煽られたのだろう。
彼の瞳は熱を色濃くして、唇が吊り嫌な笑みを浮かべていた。
「先輩に対してうるさいとは、生意気な後輩だな。ここは素直だが、こっちはどうかな?」
愉しそうな矢崎の低い温かな声と、俺の胸の尖りを指先で弾く強い甘美に、藤途は身を小さく震わせた。
そのまま矢崎は器用に片手と柔らかな唇で藤途の胸を愛撫しながら、もう片手で藤途の腹部から下腹部。更に紺色のスラックスのベルトに触れ、ベルトの金具を外しスラックスを緩めていく。
「はっ、なんだよ。男相手は経験無いって言ってたわりに、充分感じてるじゃねぇか」
紺のスラックスを脱がされベット下に落とされると、半分程欲に感じた藤途のモノを、黒いトランクス越しに矢崎の手が這い撫でた。
「ん…っ、先輩…こそ、もしかして、立ってるんじゃないですか?」
先輩に下着越しでモノを刺激されながら下着に小さな染みを滲ませていた藤途は、羞恥と悔しさから甘い吐息を溢しながら矢崎の頬を指先で撫でる。
言葉にした煽りに深い意味などなかった。ただ、俺だけが感じ欲に溺れそうになっている。俺が一人、矢崎との情事に高揚しているとしたら、それは不満な気がしたのだ。
この感情を恋だの愛だのと決めつけるのは早計だとは思うが、少なくとも今、藤途は矢崎との情事に欲を駈られていた。
しかしそんな気持ちは藤途の心の奥底にあるだけで、言葉にして発しなければ伝わらないものだ。
それは矢崎も例外なく、ただ藤途の煽りに彼は自身の衣類を脱ぎ、程好く引き締まった裸体と、既に欲に駈られ大きく硬くなっている矢崎のモノが藤途の視界の端に映っていた。
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