大人オリジナル小説
- 白楼雪短編集(R18BL)
- 日時: 2022/03/23 02:43
- 名前: 白楼雪
私の気紛れゆっくり更新短編集です。
最近長編が多かったので、短編を書こうかなと思いました。
遅筆ながら徒然なるままに書いていきます。
色の濃い短編となると思います。
上手く書いていければ、いずれ官能の短編集も書き始めるかもしれません。
それでは始めます。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18
- Re: 白楼雪短編集(R18BL) ( No.4 )
- 日時: 2022/04/26 00:36
- 名前: 白楼雪
結果藤途の予想は当たっていたようで、水色は二言返事で受け入れてくれた。
そして今は待ち合わせ場所と時間を決める話をするまでになっていたのだ。
『了解。店内だと、他の客も多かれ少なかれいるだろうな。そうなると、お互いに何か目印になるものもあると良いかもしれないな』
水色からの返信に、俺はバソコンの画面を見つめ数分考える。
成人男性が喫茶店に居る。その状況で訝しいと思われない。尚且つ分かりやすい目印。
示し合わせるとなると、意外と選択に悩むものだ。
「ああ、別に同じ物である必要はないんだよな」
目印というのは互いに認識出来れば良いわけであり、予め通じていれば揃える必要はない。
そこに思いあたり、俺はバソコンのキーボードに指を走らせる。
『俺は「淡雪」という文庫を持って行こうと思います。待つ事になればそれを読んでいるかと思います』
【淡雪】というのは、最近発売された現代純文庫である。
藤途の気に入っている作者の新刊でこれがなかなかに奥深い物語なのだ。
文庫の新刊発売というのは待ち遠しくなるもので、一度新刊が出ると次刊出るのはかなり掛かるものが多い。
なので藤途は新刊を手に入れると、出来る限り時間を掛けて味わうように読むようにしていた。
『淡雪か。確かこの前書店で見掛けたな。俺は週刊誌にしようかな。たぶん喫茶店の中に置いてあるやつを読んでると思う』
喫茶店に置かれた週刊誌。それだけでは少し厳しい気もする。
喫茶店で何かの週刊誌を読んでいる者など珍しくもない。ましてや備え付けの雑誌など目印になるかわからないと俺は思っていた。
そう悩んでいた俺に、水色が追加の文を送ってきた。
『あと、エスプレッソを注文する予定だから、それを目印って事で良いか?』
エスプレッソに週刊誌。それに成人男性とわかっていれば、確かに充分の目印と言えるだろう。
『わかりました。当日楽しみにしています』
口元に微笑を浮かべ水色に送ると、藤途は安堵の吐息を吐いた。
そのあと俺達は少し雑談を楽しみ、その日の夜をパソコンの電子越しに共に過ごした。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18