大人オリジナル小説

瑠璃色の菖蒲(合作r18BL短編集)
日時: 2022/04/25 23:12
名前: 白楼雪+ゆうりん@ベルトルトは神

 ゆうりん@ベルトルトは神さんとの合作BL短編集です。
 R18有の合作は初なのですが、よろしければ温かい心で見守ってください。

 一応一本目は私、白楼が務めさせて戴きます。

※ ご意見・ご感想等は、雑談の方にある私のトピにお願いします。
  荒らし、乗っ取りはやめてください。
  その他「雑談したい」「合作したい」「意見交換してみたい」等も、
  雑談の方に来てもらえると助かります。

 それでは亀更新ながら始めさせて戴きます。


※ 2019/8/29  閲覧数1000突破しました。
         いつも合作短編集『瑠璃色の菖蒲』を読んで戴きありがとうございます。
         これからもゆっくり頑張りますので、よろしくお願いします。

※ 2019/11/17 閲覧数1500突破しました。
         今年中には三本目を終えたいと思ってはいるので、応援していて下さい。
         なお、終えたいという気持ちと、終わる事は別です(苦笑)頑張りはします。

※ 2022/4/25  閲覧数7000突破しました。
         三年過ぎた今も読んで戴いている。
         その事に感謝しております。
         これからも新たな物語を綴り続けます。頑張るぞ!

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Re: 瑠璃色の菖蒲(合作BL短編集) ( No.42 )
日時: 2019/10/21 18:51
名前: 白楼雪

「待って下さい」
テーブルから離れた東雲の左手首に、宮森の手が掛かる。
思いの外力強い宮森の握力に、東雲の眉間に浅く皺が寄った。
「離してくれませんか?代金は足りているでしょう」
気分を害した東雲が、手を振り払おうと自身の左手を乱暴に払い引き寄せようとした。
だが、それらの抵抗は無駄に終わる。
「確かに、食事のお代は戴きました。ですが、まだ話は終わってないでしょう」
振り払おうにも引き寄せようにも、宮森に掴まれた手は掴まれたままろくに動かせなかったのだ。
線が細く、決して大柄でもないこの男の印象とは全く違う。
数分迄思い馳せてた宮森という一人の男性の印象は、僅かな時で、がらりと変わっていた。
「もう、話す事なんてない」
左手を掴まれている以上、東雲に出来るのは、己の気持ちを打ち捨てるような対話だけ。
一瞬で咲いた愛の花が、颯爽と散った。ただそれだけの事なのだ。
平日の終わりに、気紛れに入った小さな店。そこで久し振りの恋をして、東雲なりに誠意を持って思いを伝えた。振られる覚悟で伝えたのだ。
気持ちに応えて貰えないのならば、仕方がない。嫌悪されても、まだ諦めがつく。
けれど、真面目に言った思いを、その好きな人に笑われるなんて惨めにも程があるというものだ。
こんなにも惨めで、羞恥と虚しさの渦巻く空間。一秒でも早く立ち去りたかった。

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