大人オリジナル小説

瑠璃色の菖蒲(合作r18BL短編集)
日時: 2022/04/25 23:12
名前: 白楼雪+ゆうりん@ベルトルトは神

 ゆうりん@ベルトルトは神さんとの合作BL短編集です。
 R18有の合作は初なのですが、よろしければ温かい心で見守ってください。

 一応一本目は私、白楼が務めさせて戴きます。

※ ご意見・ご感想等は、雑談の方にある私のトピにお願いします。
  荒らし、乗っ取りはやめてください。
  その他「雑談したい」「合作したい」「意見交換してみたい」等も、
  雑談の方に来てもらえると助かります。

 それでは亀更新ながら始めさせて戴きます。


※ 2019/8/29  閲覧数1000突破しました。
         いつも合作短編集『瑠璃色の菖蒲』を読んで戴きありがとうございます。
         これからもゆっくり頑張りますので、よろしくお願いします。

※ 2019/11/17 閲覧数1500突破しました。
         今年中には三本目を終えたいと思ってはいるので、応援していて下さい。
         なお、終えたいという気持ちと、終わる事は別です(苦笑)頑張りはします。

※ 2022/4/25  閲覧数7000突破しました。
         三年過ぎた今も読んで戴いている。
         その事に感謝しております。
         これからも新たな物語を綴り続けます。頑張るぞ!

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Re: 瑠璃色の菖蒲(合作BL短編集) ( No.7 )
日時: 2019/02/17 01:23
名前: 白楼雪

片瀬の説明に言葉を挟む事はせず、鷲見はゆっくりと思考を走らせていく。
片瀬の話が事実ならば、鷲見の腕の怪我は思った以上に深いものだったのだろう。
意識を失う前から、流れ落ちる血液と、重さを帯びた苦痛にその事は察していた。
左手を軽く握る。まだ痛みはあるが、神経は無事のようだ。力も入りにくいが、一週間もすれば治るだろう。
「世話になったな。今礼をする」
ベッドの傍らに置かれていた自身の上着を手繰り寄せ、鷲見は焦げ茶色の革財布を取り出す。
その行動で片瀬は察したのだろう。苦笑を溢し首を横に振り拒否を表した。
「別に、欲が絡んで貴方を助けた訳じゃない。金は要らないよ」
確かに、あの場で彼が鷲見を助けて得るものなど、何もありはしなかっただろう。
勿論、同業者や敵対関係のある者や、因縁や恨みを覚えている者でないとは限らないが、もしそれらが当てはまるのなら、清潔な部屋にて適切な処置を行い、拘束等をしない理由がない。
つまりこの片瀬という男は、本当にただ路地で死にかけていた鷲見を放っておけず、わざわざ自宅にまで運び、丁寧に治療してくれた器用貧乏そうな男だという事だ。
「…片瀬さん、あんた、もう少し賢く生きないと、損ばかりするようになるぞ?」
財布をコートのポケットにしまい、呆れた声で鷲見は言葉を吐く。
そんな彼の発言に機嫌を悪くする様子も見せず、片瀬が幾つかの薬を手渡した。

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