大人オリジナル小説

瑠璃色の菖蒲(合作r18BL短編集)
日時: 2022/04/25 23:12
名前: 白楼雪+ゆうりん@ベルトルトは神

 ゆうりん@ベルトルトは神さんとの合作BL短編集です。
 R18有の合作は初なのですが、よろしければ温かい心で見守ってください。

 一応一本目は私、白楼が務めさせて戴きます。

※ ご意見・ご感想等は、雑談の方にある私のトピにお願いします。
  荒らし、乗っ取りはやめてください。
  その他「雑談したい」「合作したい」「意見交換してみたい」等も、
  雑談の方に来てもらえると助かります。

 それでは亀更新ながら始めさせて戴きます。


※ 2019/8/29  閲覧数1000突破しました。
         いつも合作短編集『瑠璃色の菖蒲』を読んで戴きありがとうございます。
         これからもゆっくり頑張りますので、よろしくお願いします。

※ 2019/11/17 閲覧数1500突破しました。
         今年中には三本目を終えたいと思ってはいるので、応援していて下さい。
         なお、終えたいという気持ちと、終わる事は別です(苦笑)頑張りはします。

※ 2022/4/25  閲覧数7000突破しました。
         三年過ぎた今も読んで戴いている。
         その事に感謝しております。
         これからも新たな物語を綴り続けます。頑張るぞ!

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Re: 瑠璃色の菖蒲(合作BL短編集) ( No.26 )
日時: 2019/07/13 20:55
名前: ゆうりん@ベルトルトは神 ◆kGPnsPzdKU

「で、話って?」

蓮に連れてこられたのはあまり使われない体育倉庫。
使われないし、場所も校舎裏なので人通りはない場所だ。
薫は早く用事なら済ましてくれとでも言うように、早く話せと相手を催促する。

「へぇー、薫ちゃん。冷静だね」

蓮は催促する薫を見て、面白そうに微笑んでいる。
一体、何だって言うのだろうか。
薫の中で疑問が膨れ上がってくる。
どこか楽しげで如何にも何か握っているよという相手の表情は、恐ろしいと感じる。
薫は「……早くしろよ」と動揺を隠しながら言う。

「じゃあ、はい。これ見て」

そう言いながら相手が差し出してきたのは、一枚の写真。
その写真を見て、薫は目を見開いた。

「な、なんで……そ、れ……」

「あ、やっぱり?これ薫ちゃんだったんだ」

見せられた写真は、薫が夜の町で一人の男とホテルへ入っていく様子だった。
見られた……?なんで、いつ……
思考が混乱し、薫は弁解する事も出来ない。

「もう一枚あるんだ。ほら」

恐る恐る写真を見ると、次の写真は行為中の自分の姿だった。
何でこんな写真を彼が持っているのだろう。何故、バレたんだ。
薫は先程の態度とは一変し、「なんで……」とずっと繰り返す事しか出来ない。

「薫ちゃんがこの日相手にしたこの男、実は俺の親父なんだよね」

蓮は笑いながら上記を口にした。
その言葉に更に思考が混乱する。
どうして彼の父親がこんな自分とヤッたのだろう。子供がいるんだし、結婚しているのではないだろうか。
それに、どうしてその人はこんな写真を彼に渡したんだ。

「意味が分からない、っていう顔してるね。しょうがない、説明してあげる」

そう言って蓮は口を開く。
薫は彼の言葉に耳を向けた。

「俺の親父さ、昔から若い男の子が好きなんだって。まぁ、別に同性愛者ではないらしいんだけど。そういう趣味?っていうの?それで、何か最近帰りが遅いなって思って後着けてみたの。それで見かけたのがこの光景」

彼はまた薫と二人でホテルに入る写真を見せる。

「これは立派な浮気じゃないかなーって思って、帰ってきたら母さんがいないうちに問いただしたの。そしたら必死に『言わないで』って言ってきてさ、マジ面白かったわ」

彼はその時の光景を思い出したのか、ケラケラと笑った。
目の前の男は自分の父親の醜態を思い出して笑っている、それが凄く恐ろしく感じた。

「それでさ、俺は交渉したんだ、『言わないからその相手紹介して』って。それで見せてきた写真に薫ちゃんが映ってたってわけ。いやー、俺もビックリしたわー」

話の全貌を聞いても、薫の思考は混乱したまま。
彼は何がしたいのだろうか。何の目的で自分の父親に紹介してと頼んだのだろうか。
今度はそれが気になってしまって仕方ない。
これは、普通に聞いてみた方が良いのだろうか。

「……で、何がしたいんだ?」

「薫ちゃん。この写真バラ撒いて良い?」

あっさりと言われた言葉に薫は顔色を変える。
それは、普通に不味いだろう。生徒がサイトで出会った相手と淫行していたなんて知られたら、薫はこの学校にいられなくなる。それに、それだけではない。学校には知られなくても他の生徒たちに知られてしまっては、不味いことになるのは目に見えていた。

「そ、れは……やめてくれ。お願いだ。……なんでもするから」

薫は震えた声で言葉を紡いだ。
何でも言うことは聞いてやる。居場所を無くすよりかはマシだ。
その言葉を聞いた蓮は待ってましたかというように微笑んだ。

「言ったな?じゃあ……」

そこに屈んでと此方に命令しながら此方へ近付く。
薫が言われた通りに屈むと、蓮は突然ズボンのファスナーを開けモノを出す。
そんな突然の行動に戸惑い、薫が見上げれば彼が微笑みながら見下ろす。

「舐めてよ。慣れてるでしょ。それに、これバラ撒かれたくないなら俺の言うこと聞いてね?」

薫はその言葉に何も言い返せないまま、ゆっくりと口を開いた。

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