大人オリジナル小説

瑠璃色の菖蒲(合作r18BL短編集)
日時: 2022/04/25 23:12
名前: 白楼雪+ゆうりん@ベルトルトは神

 ゆうりん@ベルトルトは神さんとの合作BL短編集です。
 R18有の合作は初なのですが、よろしければ温かい心で見守ってください。

 一応一本目は私、白楼が務めさせて戴きます。

※ ご意見・ご感想等は、雑談の方にある私のトピにお願いします。
  荒らし、乗っ取りはやめてください。
  その他「雑談したい」「合作したい」「意見交換してみたい」等も、
  雑談の方に来てもらえると助かります。

 それでは亀更新ながら始めさせて戴きます。


※ 2019/8/29  閲覧数1000突破しました。
         いつも合作短編集『瑠璃色の菖蒲』を読んで戴きありがとうございます。
         これからもゆっくり頑張りますので、よろしくお願いします。

※ 2019/11/17 閲覧数1500突破しました。
         今年中には三本目を終えたいと思ってはいるので、応援していて下さい。
         なお、終えたいという気持ちと、終わる事は別です(苦笑)頑張りはします。

※ 2022/4/25  閲覧数7000突破しました。
         三年過ぎた今も読んで戴いている。
         その事に感謝しております。
         これからも新たな物語を綴り続けます。頑張るぞ!

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Re: 瑠璃色の菖蒲(合作BL短編集) ( No.39 )
日時: 2019/09/29 16:21
名前: 白楼雪

交差する視線。その交わりに一瞬、宮森の動揺が見えた気がした。
しかし敢えてそれに気づかないふりをして、東雲は中身の減ったグラスを彼に見せた。
「お水、貰えますか?」
「え?…あっ、ああ…。少々お待ちください」
間の抜けた声を上げ、最初に東雲を迎え入れたのと同じ優しい表情でカウンターから出てくる。
カウンターの傍らにある氷入りの水差し。その冷えているだろう硝子の取っ手を握る宮森の指先。ゆっくりと歩を進め木製の床に刻む静かな足音。
その一つ一つを見つめ、東雲は思う。
やはり言おう。東雲自身の気持ちを彼に。
それで断られ、二度とこの店に来る事がなくなったとしても、この心の淵に澱む靄を晴らせるならば、それが一番良い。
同性愛を自覚してから、幾つかの恋をしてきた。
思いを伝えた事もあったし、伝えずに薄れさせた事もある。
気持ちが報われた事なんてほとんどなかったが、それでも叶った時の愛しい日々は、今でも東雲にとって大切な人生の宝だと思っている。
だから、言おう。そう思ったのだ。
叶うなら愛しい時を宮森と供にしたい。叶わなくても、きっと忘れない。
傍らで宮森が水差しを手にグラスに水を注ぐ。
注がれたグラスがテーブルに置かれたその時、グラスを掴む宮森の手に東雲の手が触れた。
「え、あの…」
戸惑う宮森に一呼吸置き、東雲が言葉を綴る。
「宮森さん、初対面で失礼だとはわかっています。あなたが迷惑を感じるであろう事も…。ですが、俺は……」

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