大人オリジナル小説
- 嘘吐き造花が枯れるとき。
- 日時: 2014/10/25 22:18
- 名前: 桜 ◆7gBpJ8SNck
初めまして、もしくはお久しぶりです。
未熟ですが、よろしくお願いします。
私の体験も若干入っていたりしますが、多くはフィクションです。
前回に引き続き、御注意を。
・私の文章はまだまだ未熟です。
・誤字脱字があるかもしれません。(指摘して頂けると助かります)
・更新は不定期です。
・社会派小説から外れてしまうかもしれません。
・自己満足の小説で私の偏見で書いている所もあります。
そんな小説でも大丈夫でしたら、そのまま下へお願いします。
無理でしたら、小説一覧へお戻り下さい。
荒らし等はお止め下さい。アドバイスは大歓迎です。
コメントを頂けると嬉しいです。
それでは、始めます。
――――――これが私にとっての幸せなのでしょうか。
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- Re: 嘘吐き造花が枯れるとき。 ( No.16 )
- 日時: 2014/10/25 21:35
- 名前: 桜 ◆k7.5lqH5Sc
一緒に居たい。ただそれだけなのに。
話して、笑って、愛して、悲しそうにしないで。ただ、それだけを願ってきたのに。
許してくれるなら謝るから。何でもするから。
だから笑顔を見せて。夢の中と同じように。
学校からの帰り道。梅雨の時期だからか少し蒸し暑い。額に汗がにじむ。
Yシャツの袖を肘まで捲った。
―――――――大好き
そんな言葉が聞こえた。汚れを知らない純粋な声。言葉。
……幼い頃の私の言葉。今思うと馬鹿だなって。
傷ついて傷ついて。返されるのはナイフだけ。私を切り刻んで、治らない傷をつけて。
それでも近づこうとして。それが相手を傷つけることだと知らなくて。
幼い私は分かっていなかったんだ。いや、今でも分かっていないかな。
傷痕を抉ることは簡単だって。
ナイフをかざしてるのは私だ。私の我儘だ。
家を見上げる。5階建ての普通のマンション。今日も何事もなく家へ帰れた。
家の中は誰もいない。親は仕事で姉は多分部活。それかバイト。
毎日毎日大変だな。無理に笑ってて。
……辛いでしょ?
なんて、そんなこと言えないよね。
これが姉との唯一の共通点なんだから。繋がりなんだから。
お姉ちゃんの傷は体だけじゃない。そんなの知っている。ずっと前から、最初から。
治したい。只、そう思っただけなのに。
離れていっちゃうんだ、お姉ちゃんもお母さんも。はっきりと見えるのに、手を伸ばしても届かなくて。
マジックミラーの様に、私には見えても二人には私の姿は見えていなくて。存在を消されていて。
何がいけないのか。分かっているのに反対のことをしてしまう。
近づいてはいけないのに、話しかけてしまう。楽しそうに笑う、愛し合っている“家族”を演じてしまう。
こんなの家族じゃないのに。血なんて繋がっていないのに。
ねえ、お姉ちゃん。私は知ってるよ。
だけど、知らない振りをして笑っているよ。
言葉にしたら、もっと傷つけてしまうでしょ?離れていってしまうでしょ?
だから、笑うんだよ。“愛して”と叫びながら。
真実と捻じ曲げて、嘘を吐くんだよ。
お姉ちゃんが“虐待”されてたなんて。
……知らないよ?
ねえ、綺麗に笑えてる?
お姉ちゃんみたいに笑えてる?
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