大人オリジナル小説
- 嘘吐き造花が枯れるとき。
- 日時: 2014/10/25 22:18
- 名前: 桜 ◆7gBpJ8SNck
初めまして、もしくはお久しぶりです。
未熟ですが、よろしくお願いします。
私の体験も若干入っていたりしますが、多くはフィクションです。
前回に引き続き、御注意を。
・私の文章はまだまだ未熟です。
・誤字脱字があるかもしれません。(指摘して頂けると助かります)
・更新は不定期です。
・社会派小説から外れてしまうかもしれません。
・自己満足の小説で私の偏見で書いている所もあります。
そんな小説でも大丈夫でしたら、そのまま下へお願いします。
無理でしたら、小説一覧へお戻り下さい。
荒らし等はお止め下さい。アドバイスは大歓迎です。
コメントを頂けると嬉しいです。
それでは、始めます。
――――――これが私にとっての幸せなのでしょうか。
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- Re: 嘘吐き造花が枯れるとき。 ( No.26 )
- 日時: 2014/10/25 22:10
- 名前: 桜 ◆k7.5lqH5Sc
そういえば、緋色は言ってたね。
『ここから飛び降りれば、何もかも忘れられる。何もかも失える。そんな気がするでしょ、ここは。それが、私の唯一の希望なんだ。逃げ道なんだ』
何が緋色をそんなにも追いつめたのだろう。どうして死にたいと思うのだろう。
でも、私には関係ない。私に知る権利はない。知りたくないことを知った時の絶望は計り知れない程大きい。もう実感したでしょう?
それでも知りたかった。緋色の苦しみを知りたかった。
……自分より不幸な人を探していただけかもしれない。
あの古びた建物の屋上に人影は見えなかった。それでも期待を抱いて階段を上っていく。一段一段踏みしめて。私がここに存在していることを主張するように。
重いドアを開けると、曇り空が目に入った。柵に囲まれた殺風景な場所。ガランとした屋上。
「……やっぱりね」
自嘲気味に呟いた。私の言葉は空に吸い込まれ、消えていった。
緋色はもういない。私へ微笑みをくれる緋色はいない。哀しそうな顔をする緋色しかいない。私の“友達”はいない。
何を絶望に浸っているのだろう。こんなことは予想していた。
これは短い夢だった。私は優しい夢を見ていた。現実から逃れる為に私が作り出した夢。
もう茶番は終わりだ。楽しかった夢は。
少しは心の傷を癒せた?苦しみを共有出来た?
それでも元通りにしたいと思う私は身勝手でしょうか。
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