大人オリジナル小説
- 嘘吐き造花が枯れるとき。
- 日時: 2014/10/25 22:18
- 名前: 桜 ◆7gBpJ8SNck
初めまして、もしくはお久しぶりです。
未熟ですが、よろしくお願いします。
私の体験も若干入っていたりしますが、多くはフィクションです。
前回に引き続き、御注意を。
・私の文章はまだまだ未熟です。
・誤字脱字があるかもしれません。(指摘して頂けると助かります)
・更新は不定期です。
・社会派小説から外れてしまうかもしれません。
・自己満足の小説で私の偏見で書いている所もあります。
そんな小説でも大丈夫でしたら、そのまま下へお願いします。
無理でしたら、小説一覧へお戻り下さい。
荒らし等はお止め下さい。アドバイスは大歓迎です。
コメントを頂けると嬉しいです。
それでは、始めます。
――――――これが私にとっての幸せなのでしょうか。
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- Re: 嘘吐き造花が枯れるとき。 ( No.6 )
- 日時: 2014/10/24 21:41
- 名前: 桜 ◆k7.5lqH5Sc
どんなに苦しくても、どんなに辛くても。笑っていれば忘れられるよ、何もかも。それが嘘でも。作り物でも。
涙は見せてはいけない。いつでも、楽しそうに笑っていて。
だって、私はそうでなければいけないのだから。そうしなければ失ってしまうのだから。
「緋色、よろしくね」
改めて緋色に手を出した。勿論、笑顔付きで。
緋色は何も言わず、私の手に自分の手を重ねる。緋色の手はとても冷たくて、震えていた。
「よろしく」
緋色は笑っていた。少し引きつっていた気がした。
「……バイバイ」
緋色が手を振る。私もそれに返す。
「また明日」
何と無く、そう言ってみた。緋色が少し、笑ってくれた気がした。
緋色と別れて帰路につく。私の中学校は携帯の持ち込みは禁止なので、時間は分からない。多分、空の色具合から6時過ぎぐらいだと思う。部活帰りと誤魔化せる時間帯。
自分の家がどんどん近づいてくる。足取りは重く、気分は沈んでいく。
「……はあ」
溜息をつく。一旦足を止め休憩する。家は目の前に迫っている。ゆっくり、ゆっくりと歩を進める。
私は自分の家である5階建てのマンションの入口のドアを押し開ける。あの古びた建物のような不快な音はなく、無音で開く。
いつも通りの行動をいつも通りの早さで。恐怖で、それでも期待をして。
気づくと自分の家は目の前で。震える手で鍵を差し、ドアを開ける。
「……ただいま」
迎えてくれる人は誰もいなくて。静かな玄関に独り。
暗い玄関。手さぐりで電気のスイッチを探し、明かりを灯す。
親の靴はなく、姉の靴だけが綺麗に並んでいた。
微かに、テレビの音が聞こえる。リビングからだろうか。
私は靴を姉のとは少し離して置き、自分の部屋へ走った。誰とも会いたくない。誰とも関わりたくない。それが私の正しい選択。
鞄を机の横に置き、部屋着に着替え、宿題や予習復習をする。集中して、それ以外の事は考えないで。
姉を忘れる為に、母を忘れる為に、父を忘れる為に。
皆の言葉を忘れる為に。自分を守る為に。
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