大人オリジナル小説
- 嘘吐き造花が枯れるとき。
- 日時: 2014/10/25 22:18
- 名前: 桜 ◆7gBpJ8SNck
初めまして、もしくはお久しぶりです。
未熟ですが、よろしくお願いします。
私の体験も若干入っていたりしますが、多くはフィクションです。
前回に引き続き、御注意を。
・私の文章はまだまだ未熟です。
・誤字脱字があるかもしれません。(指摘して頂けると助かります)
・更新は不定期です。
・社会派小説から外れてしまうかもしれません。
・自己満足の小説で私の偏見で書いている所もあります。
そんな小説でも大丈夫でしたら、そのまま下へお願いします。
無理でしたら、小説一覧へお戻り下さい。
荒らし等はお止め下さい。アドバイスは大歓迎です。
コメントを頂けると嬉しいです。
それでは、始めます。
――――――これが私にとっての幸せなのでしょうか。
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- Re: 嘘吐き造花が枯れるとき。 ( No.13 )
- 日時: 2014/10/25 21:16
- 名前: 桜 ◆k7.5lqH5Sc
どんなに自分を嫌っても、どんなに自分を殺しても。世界は何も変わらない。
私が消えても、何も変わらない。只、回っている。
止まってしまえばいいのにとは思わない。私の事など忘れて永遠に回っていて欲しい。私の存在を消して欲しい。
辺りが暗くなってきた。どれくらい話したかな。緋色と仲良くなれたかな。
緋色は私を嫌いになっていないかな。
「……そろそろ帰ろうかな」
緋色がゆっくりと立ち上がった。暗くて緋色の顔がよく見えない。
緋色は今、どんな顔をしているの?緋色は今、何を思っているの?
嘘吐きの笑みを浮かべているの?
視界が歪む。私の手に涙が落ちた。少し温かくて、心地よい。
涙は私の心を癒してくれる。嫌なことを忘れる道具。
嫌なこと?嘘だよ、嘘だよ。嫌じゃないよ。楽しいよ。緋色といて楽しいよ。
……嘘だよ。
私は涙を流す理由が分かっていた。
「……笑美?何で泣いているの?」
緋色が私と顔を同じ高さまで下げる。
緋色の顔が見えないよ。グシャグシャに歪んで。緋色の綺麗な顔が台無しだよ。
「……ごめんね、知らない間に笑美のこと、傷つけちゃった。だから駄目なんだ、私は」
悲しそうな顔をしている。見えないけど分かるんだ。私は緋色を私は傷つけてしまったって。
大切な友達を傷つけてしまった私は最低だって。
笑っちゃうよ。
「そんなことないよ。突然泣いてごめんね。私、嬉しかったんだ。友達ができて」
鼻声で聞き取りにくい私の言葉。嘘吐きの言葉。
どこまでが本当で、どこまで嘘か。私にも分からなくなった。
それでいい。本当か嘘かなんて大切じゃない。誰も傷つかなければいいんだ。
たとえ全部嘘でも、信じれば本当だよ?
涙をハンカチで拭くと、目の前に綺麗に微笑んだ緋色がいた。
「……バイバイ。またね」
緋色は軽く手を振る。私も振り返す。
「うん、またね」
また会える。また話そうね、私の友達。
……信じてるよ?
嘘吐き。作り物なのに、いつか消えてしまうのに。
涙を流しながら笑って何が楽しいの、誰が喜ぶの。
傷ついて、傷ついて。愚かすぎて笑っちゃう。
嘘が下手すぎて笑っちゃう。分かっているのに信じてて笑っちゃう。
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