大人オリジナル小説
- 嘘吐き造花が枯れるとき。
- 日時: 2014/10/25 22:18
- 名前: 桜 ◆7gBpJ8SNck
初めまして、もしくはお久しぶりです。
未熟ですが、よろしくお願いします。
私の体験も若干入っていたりしますが、多くはフィクションです。
前回に引き続き、御注意を。
・私の文章はまだまだ未熟です。
・誤字脱字があるかもしれません。(指摘して頂けると助かります)
・更新は不定期です。
・社会派小説から外れてしまうかもしれません。
・自己満足の小説で私の偏見で書いている所もあります。
そんな小説でも大丈夫でしたら、そのまま下へお願いします。
無理でしたら、小説一覧へお戻り下さい。
荒らし等はお止め下さい。アドバイスは大歓迎です。
コメントを頂けると嬉しいです。
それでは、始めます。
――――――これが私にとっての幸せなのでしょうか。
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- Re: 嘘吐き造花が枯れるとき。 ( No.25 )
- 日時: 2014/10/25 21:57
- 名前: 桜 ◆k7.5lqH5Sc
いつも通り教室は騒がしくて、私を消してしまう。透明にしてしまう。
比較的仲の良い子に挨拶をして自分の席に鞄を置く。数人の友達が話しかけてきて、担任が来るまでお喋りをする。そんな日常。
何故こんなにも引き裂かれそうなのだろう。失うのを拒んでいるのだろう。もう大切なものは失ったのに。バラバラに壊れたのに。
今更拾い集めても、もと通りには戻らない。不格好ならもっと壊して捨ててしまおうか。
退屈な授業の終わりを告げる鐘が鳴り、昼食の時間。
決まっている班でまとまって食べなければいけない。独りで食べる人が出ないようにする学校の配慮。あの時は無かったのに。
昨日のテレビの話や友達との笑い話。話のネタは尽きない。
そんな中、あの子は静かに食べている。誰とも目を合わせないで黙々と食べ物を口に入れている。食べているより詰め込んでいる。
こうなるんだったら、独りの方が楽でしょう?集団の中で孤独を感じる。その方が辛いでしょう?
そんなことを考えても何も変わらない。もう時間は戻らない。
昼休みに私は嘘を吐いた。美術の絵具を忘れたという小さな嘘。
私は友達を連れて他のクラスの子に借りに行った。
2つ隣のクラスは、私のクラスを変わらない騒がしさだった。
その中に独り、席に座って本を読んでいる子がいた。長い髪で顔を隠すようにしている。数人が少し離れた所でその子を指差して笑っている。
私はその中の1人を名前を呼んだ。親しげに私の方へ走ってくる“友達”
用件を伝えるとすぐに貸してくれた。そして私のクラスメイトを含めて他愛のない話をする。
その子に気づかれないように、私は教室の中へ目を向けた。あの子も騒がしかったのか、私達の方へ視線の向けた。
―――――目が合った。
哀しげな顔の“緋色”。いつもの表情の“緋色”。絶望の淵に立っている“緋色”。嘘吐きの“緋色”。
私はすぐに目を逸らした。仮面が欠けた気がした。
“貴方は、あちら側の人ですか?”
そんな言葉が聞こえた。
涙を流した少女が綺麗に微笑んでいた。
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