大人オリジナル小説
- 嘘吐き造花が枯れるとき。
- 日時: 2014/10/25 22:18
- 名前: 桜 ◆7gBpJ8SNck
初めまして、もしくはお久しぶりです。
未熟ですが、よろしくお願いします。
私の体験も若干入っていたりしますが、多くはフィクションです。
前回に引き続き、御注意を。
・私の文章はまだまだ未熟です。
・誤字脱字があるかもしれません。(指摘して頂けると助かります)
・更新は不定期です。
・社会派小説から外れてしまうかもしれません。
・自己満足の小説で私の偏見で書いている所もあります。
そんな小説でも大丈夫でしたら、そのまま下へお願いします。
無理でしたら、小説一覧へお戻り下さい。
荒らし等はお止め下さい。アドバイスは大歓迎です。
コメントを頂けると嬉しいです。
それでは、始めます。
――――――これが私にとっての幸せなのでしょうか。
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- Re: 嘘吐き造花が枯れるとき。 ( No.24 )
- 日時: 2014/08/01 17:18
- 名前: 桜 ◆k7.5lqH5Sc
沢山の色が混ざって。ぐちゃぐちゃにして。
最初は鮮やかな色だったんだ。華やかな色だったんだ。
誰もが羨む素敵な色だったんだ。
……今は真っ黒だけどね。
なら、それに黒を混ぜても変わらないよね?
もう白を混ぜても仕方がないよね?
今日も綺麗な制服を着て、笑顔を張り付けて。
私はあの人とは違うから。綺麗で汚れていなくて、真っ白で。私はあの人と似ていない。そうでしょう?
今日も鏡の前で笑顔の練習をして。完璧な自分を作って。
他人には無意味なことかもしれないけれど。もがいているようにしか見えないかもしれないけれど。
私には、これしかない。汚れていても私のは見えない。フィルターのようなモノが見えなくさせている。どんなに黒く汚れていても、誰にも気づかれない。気づかせない。
他人の汚れは沢山見えるのにね。見たくないのに、心の底では見たいと思ってしまう。他人の汚いところを見て、笑ってしまう。やはり信じられないなって思ってしまう。
所詮他人なんだと思いたい。嘘吐きだって思いたい。私が嘘だから。作り物だから。
これが嘘だったら、どんなに嬉しいかな。
……嘘だよ。嘘だよ。あれは本当の私じゃないの。
――――ねえ、許してくれる?
もう1度、微笑んでくれる?
部活が終わったのか、少し騒がしい廊下をいつも通りの速さで歩く。
数人が大きな声で話しながら、私を抜いていく。2つ隣のクラスの人で、今は関わりのない人。楽しそうに笑っている。昨日の試合がどうだったとか、私にとってはどうでもいい話。本当に楽しそうに話している。憎らしいくらいに。
もう関わりたくない人達。あの人達を見ると思い出してしまう。また、あの頃に戻ってしまう。
私はその人達から逃げるように、歩く速度を落とした。それでも進む方向は同じだから逃げられない。あの人達から目を背けられない。
誰1人私のことを見ていないから意味ないよね。
皆、忘れてるから。ただの日常の一部だったから。
『あー、おはよう!』
その1人が私の少し前を歩いていた人に挨拶をした。他の人がその人の肩を強く叩く。思いっきり、力を込めて。
『……あ、おはよう』
静かな、か細い声が微かに聞こえた。その人が振り向いた為、綺麗な笑顔が髪に隠れながらも少し見えた。
他にも何か言われている。気持ち悪い笑顔を浮かべた人に幼稚な言葉を浴びせられている。周りの人が不快な声で笑っている。
耳を塞ぎたい。この場から逃げ出したい。
それでも、その人は笑っていた。仕方ないような、諦めたような。もう、どうでもいいような表情を微かに浮かべて。哀しげに笑っていた。
――――……楽しいよ。
今日も無理して笑ってるね。嘘吐きさん。
私は自分の教室のドアを開けた。
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