大人オリジナル小説
- 嘘吐き造花が枯れるとき。
- 日時: 2014/10/25 22:18
- 名前: 桜 ◆7gBpJ8SNck
初めまして、もしくはお久しぶりです。
未熟ですが、よろしくお願いします。
私の体験も若干入っていたりしますが、多くはフィクションです。
前回に引き続き、御注意を。
・私の文章はまだまだ未熟です。
・誤字脱字があるかもしれません。(指摘して頂けると助かります)
・更新は不定期です。
・社会派小説から外れてしまうかもしれません。
・自己満足の小説で私の偏見で書いている所もあります。
そんな小説でも大丈夫でしたら、そのまま下へお願いします。
無理でしたら、小説一覧へお戻り下さい。
荒らし等はお止め下さい。アドバイスは大歓迎です。
コメントを頂けると嬉しいです。
それでは、始めます。
――――――これが私にとっての幸せなのでしょうか。
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- Re: 嘘吐き造花の行く末。 ( No.4 )
- 日時: 2014/10/24 21:27
- 名前: 桜 ◆7gBpJ8SNck
「また明日」
教室を出る時に笑顔で手を振ると数人が返してくれた。小さな幸せ。
学校を出ると、途端に気が抜ける。体の重りが無くなったような。
でも、後の事を考えると気が重くなる。
私は真っ直ぐ家に帰らず、昨日の古びた建物へ向かった。
あの少女がいた建物。何故かそこに惹かれた。いや、その少女に惹かれた。名前が知りたい。話をしたい。そんな感情が湧き上がってくる。
こんなの初めてかな。
十数分歩くと、昨日の建物に着いた。上を見上げても、人影は見えない。けれど、少女はそこにいると確信した。だって約束したから。
建物の裏にある、小さな入口(裏口?)から建物内に入る。中は昨日と変わらず埃っぽい。
階段を上がる中、昨日の事を思い出した。
“この世界はつまらないよね”
私はその言葉に何も返せなかった。只その少女の目を見つめていた。
突然少女は笑みを浮かべ、私の事を指差した。そして呟いた。
“貴方は――――”
その言葉は正しくて鋭くて。私の心の奥底に突き刺さり、消えない。
私は一言言葉を発した。少女は笑顔で答えてくれた。
夢のような感覚だった。作り物である儚い居場所。存在。
目の前に扉が現れる。力いっぱい押すと昨日と変わらない不快な音を立てながら開いた。
扉の近くで私を待っていたかのように少女は昨日と変わらない微笑みを浮かべていた。
「……今日も来てくれたんだ」
少女は綺麗に微笑んだ。
私は何も言えなかった。只、口を開閉させるだけだった。
「……ねぇ、名前を教えてくれないかな?」
笑みを崩さず、私に話かける。私の望んだ問いかけ。
「私の名前は、如月笑美です」
緊張して言葉が変になる。少女は気にした様子もなく、
「……へぇ、私は楠木緋色。よろしくね」
私に手を差し出した。握手を求めているのだろうという事はすぐに分かった。私は急いで学校と同じ様に笑みを作り、緋色の手に私の手を重ねようとした。
「……何それ」
緋色は私の笑顔を見ると、さっきまで出していた手を引っ込めた。私は意味が分からず、訝しげに緋色を見つめる。
「……その笑顔、気持ち悪いよ」
淡々と冷たい声で言った。その言葉には私の笑顔を崩す程の力はなかった。
尚も私は笑顔を浮かべ続ける。
「どうしたの?」
白々しい。分かっているよ、緋色が言いたいこと。でもね、認めたくないんだ。
「……無理に笑顔を浮かべないで」
緋色が悲しげな顔で呟くように言った。
私は何も言う事が出来ず、只緋色を見つめていた。体が少し、震えていた。
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