大人オリジナル小説
- 嘘吐き造花が枯れるとき。
- 日時: 2014/10/25 22:18
- 名前: 桜 ◆7gBpJ8SNck
初めまして、もしくはお久しぶりです。
未熟ですが、よろしくお願いします。
私の体験も若干入っていたりしますが、多くはフィクションです。
前回に引き続き、御注意を。
・私の文章はまだまだ未熟です。
・誤字脱字があるかもしれません。(指摘して頂けると助かります)
・更新は不定期です。
・社会派小説から外れてしまうかもしれません。
・自己満足の小説で私の偏見で書いている所もあります。
そんな小説でも大丈夫でしたら、そのまま下へお願いします。
無理でしたら、小説一覧へお戻り下さい。
荒らし等はお止め下さい。アドバイスは大歓迎です。
コメントを頂けると嬉しいです。
それでは、始めます。
――――――これが私にとっての幸せなのでしょうか。
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- Re: 嘘吐き造花が枯れるとき。 ( No.10 )
- 日時: 2014/10/24 22:00
- 名前: 桜 ◆k7.5lqH5Sc
今日も全ての授業が終わるとすぐ学校を出る。
部活は美術部に入っているが、もう幽霊部員みたいになってしまった。もともと絵には興味はなく、友達に誘われて入った。クラスの人の多くが部活に入ったのもあるけれど。塾だと言っているからサボりだとは思われていない、と思いたい。
空を見上げる。青く澄んでいて、微かに雲がある。
太陽が眩しかったから、すぐに顔を逸らした。
綺麗だと思えるほど、心の余裕はなかった。
「……今日もか」
古びた建物の前で1人呟く。裏の入口から入り、屋上を目指す。
私はとても緋色に惹かれた。最初にあったときの緋色の目。表情。私に近しいものを感じた。
緋色に言ったら侮辱になるかな。自虐的な笑いを浮かべる。
不快な音を響かせながらドアを開ける。
「……こんにちは」
緋色が優しく微笑んでくれた。その微笑については何も言わず、挨拶を返す。
「こんにちは」
緋色の隣に座り、また空を見上げる。
「…………」
「…………」
会話はなく、重い空気が2人を包む。家ではいつもこんな感じなので、慣れてしまった。この空気はまだいい方かもしれない。
けれど、何故か緋色と話したいと思う。緋色に聞いてもらいたいと思う。
「ねぇ、緋色。話したい事があるんだ」
緋色はゆっくりと私の方へ顔を向け、問う。
「……どんなの?」
これから話すのは、とても自分勝手な事だと思う。他人の事を気に掛けない、我儘な私の話。そんなのでも緋色には聞いて欲しかった。
……いや、誰でもよかった。ただ、聞いて欲しかった。
吐き出してしまいたかった。自分の中だけで留めておくのはもう限界だった。緋色は私を包み込んでくれる作り物の存在。
「……私は、無理して笑っているんだ。学校でも、家でも。いつも私はそれを――――――」
拙い言葉で紡がれる私の話。
自分の事を話すのは、なんて我儘だろう。自己主張の塊。
「――――――緋色はどう思う?こんな私を」
人に聞いても仕様がない。こんな事を聞いてもらったのに、感想なんて求めるなんて。
今日の私はどうかしている。
「……先に言っておくね、ごめんなさい」
緋色が顔を伏せながら小さな声で言う。私は何も言わず、緋色を見つめる。
「……ねえ、笑美。それって我儘じゃない?」
それが、緋色の私の思いへの言葉だった。
「……そうだね」
軽く笑っておく。笑顔が少し引きつってるかも。
自分で考えて、自分で認めていた事。けれど、いざ他人に言われると動揺してしまう。
「……笑美は、面倒臭い事を人に押し付けてるでしょ?自分が無理に笑っているのを人の所為にしてるでしょ?」
機械の様に、一定のリズムで頷く。笑顔なんて消えてしまった。
私が言った言葉。同じ事を繰り返しているのに、心に直接突き刺さるような感じがする。他人の口から発させる言葉は鋭利な刃物のような。
「……誰でも自分が正しい、自分が1番とか思うよね。意識してなくても。笑美もそうだよね?自分を守る為に、自分を正当化する為に、人に押し付けてるよね?笑う理由を」
思わず体を抱えてしまう。そうしなければ、平静を保てないような気がしたから。
どんなに理解していても。どんなに認めていても。
……感情は制御できないんだ。
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