大人オリジナル小説
- それでも僕らは生きていく。
- 日時: 2014/02/19 19:39
- 名前: 月 −RUNAー
初めまして、月です。
この世界は簡単な、漫画のような世界じゃない。
きっと、みんなそう思ってると思います。
題名のように、それでも、私たちは生きて行かなきゃなりません。
この小説を読んで、少しでも希望が湧いてくれればうれしいです。
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- Re: それでも僕らは生きていく。 ( No.2 )
- 日時: 2014/02/20 17:59
- 名前: 月 −RUNAー
ー 1話 ー
日本中にホテルを経営している相沢グループの取締役社長の父親。
世界でも活躍している女優の母親。
そんな二人の一人娘のあたしは、二人のDNAを全部きれいに受け継いで生まれてきた。
あたしはずっと愛されてきた。
「真希ちゃんは可愛くて頭が良くて天使みたいな子ねぇ」
「本当に。」
「お父さんとお母さんに似て真希ちゃんは幸せね。」
「真希はお父さんとお母さんの宝物だ。」
「真希ちゃんのことママ大好きよ。」
でも、その言葉があたしに投げかけられるのは、5歳までだった。
あたしが5歳の頃、妹の優愛(ゆあ)が産まれてから、優愛は私からその言葉を全部横取りした。
優愛はあたしとは違って生まれつきの天才だった。
顔もお母さんと瓜二つで、本当に天使だった。
素直で優しくて笑顔が似合う優愛はみんなに愛され、あたしの場所はなくなりすべて優愛のものになった。お父さんとお母さんの間にいるのは、優愛だけ。
あたしが作文で佳作をとったとき、優愛は優勝だった。
あたしがピアノで準優勝したとき、優愛は優勝だった。
あたしが何かを始めたら、優愛も一緒についてきた。
あたしの上にはいつも優愛がいた。
「俺たちの子は、優愛だけでよかったのに・・。」
「本当に。」
小さい頃、夜にトイレに行こうとしたときに、聞いてしまった。
涙が止まらなかった。あたしはいらない人間になってしまったんだって。
「相沢さんはいいわね。あんなお父さんとお母さんで。」
なんど言われただろうこの言葉は。
そう言われる度にあたしは泣きながらそいつを殴り言った。
「お前らに何がわかんだよ!?」
「愛してくれるお父さんとお母さんがお前らにはいんだろ!?」
「金持ちでも貧乏でも関係ねえよ。」
「あたしが幸せなんて思ったこと一回もねえよ。」
「変わりたいなら変わってやるよ。あたしの人生とあんたの人生」
悔しくてたまらなかった。
何がわかんの!?って何度も思った。
でも、そんな世界を15年間生きてやっとわかった。
あたしはお父さんとお母さんの愛がなくても、相沢グループの令嬢なのは変わらないのだ。
それなら、この地位を使って、こんな馬鹿げた世界に復讐してやろうと。
あたしはそうやってこの世界を生きていく。
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