大人オリジナル小説
- ケモナーズ・メディスン ~ 獣人界の獣医師 ~
- 日時: 2017/01/25 13:17
- 名前: アスペル亀
- 参照: http://ncode.syosetu.com/n0674do/
犬科、猫科、ウサギ科、etc...
多種多様な獣人たちが暮らす現代社会を舞台にした医療小説です。
獣人の世界で活躍する人間の獣医師が診る、症例と獣人生の物語。
動物病院はもちろん、保健所での安楽死や食肉処理施設の屠殺解体などの社会のタブーも題材にしています。
ファンタジー世界ではありますが、内容はできる限り現実を投影させています。
*他サイトにて投稿中だった作品の中から、特に反響が多かったエピソードをピックアップしています。
ケモナー好きな絵師様、ガチで募集中です。
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- Re: ケモナーズ・メディスン ~ 獣人界の獣医師 ~ ( No.16 )
- 日時: 2017/01/25 13:00
- 名前: アスペル亀
- 参照: http://ncode.syosetu.com/n0674do/
少女の名前はスーといった。
イヌ科の亜科キツネ属の少女であった。
光沢あるサファイア色の被毛に、整ったマズルと耳介、大きな瞳に長いまつ毛、ほっそりした柔らかな体付きに、体の半分はあるボリューム豊かな尻尾は、どの大人獣人から見ても思わず見入ってしまう程の美しさだった。
絶世とも言えるイヌ科の美少女は、白シャツのみの着衣で、両腕を後ろに組まれ縛られている。
スーの他にも、コーギー属やマラミュート属の少女もいる。
皆、自分がどこから来たのかを語ろうとしない。
思い出したくもないようだ。
そして、この先を考えることも・・・
「おー、今回はすげぇべっぴんちゃんがいるじゃないか〜。こりゃあエロいのが撮れそうだ〜」
ノルウェイジャン属のネコ科獣人と、数人の被毛が剥げかけた中年のイヌ科獣人がスーたちを品定めした。
一人一人を立たせて、顔から尾の先まで、乳首、陰部、耳介に鼻梁までもを触りだした。
他の少女たちは、自分が何をされているのか分からないようだ。どうして縛られているのかも。
スーには全てが理解できていた。
これまでもこのように大人の男獣人から、幾度となく体を玩具にされてきていた。
その日々は、スーの心と体を年齢以上に大人へと発達させていた。
「すげぇ!このキツネちゃん!めちゃくちゃ感度いい!見た目も可愛いし、これなら高く売れるぞ!」
ノルウェイジャン属の男は興奮しながらカメラを回す。
イヌ科の中年男たちは、揃って服を脱ぎ始め、イヌ科の加齢臭とも言うべきマラセチア臭が辺りに立ち込める。
薄くなった被毛から見える皮膚には、ノミが走り回っている。
苔癬化の激しい肥厚した鼠蹊部からは、尿臭のキツい膿の染み出た陰茎が、スーに向けられた。
スーは全く動じなかった。
これまで何度もされた事だった。
世の中に蔓延る”児獣ポルノ”は、国が定める規制法こそあれど、それに喜ぶ大人獣人がいる限り、マフィアの絶好のシノギ手段であった。
他の少女たちもそれぞれ別の小部屋へと連れていかれる。
スーの入った部屋には、束縛椅子、手錠、鞭、蝋燭、首輪にリード、大きめのペットシーツが備えられていた。
「じゃあ、先ずはここでおしっこしようか〜?はい、片足上げて〜」
ノルウェイジャン属の男はしゃがみ込み、スーの足元からカメラを向けた。
無言で、そっと、スーは右足を挙上させる。
そして、そのまま足元の変態猫の顔面を目掛けて、蹴りを打ち込んだ。
周りのイヌ科獣人の男たちも、咄嗟に押さえつけようと少女の体に襲い掛かった。
上半身を麻縄で縛り上げられていたスーであったが、華麗な蹴り捌きで襲い来る男たちをなぎ倒した。
踵で倒れた獣人たちの気管を潰す。
僅か数秒で、大人のイヌ科の男たちを戦闘不能にさせた。
拷問器具の一つで縄を切りほどき、顔の痛みに耐えもがくノルウェイジャン属の男に詰め寄った。
「お・・おじょうちゃん・・・待ってくれよ・・俺はただ頼まれてやってるだけなんだよ。フリーのライターはこうでもしないと名前が売れないから・・・・」
「お兄ちゃんは、どこ?」
スーは船を降りてから、初めてしゃべった。
ロンは険しい顔で柴組の本部へと出向く。
一連の港での出来事で、完全に捨て駒とされた甲斐・土佐組の怒りと無念を思い、その怒りで理性を保つことに精一杯であった。
全身の筋肉を震わすロンに、會長はリラックスした様子で話す。
「お前はよく働いてくれた。お前らとの計画を俺も推してたってのは本当だ。だけど今回はブッチリーノ側の方から和解案を持ち出してきたんだ。双方、血を流すのは最小限にしたいってな。
話進めたのは秋田組の奴らだ。俺も立場ってのがあるからよぉ、今回のことはもう水に流してくれ。今度はおめぇに甲斐・土佐組を次いでもらいてぇって思ってんだよ」
會長はロンの肩をポンと叩く。
「おじきは・・・俺たちの組は・・・柴犬とは親子であり兄弟であると思ってました。任を売るのが俺たちの家系の流儀なのに、こんな裏切りを・・・柴組も地に落ちましたね。
俺らも実は潜らせたスパイだったことが知れたら、ブッチリーノ側はどう思いますかね?」」
怒りの収まらないロンに、會長は困った顔をして見せる。
「ところでロン。お前が連れてきた獣医の先生、めちゃくちゃ腕いいみたいだな。あのブッチリーノをあんなに元気にさせるたぁ、俺も一度診てもらいたかったよ〜」
「何ですか、いきなりそんな話題を・・・って、”診てもらいたかった”?」
ロンが気づいた時にはもう遅かった。
怒りで我を忘れていたロンの周りには、すでに拳銃を構えた柴犬たちが土佐犬の体を狙っていた。
しまった!會長は俺たちまで消すつもりだ!
「実はカイの仕出かしたことで、こっちも詫びを入れなきゃなんねぇんだ。向こうに取っ捕まったカイの処刑プラス、こっちからもシメシ付けなきゃあなんねぇ。まぁ、ちょうど口封じにも為るし。お前、生贄になれ」
ワナワナ震え、気の狂わんばかりの怒りと絶望に涙を流し出したロンを一切憐れむ様子もなく、會長はテーブルの上に皿を置いた。
「食ってくれるか、ロン?俺からのご馳走だ」
その皿には、大量のチョコレートが盛られていた。
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