大人オリジナル小説

ケモナーズ・メディスン ~ 獣人界の獣医師 ~
日時: 2017/01/25 13:17
名前: アスペル亀
参照: http://ncode.syosetu.com/n0674do/

犬科、猫科、ウサギ科、etc...
多種多様な獣人たちが暮らす現代社会を舞台にした医療小説です。
獣人の世界で活躍する人間の獣医師が診る、症例と獣人生の物語。

動物病院はもちろん、保健所での安楽死や食肉処理施設の屠殺解体などの社会のタブーも題材にしています。
ファンタジー世界ではありますが、内容はできる限り現実を投影させています。


*他サイトにて投稿中だった作品の中から、特に反響が多かったエピソードをピックアップしています。
ケモナー好きな絵師様、ガチで募集中です。

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Re: ケモナーズ・メディスン ~ 獣人界の獣医師 ~ ( No.20 )
日時: 2017/01/25 13:08
名前: アスペル亀
参照: http://ncode.syosetu.com/n0674do/

Case 4 汚れたトレーサビリティ


ウシ科ジャージー属の若い女性であるボヴィーナは、腕、胴体、足の先まで麻縄で緊縛され天井に吊るされている。
辛うじて地面に届く足先が、食い込む縄へ掛かる体重をわずかにでも減らせる手段だった。
鼻部には花輪が掛けられ、それも天井に張られている。
挙上して顕にされた鼻孔が、彼女の美貌を対照させる。

 スラリと伸びた足に、肉付きの良い骨盤部分、引き締まったボディと、よく脂肪を蓄えた豊かな乳房からは、搾汁獣としても肉用獣としても、絶品の評価が出ていた。

 複数の巨漢の獣人達がボヴィーナの体を貪りだす。
性感部を刺激させ、オキシトシンの分泌を促進させたあと、肥大した乳頭に管が取り付けられる。
内部が陰圧となった管からは、ボヴィーナの豊富な乳腺が作り出した栄養汁が吸い出される。
その吸引力は、最も効率よく分泌を促せられる力、即ち、赤ん坊が吸い付く力で持続され、永遠に続く濃艶な感覚を与え続ける。

 搾汁が終わるころには、ボヴィーナの意識は飛んでいた。
緊縛を解かれた彼女は、そのまま牧草の敷かれた牢獄に繋がれ、明日も同じ作業の道具とされる。

 彼女は生殖適齢期になった時、強制的に”種付け”をされ、その後出産をした。
子牛は抱くことも許されず離され、雄ならば、生後2 - 3週間後に肉牛、もしくは種牡にするため肥育農家へ売りに出された。

 雌ならば、変態獣人に高く売れるらしい。
飽きられるまで性玩具にされ、妊娠しては搾乳を繰り返され、枯れる頃には食肉用として屠殺されるという。

 ボヴィーナも、その運命を辿っていた。
出産後の女の搾汁は、約300日間続く。
この国の搾汁獣人の飼養方法はつなぎ飼い。
一生、縛られて過ごす。知らない雄獣人に凌辱されては、子供を作らされ、汁を絞られ、最後はその命までも搾取される。

 ボヴィーナは、壁の高所にわずかに開けられた窓を見つめる。
月明かりが刺している、外は夜だろうか?

 その窓に手を伸ばそうとするが、体を動かすたびに繋がれた鎖の擦れる音が部屋に響く。

彼女の目から、冷たい涙が零れ出る。
いったい、これはいつ枯れてしまうのだろうか?








さぁ、きっとイラついてるでしょうね?
そのイラつきを、あの無感情さがどう表現するかしら?

 バーバリは自慢のマズルを強調させたメイクで、病院へと向かう車に乗っていた。
IMHAの治療のための免疫抑制療法で、以前あった体重の二割が減っていたが、モデル並のスタイルと美貌をさらに際立たせる結果となった容姿に、ネット上では様々な弄りが横行していた。

そんな世間の評判も、彼女は気にしていない。
世の中のことよりも、夢中になっている相手がいた。

 病院では、例の人間の男が待っていた。
予定していた診療時刻に、わざと遅刻をさせた。

 バーバリは、自分の妄想に静かにほくそ笑む。
しかし、妄想は現実とは隔たりのあるものと知るのだった。

 最初に彼女に声を掛けたのはロンだった。
「お姫さん、おせぇーよ!診療を舐めてんのか!?」

うざい・・・こんなズボラそうな野獣でも、獣医になれる世の中なのね・・・

 相手に飽きれるバーバリとは違い、ロンの心情は真逆だった。

やべぇ・・・めちゃくちゃ可愛い・・・・・

「院長、おかげさまであたしはとっても元気よ。今日は折り入って、あなたに相談をしにきたの」
バーバリは、自分が一番可愛いと自負できる上目使いで院長を見つめる。

 院長は、何も考えていなかった。
強いていうなら、そろそろ昼飯にしたいということぐらいだった。

それが知れたところで、バーバリには、全く関係なかっただろう。
彼女は言った。

「あたしをここに雇って。看護師でいいわ」

 院長は、意味の解らなそうな顔だったが、ようやくバーバリと視線を合わせた。

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