大人オリジナル小説

ケモナーズ・メディスン ~ 獣人界の獣医師 ~
日時: 2017/01/25 13:17
名前: アスペル亀
参照: http://ncode.syosetu.com/n0674do/

犬科、猫科、ウサギ科、etc...
多種多様な獣人たちが暮らす現代社会を舞台にした医療小説です。
獣人の世界で活躍する人間の獣医師が診る、症例と獣人生の物語。

動物病院はもちろん、保健所での安楽死や食肉処理施設の屠殺解体などの社会のタブーも題材にしています。
ファンタジー世界ではありますが、内容はできる限り現実を投影させています。


*他サイトにて投稿中だった作品の中から、特に反響が多かったエピソードをピックアップしています。
ケモナー好きな絵師様、ガチで募集中です。

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Re: ケモナーズ・メディスン ~ 獣人界の獣医師 ~ ( No.8 )
日時: 2017/01/25 12:54
名前: アスペル亀
参照: http://ncode.syosetu.com/n0674do/

Case 3 天使の堕ちた街 

 彼の名前は、クー。
イヌ科の亜科キツネ属の男の子、11歳。
光沢あるサファイア色の被毛に、整ったマズルに耳介、長いまつ毛、ほっそりした柔らかな体付きに、体の半分はあるボリューム豊かな尻尾は、思わず性別を間違えてしまう程の美しさを醸し出している。

 毎朝早くに、クーは屋根裏部屋で目を覚ます。
この館内で唯一の、彼の居場所であった。

 クーは、支給されているいつもの作業着に着替える。
”作業着”と言えば、仕事だから仕方ないという気持ちになれる。

 実際のそれは、雇い主の趣味で作られた、露出度の高いメイド服だった。
網タイツにガーターベルト、ほぼ何も着てないに等しい上半身の恰好で、いつものようにご主人様に”ご奉仕”をする。

 由緒正しいフレンチブル属の一家は、クーのような害獣指定の科属とは程遠い、富と権力を牛耳る資産家一族だった。


 クーは日中、館の掃除、洗濯、庭の手入れを主に業務をこなしていくが、本当の奉仕は慰安としての玩具となることであった。

 館の地下には巨大な迷宮が続いている。
話では、”神獣大戦”時に”彼の世界”と戦った獣人達が築いた要塞の跡地をそのまま使ったらしい。

 その奥地の石の部屋が、クーの仕事場だった。


「う・・・あ・・ああ〜・・・」

 蝋燭の明かりだけが照らす、カビ染みた牢獄で、クーは革ベルトで手足、尻尾ををガチガチに拘束され悶えている。
三角木馬に当てられた陰茎骨から骨盤部にかけて、自身の体重が食い込む。

 乳頭に括り付けられた電動ローターは、彼の陰茎を硬直させる。
それに巻きつけられたリングは、陰茎海綿体への血流を強く妨げる。

 何度もイキそうにされては、その抑制が彼の絶頂を赦さない。

 尿道にはカテーテルが挿入され、膀胱へと連結されていた。
シリンジを押される度に流入してくる生理食塩水が、彼の尿意を促すが、排尿の自由は無い。

 肛門には巨大なシリンジポンプが挿入され、肛門括約筋を終始刺激し続ける。
直腸壁を通して、前立腺が興奮させられている。

「まだ、耐えるんだよ。まだまだ、これからだからね」
 フレンチブルの”ご主人様”は、ワイングラスを片手に、悶えながら涙ぐむクーの姿を眺める。

 眺めに飽きたら、鞭を振り下ろし、クーの細い体に無数の痣を付ける。

 クーは、終始、反抗をしない。
今の彼にとって、これが生きる為の手段だった。

 最後は、ご主人様の硬直した陰茎の”処理”で終わる。
不潔な鼠蹊部の膿皮症臭が、クーの鼻につく。
縛られた手足と、刺激され続ける性感帯の熱を感じながら、必死に口腔内での作業を行う彼は、気づくと意識は無かった。

 クーは、その後には、必ず夢を見る。
その夢は、今ある自分を取り巻くどの現実よりも、リアルに脳裏に表れてきた。


「お兄ちゃん・・・お兄ちゃん・・・」


 妹が奴らに連れていかれたのは、僕が7歳の時だ。
妹は4歳くらいだっただろうか?

 今となっては、何処でどうしているかなんて、知る術が無い。

 父も母も、街とともに消えてしまった。
大きな光が、街全体を包み、大人たちは消滅した。

 天使が堕ちた、その日・・・
それでも、僕らは、生きる道を選んだ・・・・






 とある街の獣人病院に、その男はいた。

 くたびれた年期の感じさせる白衣姿に、頸から古びた聴診器を下げている。
フチなし眼鏡と顎鬚を蓄えた強面の男は、一つの用紙を睨みつけていた。

 そこには、国の獣人保険局から出された、獣医師への緊急出動命令が書かれていた。


   ”鳥インフルエンザの飛来再び。ウイルスはキツネ属の獣人の体内にて増殖・変異の可能性あり。生き残りの対象獣人を探し出し、早急に殺処分されたし。”


「で?俺がそのキツネ狩りに、選ばれたってわけ?」
 男はめんどくさそうに、用紙を渡しに来たイヌ科土佐属の男に言い放つ。

 土佐属の男は厳つい顔で応える。
「この王国で獣医をやりたいんだったら、言うこと聞きな!褒美は弾んでやらぁ!あんたみたいな人間属のヤツにも恩恵をくれる宮殿に、感謝すんだな!」

 白衣の男はイラつきを隠さず男を睨みつける。
「いきなり人ん家来て、失礼だよな。あんた、まず名前を言えよ?」

 土佐属の男も睨み返し応酬する。
「ロンだ。あんたは?」

「・・・・院長だ」
 男は、全く無表情に言った。

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