大人オリジナル小説
- ケモナーズ・メディスン ~ 獣人界の獣医師 ~
- 日時: 2017/01/25 13:17
- 名前: アスペル亀
- 参照: http://ncode.syosetu.com/n0674do/
犬科、猫科、ウサギ科、etc...
多種多様な獣人たちが暮らす現代社会を舞台にした医療小説です。
獣人の世界で活躍する人間の獣医師が診る、症例と獣人生の物語。
動物病院はもちろん、保健所での安楽死や食肉処理施設の屠殺解体などの社会のタブーも題材にしています。
ファンタジー世界ではありますが、内容はできる限り現実を投影させています。
*他サイトにて投稿中だった作品の中から、特に反響が多かったエピソードをピックアップしています。
ケモナー好きな絵師様、ガチで募集中です。
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- Re: ケモナーズ・メディスン ~ 獣人界の獣医師 ~ ( No.5 )
- 日時: 2017/01/25 12:51
- 名前: アスペル亀
- 参照: http://ncode.syosetu.com/n0674do/
患者名 アンジー(源氏名)
獣人類イヌ科プードル属 21歳 未避妊女性
身長 154 cm Bw 42 kg
家族歴不明、既往歴不明、ワクチン接種歴不明・・・・
「不明ばっかじゃねーか」
院長が資料のプリントを見ながら言う。
コリーのおばちゃんは愛想よくフォローに入る。
「でも、小柄で可愛いプラス、メリハリあるスタイルは抜群よ!サービスはとってもエネルギッシュで、どんな殿方の欲望もあっという間に満たし〜〜〜」
「俺は、ロンじゃねぇ」
院長はぴしゃりと遮った。
「こんな情報じゃ何もわかりゃしねぇ、取りあえずどんな症状なんか言ってみろ。本人から聞きたい」
アンジーは座りうつむいたまま顔を動かさない。
院長は彼女の前に腰を落とした。
「あんたが今どんな気持ちだとかは関係ねぇから。病気を知るのが俺の仕事だ。何時から、どのように、どんな状態なのかを言ってみろ」
「あんまイジメないであげて、アタイがちゃんと話すから」
おばちゃんが心配そうに言う。
「アンジーは避妊が嫌で家出してきたの。
でもそれ受けないと、社会的な権利ももらえんで、進学も就職もできない世の中だから、皆こういう所で働くの。
・・・ここにいる子たちは、みんなアタイの娘みたいなもんやわ。みんな誰かを必要としたいし、必要とされたい。
・・・この仕事は決して悪いものでは無いって、アタイは信じてる。
でも・・・こんな必死になって生きている弱い子たちを・・・ただの玩具としか考えてない輩がいるの・・・」
沸き上がる憤りで震えだすおばちゃんの声が、辛うじて絞り出される。
「・・・アンジーはそいつらに犯されたの」
アンジーが声をあげて泣き出した。
院長は感情なく言う。
「つまり、外陰部、膣前庭の炎症の有無と、尿路感染の可能性も考えた泌尿・生殖器系の疾患が疑われるってことだな?
”後ろ”はやられなかったのか?」
アンジーは微かに首を縦に振った。
「肛門嚢、肛門周囲、直腸の検査もかよ」
院長は、不本意だったが、ロンを呼ぶことにした。
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