大人オリジナル小説
- アリスと不思議な扉
- 日時: 2020/02/20 10:15
- 名前: 緋猫
- 参照: http://www.otona-kakiko.com/profiles/index.cgi?mode=view&no=10323
緋猫です。初めて官能小説というものを描いてみました。
更新遅めです、本当に遅いです。
R18 BLですのでご注意ください…
自己満足小説です
>>1 キャラクター設定
7月5日1000人突破です!
【総合掲示板】作者スレ「ねこなべ」
こちらの方でご指摘ご意見伺がいたいと思います。お手数おかけして申し訳有りません。
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- Re: アリスと不思議な扉 BL ( No.11 )
- 日時: 2018/12/30 05:00
- 名前: 緋猫
数分後……
「もう追いかけませんよ〜安心してくださいませ〜?」
先のように逃げ続けて疲れた悠は、壁にへたり込んでしまいました。
『ご…ごめんなさ…いっ…貴方が悪いわけではなくて…僕が…悪くて…ごめんなさい…』
逃げ惑った上に冷静になると今度は泣きながら謝り続けるなんて不安定すぎます。
「いえいえ〜?私が悪かったんですよ〜?申し訳ありません♪」
悠のことを考え、距離をとってくれることや、ふわふわとした笑顔のまま責めないのが逆に申し訳なくなり、こんな自分が嫌になります。
『ごめんなさ…い…びっくりして…逃げて…変な声出して………貴方が悪いとか…貴方が怖いとか…そんな…じゃなくて……ごめん…なさい…』
ずっと同じように続ける謝罪を黙って聞いてくれていたメイドは、悠が黙ってしまったのをみて、手を叩いてぱっと明るく言いました。
「そういえばこちら召し上がります?なんでしょう…ご存知でございますか?」
メイドの手の中には紙ナプキンに包まれた黒っぽい焦がしたような匂いのする物があります。
『か…カヌレ…です…かね…?』
「なるほど〜カカヌレでございますかぁ♪カカヌレ…うふふ〜面白い名前♪」
『かぬれ…で…す』
「かかぬれ、でございましょう?何回も言葉にすると恥ずかしいですよ〜♪」
うふふ〜と恥ずかしいと言いつつも全然そんな表情じゃないメイドこれ以上説明しても意味ないと思い少しだけ呆れてしまいました。
「ところで…このカカヌレ食べてくださいませ?」
手の中のカヌレを見せながら、笑顔でこちらを見ます。
『あ…いえ……』
さっきあんなに失礼なことをしてしまっていたので流石に「はい、いただきます。」という感じでは受け取れないので、断ろうとしましたが。
「…♪」
にこにこと前と同じ綿菓子のような笑顔ですが、拒否しても意味がないような雰囲気を漂わせています。
『い…いただきます…』
善意で渡してくれるようですし、こくんと頭を下げてみると、メイドは笑顔になり近寄ろうとします、ですがすぐに思い出したように立ち止まり、
「どうしましょう…困ったわぁ〜…」
と、手を頬に当てて困ったような表情を作ります。
悠にはなぜメイドが近寄ってこないのか少しの間だけ分かりませんでしたが、今の状況を思い出した悠は、
『あ…!ごめんなさい…!さっきは驚いただけなので…!もう…大丈夫です!ごめんなさい…!』
メイドの配慮がとても伝わり、申し訳ない気持ちと、感謝の気持ちで戸惑って、悠はあわあわと手や首を振りながら必死に説明しました。
「うふふ〜よかったです♪では近寄りますよ〜?」
足音をなるべく立てないようにゆっくりと近寄ってくれるメイドに少しだけ焦りますが、逃げたりすることはありません。
「うふふ〜♪はいどうぞ?」
ふわふわっと笑いながら手渡してくれたカヌレはとてもいい匂いがします。
『いただき…ます…』
女の人がこんなに近くにいるのは暫くぶりで真っ赤になった顔に気づかれないように、俯きながら、ぱくりと一口カヌレを食べてみました。
『美味しいです…』
もっといろいろ味の感想はありましたが、顔を上げるのが嫌なので一言呟くとぱくぱくと食べます。
静かです。食べてる最中は良いとして、食べ終わった後も無言で、メイドが話しかけてくる様子がありません。
『…………?』
目だけメイドの方に向けてみると、メイドは目を丸くさせて本当に驚いた表情をしていました。
というか。メイドの背丈が縮んだような気がします。さっきまでしゃがんで悠と目を合わせていたはずなのに、今は何故か悠の方が目線は上です。
暫くメイドを見ていると、悠の視線に気づいたのか、また表情を変えてさっきと同じような雰囲気に戻りました。
「やっぱりアリス様でしたかぁ〜♪いい匂いだなぁとは思っていましたがまさかこんなところで会えるなんて♪」
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