大人オリジナル小説

アリスと不思議な扉
日時: 2020/02/20 10:15
名前: 緋猫
参照: http://www.otona-kakiko.com/profiles/index.cgi?mode=view&no=10323

緋猫です。初めて官能小説というものを描いてみました。
更新遅めです、本当に遅いです。
R18 BLですのでご注意ください…
自己満足小説です
>>1 キャラクター設定

7月5日1000人突破です!

【総合掲示板】作者スレ「ねこなべ」
こちらの方でご指摘ご意見伺がいたいと思います。お手数おかけして申し訳有りません。

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28



Re: アリスと不思議な扉 BL ( No.5 )
日時: 2019/07/14 12:43
名前: 緋猫

まるで現実離れした童話の世界のような光景に目を見張りました
花は活き活きと咲き誇りコソコソと可愛らしく喋る姿はまるで妖精の喋り声のようで僕は目を輝かせてその様子を眺めていました

するといきなり後ろから慌ただしく駆けていく姿が見えました
これには今まで人との繋がりを拒絶してきた悠にはとても衝撃的なものに見えました

悠は人だと思うと本能的に花園の中に隠れてしまいました

「あれ…?確かに居たはずなんですけど…」

きょろきょろと視線を周りに向ける姿はまるで貴族に仕える執事の用な風貌でした
飲み込まれそうなほど真っ黒な燕尾服
燕尾服に負けないほど白い髪
兎の耳はとても白くとても長くそしてとても美しく見えました
一瞬きょろきょろしている白い執事の目が悠とあったように思い少し飛び跳ねました
(き…気づかれた……ッ!!)
悠は薬で小さくなっていたので飛び跳ねてもそこまで大きな音は出なかったのでしょう
白い執事は一通り周りを見るとどこかに走って行ってしまいました


白い執事が行ってから何時間そこで固まっていたでしょうか
もしかしたら、ほんの数秒 数分かもしれません
悠は人と関わることが出来ません
というより、悠は人の顔を直視することが出来ません
小さい頃は話をする時は顔を見れてたと思います
大きくなるにつれてなぜか人の顔をみて話せなくなりました
『…………………ッッ』
(何で夢の世界でこんなこと思い出さなくちゃいけないんだろ…)
悠は今まであったことを忘れるよう膝を抱え丸くなり、呪文のように繰り返し言いました
『戻りたい、帰りたい、帰りたい、戻りたい………』






にゃー……


涙で濡れた目のまま下を向いたら猫が足に絡みついていました
猫は悠が泣いているのを元気付けてあげようと思っているのか「泣いてる暇があったら構って!」
と言ってるように喉をしきりに鳴らし悠の目の前で尻尾をゆらゆらさせています
『こ…こうかな…』
頭を撫でたり喉の下を撫でたり猫が一番気持ちよさそうにするポイントを探しました

「にゃ…にゃにゃ…ッ」
目を細め口角が上がる姿は、人間だったら気持ちよすぎて表情が緩んだというところでしょうか
『こんな幸せそうに笑って…かわいいな…ぁ』

悠も徐々に表情が柔らかくなり猫を撫で続けます
急に猫は足元から遠のいてさっきまで白い執事がいたところに走って行ってしまいました
『あぶない…よー…』
まだ人がいるかもしれないという思いから小さな声で猫を呼びかけましたが猫には聞こえていないようです
「にゃー…!にゃー!」
見ると猫は何かを咥えているようです
『それ…鍵?』
(この部屋の扉を開けた時のかな)
一々鍵の形まで覚えていない悠は(まぁいいか)と思い、猫の頭を撫でポケットの中にしまい込みました
このまま引き返すこともできますが扉の向こう側にも行き止まりで地上へはどう頑張ったって行けません
『…此処の人だったら…この世界から出る方法…知ってるかな…』
そもそもこの世界の住人は言葉が通じるかもわかりません
ですが悠はそんな事よりももっと重要なことを考えながらに花園から抜け出しました
(……まずは…この体をどうにかして大きくしないと…)
猫は隣に寄り添って歩いてくれます
一人ぼっちではない気がして悠の心は自分でもわかるように落ち着いて行きました

どんどんどんどん歩きます
どんどんどんどん歩いて歩いて

悠は三本の分かれ道に立たされました

← 帽子屋屋敷

↑ 王都

→ 迷いの森

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28