大人オリジナル小説
- アリスと不思議な扉
- 日時: 2020/02/20 10:15
- 名前: 緋猫
- 参照: http://www.otona-kakiko.com/profiles/index.cgi?mode=view&no=10323
緋猫です。初めて官能小説というものを描いてみました。
更新遅めです、本当に遅いです。
R18 BLですのでご注意ください…
自己満足小説です
>>1 キャラクター設定
7月5日1000人突破です!
【総合掲示板】作者スレ「ねこなべ」
こちらの方でご指摘ご意見伺がいたいと思います。お手数おかけして申し訳有りません。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
- Re: アリスと不思議な扉 BL ( No.27 )
- 日時: 2020/02/19 08:36
- 名前: 緋猫
帽子屋は朝起きてから夜寝る時以外はほぼほぼ外でお茶会をしています。
お茶会といえばパーティーのような招待客をもてなしたり、わいわい談笑だったり世間話をする様子を想像するかもしれませんが、帽子屋のお茶会はただお茶を楽しむといった感じです。
紅茶を飲みながら読書をしたり、空想に浸ってみたり。
悠にとって本やアニメの印象が強すぎて、どんちゃん騒ぎの馬鹿騒ぎ。朝から晩までお茶会だぁ!といった感じを想像していたので落ち着いた雰囲気に驚きました。
初めて会った時も落ち着いた印象でしたし。この屋敷に来てから帽子屋のイメージはとても変わりました。
「じゃあこれお願いね」
フルーツサンドを乗せたお皿をはいっと悠に手渡します。
お茶菓子の補充や朝と夕の食事を運ぶのは悠の役目です。今もまだタイミングを見て差し出すというのは苦手ですが、少しずつ慣れてきました。
『りょ…了解しました…』
いえ、もし落としてしまったらと考え込んでしまうのでメンタル面では全然慣れません。
外に出て帽子屋のいる中庭のテーブルに近寄ってみると、見慣れない姿が2つありました。
1人は茶髪のボサボサ頭でとても気難しそうな様子で、もう1人は対照的に明るく、「陽キャラ」という言葉がぴったり当てはまるような様子でした。
どちらも頭に何か出ていて、茶髪の方は初めて会った白い紳士のような耳をつけていますがもう1人の方は獣の耳のようです。あまりよく聞こえませんが楽しそうな雰囲気ではなさそうです。
「……なんで俺はこんなめんどくさいやつ2人と同じ空気を吸わなきゃいけないんだ。そもそもオレがこの屋敷の前を通ったのが間違いだったのか?屋敷の前を通ったイコールお茶会の参加者なのか!?」
気難しそうな方の人は言っているうちに腹が立ってきたのか、たんたんたんたんっと足を地面に打ち鳴らしています。
「美味しいお菓子も食べれるし嫌なことだけじゃないと思うけどな〜!!でも男しかいないのはマイナスだよね〜……あっ!このお菓子おいしぃ〜食べてみなよ!」
はいっと気難しそうな方にお菓子を差し出すと眉間にしわを寄せ手をはたきました
「さんがつくんひどー!!せっかく食べさせようと思ったのに〜!」
ふんっとそっぽを向くのに対してもう1人の方は叩かれた手をぺろぺろと舐めています。
この場所にどうやって軽食を持って入れば良いのだろう…帽子屋さんは……こちらと目があい少し笑うと手でこちらに来るように指示されました。
やっぱり知らない人たちの中に入るのは緊張したので帽子屋さんの行動は助かりました。
『えっと…軽食のフルーツサンドをお持ちしました…』
お茶会だと言うのに甘いもので本当に良いのだろうか?と思いましたが今は黙っていようと思いました
「この子初めて見るんだけど〜とっても可愛いお顔してるじゃん!!はじめまして〜」
明るい方が立ち上がりこちらに握手を求めてきました。どうすればと手を少し差し出すとぶんぶんと手を振られました。ちなみに気難しそうな方は興味なさそうに紅茶を啜っています。
帽子屋に助けを求めるように視線を送ると可笑しそうに笑いました。
「悠って名前。最近屋敷で働いてもらってる使用人だよ。人と話すのは得意じゃないから名前も言えないくらいだけどね。」
それと付け加えて「困っているからやめようか。」と握手の動きと止めました。
「良いじゃん握手ぐらいすきんしっぷだよ〜?ちなみにボクはチェシャ猫さんっだよ〜気軽にチェシャって呼んでくれたら嬉しいにゃぁ♪」
サービスのように手を前にして猫のようにポーズを取っています。あの獣耳は猫の耳だったようです。さすが猫そんなポーズも様になっています。
ですがそんなチェシャ猫の行動に汚物を見るような目で見ている人がいました。あの気難しそうな人です。にゃあにゃあと言うたびに不快そうにしています。
「ひっどい目だと思わない?こんな目されちゃったらボクだって傷付いちゃうよ〜。こっちの目つきわっるいのが、さんがつくんだよ〜」
さんがつくんと呼ばれている存在でこんな立派なうさぎの耳を生やしていたら高確率で物語の登場人物、三月うさぎです。
本当にうさぎ耳が生えていると興味深そうに悠が眺めるとその視線も嫌だったのか、
「そんなにじろじろ見ないでくれないかな不快なんだけど。チェシャの相手はするのはオレに構わずに続けてくれて構わないけどね。面倒だったし。」
この世界に来てから睨まれたり怒られたりしてばっかりな気がします。(それにしてもこの世界の人たちはどこが地雷かなんてわかりにくいですが。)
『で…では…そろそろ失礼します…』
握手をした時から一向に手を離してくれないチェシャに対して申し訳なさそうに手を離してほしいと伝えます。だってこんなに三月うさぎが睨んでいるのですから。早く逃げたいのは当たり前です。
「そか〜残念…でもでも、ゆうのおかげで最悪な空気が軽くなったよありがとね!」
チェシャ猫はパッと手を離しましたそして、
〈ニコニコ笑いながら悠が役に立った〉と言ってくれている事に目を丸くしました。だってただ挨拶して、さようならを言っただけの悠にですよ!
でも馬鹿にされている感じではありませんし、三月くんも落ち着いたの…かはわかりませんが空気が軽くなったような気がしなくもないような気がします。こんな些細なことでも役に立ったのは嬉しいことで、自然と笑みがこぼれました。
「帽子屋〜!!ゆうすっごく可愛いんだけど〜!!」
帽子屋に向かって興奮した様子で言ったかと思うと余計にこにこしながら悠を見続け、「可愛い」とか「やばい」とか連呼しています。そんなこと言われ慣れてない悠は顔を真っ赤にして否定の意味を込めて首を左右にぶんぶん振りました。これ以上言われたら倒れてしまいそうです。
瞬間、チェシャ猫はがくんと地面に下がりました。
それは三月ウサギがした事でした。肩を掴み地面に正座させ、顔を仁王立ちしている三月ウサギの方に向けさせました。
「あぁ!うるさいうざったい!!大人しくお話しでもしてれば俺としても好都合だと思ってたけどまさか男に興奮するとは思わなかったね。しかもしっかり拒否されてさ。首が外れるくらい振っていたの気がつかなかった?あと褒め言葉なのか知らないけど馬鹿丸出しの言葉も聞いているだけで不快だった。あと帽子屋!あんたの従業員なんだからさぁ________」
チェシャ猫は三月ウサギの言葉を受け流し、また始まったよみたいな顔を悠に向けました。帽子屋も可笑しそうに笑い、悠にもう行ってもいいよとジャスチャーをしました。
悠は帽子屋とチェシャ猫に頭を下げて音を立てないように屋敷へと走って戻りました。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28