大人オリジナル小説

アリスと不思議な扉
日時: 2020/02/20 10:15
名前: 緋猫
参照: http://www.otona-kakiko.com/profiles/index.cgi?mode=view&no=10323

緋猫です。初めて官能小説というものを描いてみました。
更新遅めです、本当に遅いです。
R18 BLですのでご注意ください…
自己満足小説です
>>1 キャラクター設定

7月5日1000人突破です!

【総合掲示板】作者スレ「ねこなべ」
こちらの方でご指摘ご意見伺がいたいと思います。お手数おかけして申し訳有りません。

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28



Re: アリスと不思議な扉 BL ( No.23 )
日時: 2019/08/11 19:16
名前: 緋猫

コックは【馬鹿】だ【阿保】だと、無表情メイドから言われていたが働いて一週間しみじみコックの【残念】さが身に染みて感じられました。
まずコックさんが残念だと思う所はとても調子にのる人だということ。
「これからは俺が先輩だから俺のいうことなんでも聞いてください〜」と事あるごとに先輩風を吹かせたがるのです。

最初の頃は先輩とは言わずとも、このキッチンを一人でまとめてきた人だと尊敬していましたが、お皿は割りますし調味料の場所がわからなくて戸棚をゴソゴソと漁り、しまいには唐辛子をぶちまけてしまい厨房に誰も入れなくなってしまうということがありました。しかもそんな失敗があった後でも先輩風を吹かせ続けていました。少し馬鹿なのかな。とは思いましたが、厨房のボスであるコックさんにそんなことが言える筈もなく頭を振りました。

ですが、コックの失敗は週5くらいで起こり、こんなのでよくこの屋敷で働けているなと思ってしまうことが何回もありました。
ですがそんなことも心の中で思っているだけで、悠は何も言えることなく言うことを聞いているだけで一週間が終わりました。

(コックさん悪い人ってわけではないんだけどな…)
悠はこの一週間コックさんのしでかしたことの後片付けで終わりました。
こんなのが見習いの仕事か?と考えていますが、自分がヘマをして周りに迷惑をかけるよりはずっといいかと思いました。しかもコックさん自身も見習いである悠の仕事であるお皿洗いを一緒にやってくれたりしている所をみると本当に本当に悪い人では無いようです。

それに料理の腕は確かのようで、料理で失敗は絶対にしませんし、毎日絶品料理を作っては「これだけ美味しい料理、誰にも作れないでしょう!」と言いながら味見をさせたがります。
今日も今日とて自信に満ち溢れたコックとの会話に悠はとても疲れ、クタクタになる一週間でした。疲れ切ってふらふらになりながら自室まで歩きます。
(こんなに人と目も合わせられなかった自分が仕事をしたり、手伝えたりしてこの一週間良く頑張ったな…それにしても疲れた…)

「アリス〜!!!そんな疲れたような顔をしてどうしたの〜やっぱりあんな馬鹿の下で働くの疲れちゃったのかな!」
疲れているというのにもっと疲れてしまうディーの登場です。
一週間経ったと言うのにダムはいまだに悠の存在をわかりやすく敵視し、ディーを絶対に近ずけようとはしません。
ですが自由なディーはアリスアリス〜と一人の時はだいたい走って近寄ってきてまたダムに見つかり余計反感を買ってしまいます。
ディーは誰にも縛られないような子供ではありますが、余計に敵視される悠の気落ちもわかってほしいものです。

「ダムくんはどうしたの…?やっぱり二人で遊んだ方がいいんじゃないかな…?」
優しく優しくディーを刺激しないよう距離を取るよう後ずさりします。ですがディーはそんな悠についてきます。最初の頃は逃げているだけでしたが、一週間も経てばディーには何を言っても無駄だと耐性がついてしまいました。

「僕の質問には答えてくれないんだ〜まぁいいや!ダムはアリスのことが大っ嫌いって言って僕まで遊べないからさ!今はアリスで遊びたいんだ〜ダムとアリスで遊べたら一番楽しいんだろうけどね!」

ディーはにこっと笑い遊ぼう遊ぼうと擦り寄ってきます。その行動一つ一つでダムの気に触れていると言うのはディーには気づいていないのでしょうか。ダムが今ここにいないかどうかきょろきょろしてしまいます。それにやっぱりダムからは「大っ嫌い」だと思われていたのかと、予想はできていましたがディーのこんなに良い笑顔で言われると少し傷ついてしまいます。

「話も聞いてくれないなんてつまんないよ…!アリスっ!」
悲しそうな声でディーに名前を呼ばれ、ふっと顔を下げ、目を合わせるといまにも泣きそうな声とは想像もつかないくらい笑顔で大ジャンプ!そしてぎゅうっと悠を抱きしめました。
「えっへへ!お話聞いてくれなかったお仕置き!」
そういうとディーは悠の頬に顔を近ずけ軽くキスをしました。
『……!?な…なにして…』
ディーの想像もしていなかった行動に固まり、子供のお遊びだとは分かってはいてもすごくびっくりしてしまいます。
というか、頬でも覚えている限り初めてですので子供だ男の子だとわかっていながらも変にドキドキしてしまいます。

「ありす〜あったかいし、いいにおい…」
困惑している悠とは裏腹にディーはすんすんと首元に鼻を近ずけ、うっとりとしています。
『え…と…ディ…くん?』
ディーの息が当たるたびにくすぐったくてたまりません。ですが、ディーの行動を咎めることもできず疲れてあまり働かない頭が余計ぐるぐると回ってしまいます。


「アリス…なにやってるの…?」
そんな時、悠のすぐ後ろから聞き覚えのある最悪な声が聞こえてきてぞわりと背筋が凍ります。
悠はおどおどとディーを引っ付けたまま後ろを振り返りました。
そこにいたのはやっぱり最悪最低な予想通りとっても腹立たしそうな顔をこちらに向けているダムでした。

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28