大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- 文スト 太中 (急に終わるかも)
- 日時: 2018/11/29 23:48
- 名前: ハフェズ
文ストの小説、太宰×中也を書こうと思います
主に双黒のお話になります
微エロ注意です(一応)
軽く行為を示唆する表現があるかもしれません
ご注意ください
また、太中苦手という方はご遠慮ください
判断などは自己責任でお願い致します
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- お互い ( No.23 )
- 日時: 2015/12/01 15:52
- 名前: ハフェズ
『動くな!!』
太宰が叫んだのと、後方に敵の先鋒を確認したのは同時だった。
「チッ、挟み撃ちか。作戦変更だな」
「解ってるなら考えてよ」
「兎に角、先ずは此処から降りねぇと」
出口を塞がれては堪らない。戦況を一目で把握出来る良い場所ではあったが、二人は急ぎ足で其処を後にした。エレベーターなど使える筈も無い。地上迄続く螺旋階段を、外套の袖を揺らしながら駆け下りた。壁にぴたりと張り付いて外の様子を伺い、敵無しの合図に手を上げて外に飛び出す。
「如何する」
「こんな事もあろうかと…」
「用意してた作戦でもあるのか?」
中也は拳銃を構えた。
「え?そんなもの無いけど?走り易い靴を選んで来たってだけ」
「紛らわしいな。…って事は、走って切り抜けるのか…」
ガサガサ、と敵が近付いて来る音がして、はたと足を止めた。思った以上に数が多い。如何する、中也が又問うた。仕方が無いね。太宰は溜息混じりに言った。
行くか、の合図は無かった。けれども、二人の息はぴったりだった。
夜のビル陰は暗かった。その闇を一層濃い黒に染める二つの黒≠ヘ、目にも留まらぬ速さで敵を蹴散らしていく。其の内黒は、漆黒から鉄の臭いのする赤黒んだ黒へと次第に色を変えていった。そこには慈悲など存在しない。弱く、愚かな者は死んでゆく。そう言う世界だ。
敵は、二人だけで闘うには余りにも多過ぎたが、其れでも中也は腕を止めなかった。拳銃は疾っくの昔に使い物にならなくなって仕舞ったので、適当に放り捨てたのだった。これで何人目だろう、目の前にも後にも敵が突っ伏して倒れているのをぼんやり見ながら、中也はふと、太宰の姿を探して辺りを見た。
パパン パパパパン
行き成り銃声がしたかと思うと、少し離れた所に突っ立った影が揺れた。中也は気付けば、「太宰ィ!!」と叫んでいた。
その声に敵が反応し、此方へ攻撃を仕掛けて来た。影の、太宰の直ぐ横を銃弾が掠める。中也は直ぐ様敵の一人を殴り飛ばして太宰の居る背後を振り向いた。けれども太宰が取った行動に、今度は心臓が止まるかと思った。
太宰は銃弾が飛び交う中、丸で自分を撃たせるかの様に両手を広げたのだった。
- Re: 文スト 太中 ( No.24 )
- 日時: 2015/12/01 17:40
- 名前: 菊泉
お久しぶりです!
太宰さんは一体何をしようとしているのか…
続き楽しみにしています!
- Re: 文スト 太中 ( No.25 )
- 日時: 2015/12/01 19:58
- 名前: ハフェズ
菊泉さん
来て下さったんですね!嬉しいです(o^^o)
私の小説を楽しみにして下さるなんて…
書き甲斐があります!
続きは考えながら書いていくので更新は遅くなるかもしれませんが、
自分的には良いペースで来てるのでこのまま頑張ろうと思います
またぜひお越し下さい♪
- お互い ( No.26 )
- 日時: 2015/12/05 21:26
- 名前: ハフェズ
脚を撃たれた。
避ける事は出来た。だがそうしなかったのは、単に死への願望が抑えられなくなったとしか、言い様が無い。
これは、若しかして、死ねるんじゃないか?
私の頭はもはや、その考えで埋め尽くされて仕舞った。
きっと、今なら死ねる。
弾が頬を掠めた。惜しい、後もう少し右に逸れていれば、見事私の中心を撃ち抜いていたのに。下手だなぁ。此方は一歩も動いていない、動けない、動かない、的である。一発や二発くらい当てて仕舞って、早く楽にして呉れまいか。
私は両手を広げた。
さぁ、撃って呉れ、と言う様に。
しかし残念な事に、先程よりも飛び交う弾の数が減って来た。
と言うのも、どうやら彼奴が敵を次々と薙ぎ倒しているらしい。
嗚呼…、私は又死ねない。
黒くて小さいのが咆える様に私の名を呼んだ。煩わしい、と思う間も無く、両肩を強く押されると共に視界が揺れる。そして次の瞬間には、私は地面に突っ伏していた。
脚の痛みに耐え兼ねて面を上げようとしたが、中也に手で頭を押し付けられるので頭を上げる事は叶わなかった。
敵が駆け寄って来る音がして、中也の舌打ちが聴こえた。
「おら立て太宰!」
中也は少し、焦っている様だった。私は応じる気など無いので、死んだ様にその場に伏し続ける。
「立て」
「…無理…」
「あぁ?」
私は仕方無く、中也に、脚を撃たれた為上手く立てぬと言う旨を伝えた。すると思った通り、中也は怒る。
「莫迦か手前は!俺が肩貸して遣るから、立てよ」
「…厭だ。私はもう良いから…、中也は行って」
「煩ぇ早くしろ、直ぐそこ迄来てンだよ」
「煩いのは何方だい…しつこいな…君も」
「…ったく!!」
そう言うと中也は、痺れを切らしてか私の躰を持ち上げにかかった。私は愕きに目を丸くする。
「ちょっ、中也!?辞めて、降ろして!!」
「大人しく抱えられとけ。若し暴れたら、もう片方の脚折ってやる」
「莫迦は、中也の方だよ!君に私を担げる筈がーー」
祭りの神輿でも担ぐみたいに、中也は私を肩に担いで脚を掴む。私は死ぬのを阻まれた怒りと羞恥心とから、身を捩って抗議した。けれども中也の腕の力が強過ぎて、振り払えないばかりか私を抱えたまま走り出して仕舞う。凄まじい腕力と脚力である。私は、為されるがままだった。
「っ!中也、敵が!」
私は彼に抱えられる形となっている為、中也の背後を見る事が出来た。敵の生き残りが二人を追って近付いて来る。
「解ってるよ!!糞っ」
ダメだ、間に合わない。
外套の下の、腰の辺りに隠してある銃に手を伸ばす。が、こんな状況であるため、服などに引っ掛かって上手く取り出せなかった。
敵は直ぐ目の前迄来ている!敵が、ナイフを、思い切り振り上げた。
煌めく刃が、中也の背中目掛けて振り下ろされる。嗚呼、もうーーー
「逃がすかっ…!!」
「っ!!」
「っ中也!」
『ーパンッー』
中也の背にナイフが突き刺さる。其れと同時に、私は敵の額に銃口を当て引き金を引いた。
その時だ。カラン、と何か金属製の様なものが落ちる音を聴いたのは。そうして音のした方を見てみると、ちらりと銀が目に入ったのだった。
あ、あれはーーー
ぐらり、と敵の躰がよろめいたかと思うと、ドサッと重たい音を立てて倒れる。
刺された中也は、辛うじて立てて居る状態だった。
「中也…、背中…」
「何て事ねぇ、只の、擦り傷だ」
「そんな訳…」
刃は皮膚迄に達しており、傷口からは出血していると思われた。気になるのは傷の深さだったが、中也は背中を見せる事を頑なに拒んだ。大した事は無いと言う。
『敵は、全滅した模様です!』
『……了解。後始末は頼んだよ』
『はっ!』
斯くして、任務は完了した。決して完璧とは言えなかったけれど。
私達はとても疲れて居た。特に私は、その場から動く事が出来無い程だった。迎えの車を寄越そうと、中也が携帯を開いたが、もう近く迄来ていると言う事らしいので、私は中也の肩を借りて其処へ向かったのだった。その間、会話は無かった。思うに互いに納得の行かぬ点が、多々あったのかも知れない。
帰りの車の中で、中也と私は並んで後部座席に座った。ここでも会話は無かった。初めて来る街の夜の灯りを車の窓から眺めながら、私は、先程見た銀色≠フ正体の事を思って居た。あれは多分、いや、絶対に、ーーだろう。そう言い切れる自信が、何故かあった。
そうして中也に言うべきかと迷った。
アレは、彼にとって其れなりに大切なものであろうから、教えて遣るのが正しいのだろう。
だのに、全く、私の思考回路と言ったら…時に、とんでも無い事を考え付くものである。この場で中也に打ち明けるよりも、もっとずっと両者にとって美味しい<Aイデアを。
別に今じゃなくたって良いか。
窓の外へ意識を向ける。
車外の景色が漸く見覚えのある街の風景になると、マフィア本部に帰る前にどうしても川のせせらぎを聴きたくなって来て、其れはもう抑えようの無い感情となって私に訴え掛けるので、気怠くも躰を前に起こして運転手に一言「車を止めて」と言った。
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