大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- 文スト 太中 (急に終わるかも)
- 日時: 2018/11/29 23:48
- 名前: ハフェズ
文ストの小説、太宰×中也を書こうと思います
主に双黒のお話になります
微エロ注意です(一応)
軽く行為を示唆する表現があるかもしれません
ご注意ください
また、太中苦手という方はご遠慮ください
判断などは自己責任でお願い致します
【2016.3/7 参照1000突破致しました!ありがとうございます!】
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- 真夜中のティーパーティー ( No.83 )
- 日時: 2016/02/28 17:04
- 名前: ハフェズ
「いやぁ…君達二人には本当に救われたよ。真逆、ケーキを持って来て呉れるなんてねぇ」
「図らずも御役に立てた様で。…何よりですよ」
太宰はふふっと愛想笑いをして、皿の横に並べられたフォークを手にした。その声音から、隣に座る首領の言葉を挑発≠ニ受け留めた太宰は、静かに攻撃態勢に入る。
本気で感謝しているとは少しも思えない、素敵な笑みで鴎外は太宰を見て居た。
畏れながら……背後に殺気が見え隠れしているのですが?
まあ、それもその筈だった。
何にしろこれは、自身が種を蒔いた結果の事なのだから。
「今日はエリスちゃん、“偶々”お昼寝をしていてね、それで“偶々”目が冴えて仕舞って居るみたいなのだよ」
「それはそれは。実は私も、昼間、街で偶然≠の洋菓子店を見付けましてねぇ…その時、丁度″熾zも濡れていなかったし、気分も良かったものですから、思い切って奮発して仕舞ったんですよ」
「ふうん、エリスちゃんのお気に入りのお店を“偶然”?面白い事もあったものだねぇ」
「全くです」
二人は笑顔を見せ合った。…言葉なんて、ただの建前に過ぎない。
本音を知れば、屹度笑顔で此処に座ってなんか居られないだろう。そう言った時、笑みと御世辞は便利だった。
嗚呼…帰りたい。確かに表面上を取り繕っておけばそれは逃げ≠ノはならないだろうし、一応の平和は保たれる。しかしそれは同時に、とんでもなく体力を消費する行為でもあるのだ。
フォークがカチャリと皿を打った。
決心と…覚悟の音。
「昼間私を呼び寄せたのは、廊下で中也と鉢合わせる為ですね」
鴎外はワインを口に運んだ。丸で、ずっと前から太宰がそう訊ねる事を知っていたかの様な落ち着き振りで…。ケーキにナイフを入れると、彼は徐に口を開いた。
「何が言いたい?」
「いいえ……ただ、あの時呼んでいなければ私に気付かれる事はなかった筈です。ーーー何故あの様な事を?」
「それは私が己の気分一つで君を呼び寄せた事についての抗議かね?それとも、君の知らない処で中也君に勝手にプレゼントを渡した事の方かな?」
「勿論、後者です」
太宰はもはや微笑んでなど居なかった。
漆黒の水晶が鴎外を追い詰める。
背後に見える其れは…殺気かい、太宰君?
- 真夜中のティーパーティー ( No.84 )
- 日時: 2016/02/28 17:01
- 名前: ハフェズ
「私は部下に褒美一つ贈ることも出来ないのかい、そんなの悲しいよう」
溜息を吐く鴎外の眼は、ケーキを食すエリスに向けられていた。
「部下の喜ぶ顔を見ると、自然と此方も嬉しくなって来る」
「ーーアレが」
ガシャン!
脳内では既に、太宰は思い切り右手をテーブルに打ち付けていた。
惚けるな…何が嬉しくなって来る、だ。
「アレが只のジッポーなら」
彼が何れ程貴方に心酔してるのか、
「質屋に売り飛ばすだけで済んだのですが」
知らない貴方ではない筈だ。
「……」
…クスッ…
微かな笑い声。
…何故だ。如何して、笑える?
太宰は目を見開いて男を見詰めた。
「毎日飽きもせず啀み合って。一度口を開けば言葉の殴り合いが始まる。
君達はてっきり、不仲なのだと思っていたのだけどねぇ」
不仲。直ぐに喧嘩する。仲が、悪い。
ああそうだ。実際そうなのだから仕方無い。言い訳の仕様も出来ない。
けれど、だからと言って、如何して相棒の横に自分じゃない他の誰かが立つのを許す事が出来る?
「目的は監視ですか」
「うぅん、監視と言うよりも…確認、かな」
ぱぁっと鴎外が微笑む。
嘘だ。本当は、中也と私の遣り取りを盗み聴きして愉しんでいただけだ。
そう確信して、太宰は久し振りとも思える笑みで返した。
そろそろ御暇する頃合いだろうか。正直、好い加減この甘ったるい、毒の様な空気に厭気が差して来たのだが。
最後に。
中也(と太宰)にあの様な仕打ちをしたのだから…それに見合った代償≠ェ必要だ。
「まあ、良いでしょう。忠告は既にしましたし。
ーーー後はケーキをどう弁償して頂くか、ですね」
「何を御望みかな?此方が用意出来る範囲内で頼むよ」
鴎外は何故か上機嫌だった。満更でもない、と言った様子である。若しかすると部下に褒美を贈る云々と言う話は、本当の事だったのかも知れない。
「じゃあ遠慮無く」
ニッコリ、太宰が笑う。
「二日分の休みを。…無論有給で、二人分」
良いだろう。そう言って鴎外は太宰の要望を受理した。
「さ、中也。帰るよ」
太宰が立ち上がって中也の名を呼んだ。
それまで愉し気にエリスと語り合って居た中也は、ハッとして太宰を見る。
「お、おう」
「もう帰るの?」
振り向くとエリスが見上げて来た。まだケーキいっぱいあるのに、と少し悲しそうだ。
「今宵は愉しませていただきました。またの機会に、エリス嬢」
「チュウヤ…」
中也が帽子を胸に綺麗なお辞儀をするのを見て、エリスもまたワンピースの裾をふわりと持ち上げた。マナーは、完璧に。
「その時には、是非私も」
中也の横で、太宰もお辞儀する。
うふふ。
エリスは笑っていた。
太宰は不思議そうに少女を見遣る。
「ええ、いいわ。あなたのケーキ、おいしかった」
あなたのケーキ=c?
エリスは、太宰の心を見透かしていたのか、それともただ…。
「喜んでいただけて、光栄です」
それでは。もう一度鴎外とエリスに礼をして、中也と太宰は背を向けた。
中也が扉の取っ手に触れる。
「ーーーねえ、オサム」
ちょいと袖を掴まれて、太宰は立ち止まる。
何でしょう?そう言う意味を込めた笑顔を向けると、少女は太宰にしか聴こえない様な小さな声で、コッソリと。
『 わたしを__したのーー? 』
失礼します。
二人が去った。後に扉がゆっくりと閉まって行くのを、碧い瞳が見ていた。
- Re: 文スト 太中 ( No.85 )
- 日時: 2016/03/07 17:42
- 名前: ハフェズ
【参照1000突破記念】感謝を込めてお話を一つ
◆『モノのカチ』◆
「中也の価値って幾らだろうね」
乾いた銃声。誰かが倒れる音。
汚れた革靴が悠々と水面を打ち乍らまだ通れる道を縫って行く。
「首にぶら下げた懸賞金は幾らだ、ってェ噺か?」
空中に銀の弧を描くナイフ。血糊に染まるのを免れた部分が煌く。
丸で舞いを舞っているかの様に、まだ生きた人の間を縫って行く。
それは丸で『明日の天気は何だろうね』と他愛の無い、軽い世間話でもするみたいな問い掛けだった。余りにもこの場に相応しくない、たいそう場違いに聴こえる青年の態度。それに比べて、後に応えた青年の方は、まだ幾らか言に重みを漂わせていた。
そう、此処は戦場。
一歩踏み外せば彼の世行き。今宵ばかりは戦火の渦巻く、港附近の廃倉庫。
タン、と、一先ず敵から身を離した中也が太宰の横に降り立った。
「違うよ。君の価値は、そんなモノではないだろう?」
うふふ、と太宰が笑う。此奴、余程気分が良いらしい。
太宰にしては珍しく。
「確かにな」
どう言う訳か。
その日は彼も、何だか悪くない夜だと感じていた。
相棒と気が合うなんて滅多に無い。
だから、何時もなら適当に受け流す彼のお遊びにも、その時だけは付き合って遣ろうと思ったのだ。
「じゃあ一体、俺の価値って何だ?」
言い乍ら、中也は刃にべっとりと付着した汚れを振り払う様に腕を下に振った。
ピチピチッ、と音を立てて、飛び散った血が地面を斑に染めた。
「うーん、彼処に居る人達を始末して来たら、教えてあげてもいいよ」
太宰が言い終わるのとほぼ同時に、中也が塵一つ舞わす事なく飛び出した。
クスリと笑いを零す。
全く、熱いんだから。
ドスッとかバキッとか、鈍くて嫌な音がして敵が倒れて行く。ナイフで裂かれたのか、時々図太い悲鳴も聴こえて来た。
しかしあの人数を始末するのに、数分も掛からない。
最後の一人を倒すと、中也はパンパンッと手を叩いた。
「これで満足か?」
「お見事」
流石中也。私の、相棒。
見れば彼もニヤリと口許を歪めているではないか。
中也もまた、私と同じ≠轤オい。
「君の価値は、」
今にも鼻歌なんかを歌い出しそうな具合いで、中也に近付いて行く。どんなに動き回っても離れて落ちて行く事のない、その帽子の下。柔らかくウェーブする薄い飴色の髪を、己の指に巻き付けて。
「たとえば、この飴色の髪」
クルクル巻いてはするりと放す。毛先が頬に当たる度、中也は擽ったそうに僅かに眉をひそめた。
「この髪には、価値があると思うよ」
「…」
中也にしては珍しく、されるがままになっている。何だか変な気分だ。太宰の次の台詞を、中也は静かに待っていた。
「…肌も透き通るみたいだ。…あんまり綺麗だから、逆に傷付けたくなっちゃう」
すると、何が面白かったのか、中也が喉の奥でくつくつと笑い出した。
何が可笑しかったの、と問えば悪ぃと返して来る。
「それで?」
「それで……」
ふと、先程見た光景が思い出される。
飛んで跳ねて舞って。
ふわりと浮かせる躰は、全く重力を感じさせず。
しなやかな身のこなしは、もはや見事としか言い様が無くて。
君の瞳も嫌いじゃあないが、矢っ張りーーー
「一番は戦場で舞う姿、かな」
仕事してる方が中也らしいや、と続く太宰の言葉に、ふんと中也は考え込む。
間違ってはいねえな、と思った。じっとしていろと言う方が、中也には苦痛だった。
はい、じゃあ、次は中也の番ね。流れを切り替える様に太宰が言った。
またもや周囲が騒がしくなって来た様だった。だが、そんな事お構いなしに続けるのが太宰と言う人間だ。
「私の価値は、何だい?」
「そうだなァ、彼奴等片付けて来たら、教えて遣ってもいいぜ?」
さっきのお返し、と言わんばかりに片眉をくいと上げて見せる。
今度は太宰が働く番。の、筈だった。
彼の台詞に、太宰はパチリと目を瞬いて、
「え、ヤだよ」
「っは?」
「だって面倒だし。中也がヤれば良いじゃないか、そう言うのは中也の仕事だろう?」
…え?何言ってやがる、コイツ?順番的にここは太宰が行くべき処じゃねえか?
「何で俺なんだよ手前がヤれよ!俺はさっきヤっーー」
「ほら!前見て中也、敵が此方を狙ってるよ!」
「ハァ!!?だから如何してーーーッ」
そう太宰に怒鳴りつけようとしてハッとする。敵が今まさに銃を鳴らしたからだった。中也は反射的に腕を突き出した。
重力操作=[ーー!
「わあ、ギリギリセーフ!」
速度を失った銃弾が、中也の手の平をはらりと離れる。
何が、「セーフ!」だ!
「クッソ手前ェ!覚えとけ!!」
しかし思ったより敵数が多い。
一人で、イケるか?
ぐっと構えて、駆け出そうとした時だった。
太宰に腕を掴まれて、動きを封じられる。
中也が怒鳴りつけようとするのを防ぐ様に、太宰が言う。
「先に教えて呉れたら、手伝ってあげるけど?」
「ッ!」
それは酷く身勝手な提案であったが、二人には言い合っている様な時間は無いと言うのもまた避けられない事実であった。
「チッ、手前のその面だけは、嫌いじゃねえよ莫ァ迦!!」
「プッ!何それ、子供みたい」
揶揄うのを辞めない太宰に、好い加減中也は腹が立って仕様が無かったが、「じゃあ、」と続く太宰の言葉に、思わず息を呑んだ。
「背中は預けたよ、相棒」
噫、こう言う時だけ、此奴はそんな事を俺に向かって言う。
一気に何か≠ェ全身を駆け巡る感覚。
快感とも興奮とも形容し難い、中心が熱く痺れる様なこの感覚の名は、一体。
心臓が早鐘を打つ。
心も、躰も。そして今この状況までも、全てが目の前に居る相棒に呑まれて行く。
見えない糸に引かれるのが解った。
「任せとけ、ーーー」
相 棒
◆◆◆◆◆
結局、言えなかったこと
こう言うのも癪だが…手前は、頭が良い
流石首領から期待されてるだけあって、会話の節々で「ああ、此奴頭良いんだな」と思う時がある
だから話していて飽きない。揶揄は別にして、だ
それから…手前の顔だけは評価してる
意外と整った顔してやがンだよなァ、腹立つけど
でも嫌いじゃねぇ
…けど矢っ張り一番最高だって痛感させられるのは、手前と並んで戦ってる時
生きるも死ぬも手前のその手の内で
後には引けない闘いの中、
感じるのは恐怖ではない、きっと他の何か
死に際にいるってのに、一番生≠噛み締めてる
異能を使ってる時は尚更に
全身が奮えて、視界がクリアになる
そんな感覚を味わえるのは…多分、
相棒である手前と共に戦ってる時だから
そんな事知ってる
どんな時、中也が心奮わすか
私が知らないとでも思ってた?
判り易いんだよね、君って
だから中也の興奮が此方にも感染って来て
気付けば私も、呑まれてるんだ
それは一瞬死ぬ事を忘れて仕舞う程にね
君の事は大嫌いさ!でもそれと同じ位に好きな部分がある
矛盾してる?君も大概、だよ
戦場で中也の生死を握ってるのは、悪魔でも天使でも、況してや神でもない
それが何れ程、愉快で滑稽か
病み付きになって仕舞う。どうか手を離さないで
後は任せておきなよ、私の相棒
終
(以降、作者の感想)
この度参照が1000を突破致しました!閲覧者様の皆様には、大変感謝しております!
しかしながら、1000とは言うものの、そのほとんどは自身で稼いだも同然です…(泣)
更新が遅かったり、後で書き足したりと、たくさんご迷惑をお掛けしました
挫けることなく執筆に勤しんで行きたいと思いますので、ぜひまたお越しください!
(その時にはきっと、お話も少しは進んでいることだと思います)
ハフェズでした
- Re: 文スト 太中 ( No.86 )
- 日時: 2016/03/13 15:20
- 名前: 紺子
お久しぶりです
小説楽しかったです
テストが多くて、最近あまり来れなくて残念です
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